テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ ニャンたる ミステリ ~

2020-10-23 22:30:15 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 どうぶつかいィもォ、ころもがえッ!」
「がるる!ぐるがるる~!」(←訳:虎です!鋭意換毛中~!)

 こんにちは、ネーさです。
 寒さが増すシーズンとなれば、
 動物たちも夏毛から冬毛へ、
 装いを変えてゆく最中でしょうか。
 そこで、本日の読書タイムでは、
 今頃は換毛中に違いない或る生きものさんの活躍譚を、
 さあ、どうぞ~♪

  


 
      ―― ニャン氏の憂鬱 ――



 著者は松尾由美(まつお・ゆみ)さん、
 2020年8月に発行されました。
 『MR NYAN'S BLUES』と英語題名が付されています。
 『ニャン氏の事件簿』『ニャン氏の童心』に続く
 《ニャン氏》シリーズの第3作ですよ。

「ふァいッ! ねこォだけどォ~♫」
「ぐるるがるぐぅるる?」(←訳:ただのネコじゃない?)

   このニャンコには
   逆らえないよなぁ……。

 そう考えたのは、
 製缶会社に務める
 茶谷歩(ちゃたに・あゆむ)くん、24歳。

 製缶会社、といっても、
 そこは“缶詰の中身を作る”のではなく、
 缶の製造や技術の開発をする会社ですし、
 茶谷くんは総務部の所属ですから……

「びッくりィしたのでス!」
「がるるぐるるる!」(←訳:ご指名だなんて!)

 ウチの会社の、
 大株主の実業家さんの、秘書さん。

 その秘書さんがやって来て、

   “音楽をやっている社員さんと話したい”

 と言うのなら、
 社長さんも、重役さんも、
 茶谷くんの上司さんも、拒めませんよね。

 当然、茶谷くんも。

「あはァ! もしかしてッ?」
「ぐるるるるがるるるる?」(←訳:茶谷さんは音楽家さん?)

 ロックバンドをやっている茶谷くん、
 “音楽をやっている社員”として、
 秘書さんとお話しすることになります。
 
 で、応接室のドアをノックしてみれば。

「わほォ~♫」
「がる~♪」

 そこにいたのは、
 秘書さんと……

 ネコ。

 身体の大部分が黒で、
 お腹と足先と、
 顔は頬から下が白い、
 いわゆるタキシードキャットちゃん。

「しッぽもォ~ぴんッ!」
「ぐるるがるるる!」(←訳:本当にネコだよ!)

 応接室にネコ、
 という組み合わせに驚きつつも、
 大株主の秘書さん相手では文句を付けようもなく。

 ネコちゃんのニャ―ニャー声の合間に
 缶の製法のあれこれについて、
 秘書さんと検討する茶谷くん。

 話題が、いつしか缶の製法から逸れ、
 密室事件の謎へと変わっていったのは、
 秘書さんが、いえ、
 ネコちゃんが後押ししたせい、
 だったのでしょうか。

 そうして、茶谷くんは感じます。

 かつて経験した摩訶不思議な、
 けれど今も心に残る、
 ひとつの謎が解かれようとしている……。

「どきどきィ~しまスゥ!」
「がるぐるる???」(←訳:謎の答えは??)

 茶谷くんの憂いを解き明かす
 『密室のカナリア』に始まり、
 『見張り台からずっと』
 『黄昏のブロック塀』
 『猫を見たかい』
 『ホスピタル・オディティ』
 『アンダー・ヒズ・サム』と、
 計6篇から成る
 『ニャン氏の憂鬱』は、
 ネコ好きさん&ミステリ好きさんにも、
 音楽好きさんにおすすめの
 連作短編集です。

 探偵・ニャン氏の愉快な物語を、
 皆さま、ぜひ♪
 
 
 
コメント
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