テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

― 実録!《室町パワーゲーム》 ―

2020-10-13 22:33:51 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 またもォ、へんてこォなァばんぐみィ、たんじょうゥ!」
「がるる!ぐるるるるがるる!」(←訳:虎です!攻めてるねNHK!)

 こんにちは、ネーさです。
 昨日10月12日からNHK総合で始まったのは、
 『光秀のスマホ』。
 “もしも明智光秀さんがスマホを持ってたら?”
 をテーマとする5分ほどのミニプログラムに
 くすくすニヤニヤしながらの本日の読書タイムは、
 さあ、こちらの御本を、どうぞ~♪

  



      ―― 新九郎、奔る! 5 ――



 著者は ゆうきまさみ さん、2020年10月に発行されました。
 北条早雲さんの若き日を描く
 《新九郎、奔(はし)る!》シリーズの第5巻です。
 いやあ、これがねえ、もうねえ……

「おもしろォかッたでスゥ~!」
「ぐるるるがる!」(←訳:一心不乱読破!)

 伊勢新九郎盛時(いせ・しんくろう・もりとき)さん、
 16歳。

 後代、北条早雲を名乗って
 小田原に城を構えることになるとは、
 つゆ知らぬ新九郎くん、
 この5巻では、
 戦争シーンは無いし、
 母上からきつ~く叱られる失態もなく、
 とても平和な毎日を……

 過ごせるワケがないわよね。

「だッてェ、じだいィはァ~…」
「がるるる!」(←訳:応仁の乱!)

 第4巻では、
 権力者たちの思惑が渦巻く京の都を離れ、
 父の所領地へやって来た新九郎くんの苦難が
 た~っぷり描かれました。

 この第5巻でも、
 新九郎くんの受難が終わる兆しは
 いっこうに見えてきません。

 知らない土地。
 好意的ではない人々。
 腹黒そうな親族。
 領地の境界線争い。
 
 ……そして、
 新九郎くんの身にも危険が迫る……!

「ひいいィッ!」
「ぐるるるるる!」(←訳:逃げ出したい!)

 逃げ出す? どこへ?

 京にいる父のもとへ、
 と言いたいところですが、
 その京で異変が。

「こッこれがァ、いわゆるゥ~?」
「がるぐる!」(←訳:権力闘争!)

 権力闘争というか、政争というか、
 パワーゲームというべきか。

 新九郎くんの父・盛定(もりさだ)さんは、
 まさにその、都(みやこ)の権謀術数に呑み込まれ、
 空前の窮地に。

 応仁の乱の時代、
 すなわち室町幕府の土台が
 日に日に軋みと歪みを深めてゆく時代とは
 こういうものであったかと、
 嘆息ばかりが重なります。

   国をより良く、豊かにしよう。
   民びとが飢えることのないよう、
   天災に怯えることのないよう、
   確固として揺るがない政府を作ろう。

 なんていう志を持つ者が
 幕府の上層部にひとりでもいたら……。

「もしかしたらァ?」
「ぐるるるるがるっるるる?」(←訳:戦国時代はなかったかも?)

 はたして、
 新九郎くんの、
 伊勢家の未来は?

 なまじの《応仁の乱研究書》を読むよりも、
 足利将軍家の実態、
 幕府運営方法の欠陥、
 有力武将たちの相関関係などが
 格段に理解できる
 《新九郎、奔る!》1~5巻は、
 歴史好きな活字マニアさんに
 激おすすめです。

 当時の衣装、所作、慣例なども
 しっかり描き込まれているので、
 時代劇&ドラマファンの方々も、
 きっと大満足できますよ。
 ぜひ、一読してみてくださいね~♫ 
 
 

 
コメント
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