テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 遠ざかる王朝の裳裾 ~

2021-07-15 23:40:02 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 とんぼォ、もくげきィしましたでス!」
「がるる!ぐるる!」(←訳:虎です!赤と黒!)

 こんにちは、ネーさです。
 毎年我が家にやってくるオハグロトンボくんと、
 赤い胴体の子はナツアカネくん、でしょうか。
 今年はトンボの当たり年かも?と思いながら、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの新書を、どうぞ~♪

  


 
  ―― 名画で読み解く プロイセン王家 12の物語 ――



 著者は中野京子(なかの・きょうこ)さん、
 2021年5月に発行されました。
 ハプスブルク家やブルボン王朝、
 ロマノフ家、イギリス王家に続いて
 《名画で読み解く 王家の物語》シリーズ最新作は、
 プロイセン王家をテーマとしています。

「ぷろいせんッ??」
「ぐ~る??」(←訳:え~と??)

 プロイセン王家……

 そのぅ、ええ、正直に言いますと、
 現在も続いている英国の王家、
 マリー・アントワネットさんの存在が際立つ
 フランスの王家などに比べ、
 プロイセン王家って
 知ってるようで知らないわよね。

 著者・中野さん御自身も、
 『序章』で↓こんな風に記しています。

   ドイツ統一を果たした
   プロイセン(=プロシャ)の王朝が、
   ホーエンツォレルン家。
   であるのに。

   ホーエンツォレルン家の知名度は
   決して高くはない。

「じみィ~…」
「がるぐるるる~」(←訳:華がないよね~)

 ただね、、中野さんはこうも述べているんです。

   だがこのホーエンツォレルン家こそが、
   現代ヨーロッパ地図の
   原型を作ったのだ。

 フリードリヒ大王、
 フリードリヒ・ヴィルヘルム三世と
 ルイーゼ王妃(御本表紙の女性です)……

 しかし、読み進んでゆくうち、
 私たちの眼は、
 或る人物に
 どうしようもなく
 吸い寄せられてしまいます。

「むむッ! このォなまえェ!」
「ぐるるがるるぐるる!」(←訳:聞いたことがあるよ!)

 オットー・フォン・ビスマルクさん。

 通称《鉄血宰相》。

 著者・中野さんによれば、
 “フリードリヒ大王と並ぶ
 プロイセン史上最大のスター“
 にして、
 “ドイツ帝国を創設”した政治家です。

 王族ではないものの、
 地主貴族(ユンカー)出身のビスマルクさんは、
 ヴィルヘルム一世を援け、
 というより、
 王に匹敵する政治力を持ち、
 英国の外務大臣さんは
 ↓こう評しました。

 プロイセン王ビスマルク一世。

「むむゥ~んッ? それはァ~…」
「がるるるるぐるがるるる~…」(←訳:近寄らない方が良さそう~…)

 鉄血宰相さんが造り上げた
 盤石の王国。
 それでも、
 時勢には敵いませんでした。

 第一次大戦後、
 王政廃止となって、
 ホーエンツォレルン家のヴィルヘルム二世は
 オランダに亡命します。

 ひとつの王朝が
 終焉を迎えた、んですね。

「ふうゥ!」
「ぐる~!」

 プロイセン王家の興亡に沿って、
 王族たち政治家たちの肖像画が多数配され、
 アート本としても、
 近代ドイツ史入門書としても、
 楽しく読める一冊です。

 肖像画好きな方々にも
 おすすめですので、
 本屋さんで、図書館で、
 ぜひ、探してみてくださいね~♪
 
 
 
コメント
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