テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ お江戸、街角パレード ~

2021-07-13 19:23:04 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 おおたにィさんッ、おつかれさまァ~でス!」
「がるる!ぐるるがるるる!」(←訳:虎です!高地はキツそう!)

 こんにちは、ネーさです。
 MLB球宴でのホームランダービーなるものを
 初めて拝見いたしました。
 必要とされるのは、
 運!体力!背筋!会見での面白トークスキル!
 ……メジャーリーグって大変なところねぇと感心しつつ、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらのアート本を、どうぞ~♪

  


 
       ―― 浮世絵動物園 ――



 著者は赤木美智(あかぎ・みち)さん、
 渡邊晃(わたなべ・あきら)さん、
 日野原健司(ひのはら・けんじ)さん、
 監修は太田記念美術館の皆さん、
 2021年5月に発行されました。
 『江戸の動物大集合!』と副題が付されています。

「ごろにゃんッ!」
「ぐる!」(←訳:わん!)

 猫たち、犬たち。

 浮世絵を中心とする
 江戸期日本美術の画面に描かれているのは
 どんな動物か?といったら、
 やっぱり、
 1位と2位はニャンコとワンコですよね。

 特に、ニャンコは圧倒的だわ。
 有名な
 歌川広重さん作『名所江戸百景 浅草田圃酉の町詣』
 を筆頭に、
 花魁さんに抱かれていたり、
 子どもたちと遊んでいたり、
 着物の袖にくるまって眠っていたり。

「わんこもォ、がんばッてまスゥ!」
「がるるぐるる!」(←訳:日本版チワワ!)

 日本固有の小型犬、狆(ちん)。

 江戸時代には
 小型の犬を総称して狆と呼んだ、
 とのことですが、
 あらら♪
 真っ黒くんや赤毛くん、
 茶毛、銀白毛、白黒くん、と
 いろんな狆くんがいるんですね。

「にぎやかァでスねッ」
「ぐるるがるるる?」(←訳:猫よりカラフル?)

 と、かように
 浮世絵界で引く手あまただった
 ニャンコ&わんこに始まって、
 この御本では、
 お馬さん、
 金魚やカニ、
 カレイ、ハマグリ、
 コウモリ、ツバメ、スズメ、
 挙句はクジャクまで
 登場いたします。

 クジャクが描かれているのは、
 本文50~51ページの
 鳥高斎栄昌(ちょうこうさい・えいしょう)さん作
 『扇屋見世略 はしたて あやこし はなひと』
 という、
 寛政3~10年(1791~98)頃の
 大判錦絵なのですが、
 ちょっとビックリしましたよ。

 鳳凰のようなボディ、
 クジャクそのものの豪華な羽根……
 これは想像図じゃないわよね?

 誰かが輸入したクジャクを
 絵師さんがスケッチして、
 錦絵にしたんでしょうか。

「おえどのォ、まちかどはァ~」
「がるるるぐるる!」(←訳:ホントに動物園!)

 もうひとつ、
 見入ってしまったのは、
 本文35ページの
 歌川芳形(うたがわ・よしかた)さんの
 『東海道 藤澤』。

 文久3年(1863年)制作のこの作品には、
 蹄(ひづめ)の手入れをされている
 お馬さんが描かれています。

 当時、西欧社会では
 蹄鉄(ていてつ)が使われていました。

 一方、江戸時代以前の日本には、
 蹄鉄というモノがなく、
 お馬さんの足に
 草鞋を履かせていたのです。

「もしもォ、いじんさんがァ、もくげきィしたらァ~」
「ぐっるがる!」(←訳:きっと驚愕!)

 動物たちの
 生態や習慣、
 解説の文章までも楽しい
 お江戸の町の《動物》事情。

 実在の動物たちは当然ですが、
 空想の動物たち、
 動物をネタにした
 擬人画、判じ絵なども
 ちゃあんと描き込まれています。

 のんびり動物園にお出掛けできるのは、
 まだまだ先かもしれませんが、
 皆さま、ぜひ、手に取ってみてくださいな。
 特に、ニャンコわんこ大好きな、
 歴史マニアさんに
 おすすめですので、
 ぜひ~♪




 
 
 
 

 
コメント
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