テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ とびぬけて、《異色》! ~

2020-10-08 23:31:06 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 さむむッ! ふゆものォ、ださなくちゃッ!」
「がるる!ぐーるるっるがるー!」(←訳:虎です!ヒートテックどこー!)

 こんにちは、ネーさです。
 突然の寒さへの対抗アイテムは、
 ヒートテックやフリースジャケット、厚手のソックス。
 しっかり武装したら、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらのアンソロジー作品を、どうぞ~♪

  



        ―― ドクターM ――



 編者は関根亨さん、
 著者は収録順に、海堂尊さん、久坂部羊さん、
 近藤史恵さん、篠田節子さん、知念実希人さん、
 長岡弘樹さん、新津きよみさん、山田風太郎さん、
 2020年7月に発行されました。
 『医療ミステリーアンソロジー』と副題が付されています。

「たんていィさんはァ、おいしゃさんッ?」
「ぐるるるるがる!」(←訳:看護師さんかも!)

 題名からもお分かりのように、
 この御本は
 《医》にまつわる短編ミステリ8作品から構成されています。

 近年、上記の8人の著者さんの中で、
 医療ミステリのリーダー的存在、といえば、
 デビュー作『チーム・バチスタの栄光』が
 ベストセラーとなった海堂尊さん……ですが。

 ここは敢えて、
 山田風太郎さんの作品に
 スポットライトを!

「にんじゃッ!」
「がるるぐる!」(←訳:伊賀と甲賀!)

 そうよね、
 ニンジャマスターたちが縦横無尽に闘い合う
 《忍法帖》シリーズは山田さんの代表作ですし、
 時代物、ミステリ作品も
 得意としておられました。

 それにしても、
 ここに収録されている作品は、
 怪作というべきか、
 奇作というべきか……。

「いちばんッさいごッ!」
「ぐるるるがる!」(←訳:オオトリです!)

 『厨子(ずし)家の悪霊(あくれい)』――

 御本のトリを飾るこの作品の発表年は、
 1949年(昭和24年)。
 
 そして……ええ、もうスパッと言っちゃいましょう、
 なんとこの『厨子家の悪霊』は、
 コナン・ドイルさん著『バスカヴィル家の犬』への
 オマージュ作品?!?

「おおおッ!」
「がるるぅ!」

 しかも、そこに
 ”雪上の足跡“という、
 ディクスン・カーさんばりの
 密室要素や、
 “名家内部の疑心と偽装”という
 横溝正史さんか小栗虫太郎さんか的な要素も
 豪快に投入!

「ふわァ~…もうゥ、びッくりィでス!」
「ぐるるがるるぐるるるる!」(←訳:こんな作品があるなんて!)

 第二次世界大戦が終わってまだ間もない頃の、
 山形県の或る村で
 異様な事件が起きました。

 警察を困惑させ、
 当地随一の名家・厨子(ずし)家に影を落とす
 『厨子家の悪霊』とは、
 バスカヴィルの魔犬にも劣らない
 怖ろしい狂犬……なのでしょうか?

 はたして、悪霊の正体は。

「どこどこまでもォ~…!」
「がっるるるぐるる!」(←訳:びっくりは続くよ!)

 山田さんの作品には、
 現在ではNGとされる用語や描写も含まれていますが、
 まずは、なぜNGなのかを考えるためにも
 一読してみてくださいね。

 8人の作家さんそれぞれの医療ミステリと、
 編者・関根さんによる解説も併せて、
 ミステリ好きさんに、おすすめです。
 ぜひ、手に取ってみてくださいな♫
  
 

 
コメント
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