テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ その日、霧の彼方で ~

2020-10-15 22:39:35 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 さらばッ、なぽれおんッ!」
「がるる!ぐるるるるるるがる!」(←訳:虎です!セントヘレナへ行け!)

 こんにちは、ネーさです。
 何気にウィキペディアを覗いてみたら、
 今日10月15日は、
 《ナポレオン・ボナパルトがセントヘレナに流刑になった日》
 だとありました。
 世界史の岐路の一つとなった日にちなみ、
 本日の読書タイムは、
 こちらの御本を、さあ、どうぞ~♪

  



      ―― ドタバタ関ヶ原 ――



 著者は長谷川ヨシテルさん、2020年8月に発行されました。
 慶長5年(1600年)9月15日――
 美濃国・関ヶ原に集った武人たちの、
 はたまた集いたくとも集えなかった武人たちの、
 “それぞれの闘い“を追う
 歴史ノンフィクションです。

「ひがしとォ、にしィ!」
「ぐるるがるる!」(←訳:天下はどちらに!)

 現代の私たちは
 当然ながら既に結果を知っておりますけれど、
 現場の武将さんたちは、
 おそらく悩みに悩みまくったに違いありません。

 そんな武将さんたちを、
 著者・長谷川さんはじ~っと観察いたします。

 まず、
 第一部『東軍武将列伝』で取り上げられているは、
 徳川家康さんを総大将と仰ぐ
 武将さんたち。

「かてるゥかなッ?」
「がるるるる!」(←訳:勝たないと!)

 第二部は『関ヶ原場外乱闘』。

 ここでは、
 関ヶ原に参戦できなかった武将さんたちを
 丁寧に拾い上げています。

 例えば、
 伊達政宗さん、
 上杉景勝さんと直江兼続さん、といった
 “地理的に参戦はムリ!”
 “フクザツな事情があって参戦できず!”な方々ね。

「せきがはらァはァ、とおいんでスゥ!」
「ぐるがるる~!」(←訳:心配だなあ~!)

 そして、
 第三部は『西軍武将列伝』です。

 豊臣家に忠誠を誓う、
 太閤秀吉さん子飼いの武将さんたちと
 西国の武将さんたちの連合軍を指揮するのは、
 石田三成さん。

「かつよねッ?」
「がるる!」(←訳:勝つさ!)

 勝ちたい!勝つ!
 という思いは東西両軍に共通しています。

 が、“戦力”とは、ただの数字ではありません。
 何万人もの”人間“です。

 となれば、
 腹に秘めた思惑も、何万の数に上る訳で。

「あちこちィでェ、どたばたッ!」
「ぐるっるぅる!」(←訳:起こっちゃう!)

 歴史的な一戦に臨んだ武将たちは、
 何を考え、
 どう行動したか。

 著者・長谷川さんに拍手を送りたいのは、
 そんな大決戦の描写とともに、
 小さなエピソードも
 しっかり掬い上げているところです。

   最高齢の参戦者は、
   “弓術のマエストロ”大島雲八さん、
   驚異の93歳!

   真田家と同じように、
   親と子で東西に分かれて戦ったファミリーは
   他にもいた!

 なんていうお話は、
 歴史好きな方々の好奇心を
 くすぐるんじゃないかしら。

「きゅうじゅうゥさんさいィ??」
「がるる!」(←訳:鉄人だ!)

 いまとなっては、
 どこまでが真実で、
 どこまでが伝説なのか、
 時間の霧の彼方を見晴るかすのは
 容易なことではありませんが。

 そのとき、
 その場所で、
 運命を分けたのは
 何であったのか。

 長谷川さんの楽しくも真剣な語りに、
 活字マニアの皆さま、
 ぜひ、耳を傾けてみてくださいね~♪

 
コメント
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