テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 出口への道しるべ ~

2020-10-07 23:30:20 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ふァ~…きんもくせいィがァ、ちッちゃうゥ~…!」
「がるる!ぐるるがるる!」(←訳:虎です!台風のせいだ!)

 こんにちは、ネーさです。
 ちょうど1年前でしたね、
 ラグビーW杯に日本中が沸いている最中に
 大型台風が襲来して、
 甚大な被害をもたらしたのは……
 今回は何の被害もありませんようにと願いつつ、
 さあ、読書タイムです。
 本日は、危急の場合に頼りたいこちらの御本を、どうぞ~♪

  



       ―― 疫病退散 ――



 著者は島田裕巳(しまだ・ひろみ)さん、
 2020年9月に発行されました。
 『日本の護符ベスト10』と副題が付されています。

「うむゥ? それッてェ、もしやッ??」
「ぐるるるがる?」(←訳:アマビエさま?)

 そうね、
 SNSでの小さなつぶやきから
 アッと言う間に日本中に、
 いえ、海外へも広まった
 《アマビエ》さま。

 その驚異的な拡散ぶりに、
 私たちはあらためて、
 《護符》というもの、
 21世紀の現在になっても
 如何に人びとが心細さを感じて
 《護符》を求めているのかを
 身に染みて知ることになりました。

 そして、この2020年という年に
 大注目を浴びたのは
 《アマビエ》さまでしたが、
 歴史を振り返れば……

「わおゥ! しらなかッたでス!」
「がるるるぐるるる?」(←訳:こんなにいろいろ?)

 『日本の護符ベスト10』として
 この御本で紹介されているのは、

 《角大師(つのだいし)》
 《牛頭天王(ごずてんのう)》
 《蘇民将来(そみんしょうらい)》
 《天刑星(てんけいせい)》
 《鍾馗(しょうき)》
 《虎狼狸(ころうり)》
 《アマビエ》
 《件(くだん)》
 《摩多羅神(またらじん)》
 《源為朝(みまもとのためとも)》。

 御本の表紙にもなっている《角大師》さまは、
 ええ、目にした記憶があります。

 《牛頭天王》さまは、
 泉鏡花さんの作品にも登場するわね。

 《蘇民将来》さまと《鍾馗》さまは
 お祭りでは人気者ですし、
 《虎狼狸》さま、《件》さま、《摩多羅神》さまは
 時代小説で描かれたりもしていて……。

「ふァいッ! ゆうめいィでスゥ~!」
「ぐるがるぐるる……?」(←訳:でもこのひとは……?)

 10の《護符》のうち、
 異例とも言えるのは、
 《源為朝》さま、
 いえ、為朝さん、と敢えて親しくお呼びしたい
 源氏の武将さんです。

 浮世絵では人気のキャラである為朝さんが、
 どういった経緯で《護符》になったのか、
 著者・島田さんは
 鮮やかに解き明かしてゆきます。

 苦難にも逆境にも決して膝を屈しない
 生命の力、
 孤島で生きる人々に
 生きる力を与えた為朝さんの“強さ”を。
 
「じじつとォ、でんせつゥ!」
「がるるるぐる!」(←訳:不思議な融合!)

 長いトンネルに出口が見えてくるのは、
 いつになるのか――

 『疱瘡(ほうそう)』退治に
 大いに力を発揮したという
 為朝さんの略伝をはじめ、
 大スターになってしまったのに
 まだまだ謎が多い《アマビエ》さまの物語、
 様々なバリエーションを生み出す
 《角大師》さま誕生秘話など、
 《護符》のエピソードは
 日本の歴史と直結しています。

 出口の光が見えてくる日を待ちながら、
 《アマビエ》さまファンの方々、
 歴史好きな活字マニアさんも、
 ぜひ、手に取ってみてくださいね♪

 
 
コメント
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