テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ プロフェッショナル、かく診たり ~

2021-07-08 23:43:30 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 おどろきのォ、きろくゥやぶりィ~!」
「がるる!ぐるるるる……!」(←訳:虎です!スゴすぎる……!)

 こんにちは、ネーさです。
 明るいのやら深刻なものやら、
 数々のニュースあれど、
 いっちばん度肝を抜かれるのは
 MLBの大谷翔平さん関連のニュースですね。
 来週の球宴ではどんな活躍を見せてくれるのか、
 身を乗り出して待ちながら、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  



     ―― 後宮の薬師(くすし) ――



 著者は小田菜摘(おだ・なつみ)さん、
 2021年3月に発行されました。
 『平安なぞとき診療日記』と副題が付されています。

「くすしィ、ッてェ?」
「ぐるるるるるがる?」(←訳:お医者さんのこと?)

 ええ、そうですね、
 現代でいうドクター、
 昔の言葉でいうと、薬師。

 この御本に登場する薬師さん、
 大谷選手と似ていなくもありません。
 なぜなら、

   異邦人であり、
   プロフェッショナル意識が
   限りなく高くて、
   圧倒的な《結果》を出す。

 そんな存在なんです。

「たよりにィなるゥ~おいしゃさんッ!」
「がるるぅる♫」(←訳:良いじゃん♫)

 安瑞蓮(あん・すいれん)さんは、
 筑前で評判高いお医者さんです。

 大陸――反乱続きの唐国から、
 海を渡り、
 博多へと逃れてきた唐人の父に
 医術を教わり、
 今は優れた女医さんとして、
 博多はもとより、
 筑前国全域に
 その名を轟かせておりますが。

「せんせいィ! おしごとォでス!」
「ぐるがるる~!」(←訳:出張ですよ~!)

 赴任してきたばかりの
 筑前守さんが、
 瑞蓮さんに依頼したのは。

   京に住む私の娘を
   診てやってくれまいか。

   高価な薬はもちろん、
   祈祷と、祓(はらえ)も試したけれど、
   まったく効かぬ。

「むむゥ~? みやこにィ?」
「がるぐるる~…」(←訳:長旅だねえ~…)

 気は進まなかったものの、
 瑞蓮さんは
 東へ向かうことにしました。

 ……しかし、
 人々の視線が気になります。
 まあ、それには理由があって。

   高く結んだ長い髪は、
   薄(すすき)のような、
   赤みのある淡い色。
 
   彫りの深い端正な顔立ち。
 
   双つの瞳は
   宝玉を想わせる翠(みどり)色。

 大陸人の血が
 彼女に与えた容姿は、
 どうにも目立ってしまうんです。

「だいじょうぶゥでス!」
「ぐるるがるる!」(←訳:腕さえあれば!)

 患者さんに会い、
 問診したり、
 薬の処方を考えたり、と
 診療が始まってしまえば、
 ええ、容姿なんて
 誰も気にしなくなります。

 瑞蓮さんの診療で
 患者さんが快復したなら、
 そこに生まれるのは
 揺るぎない信頼。

 博多の街であっても、
 京の都であっても、
 それは同じ。

「さッそくゥ、うまれましたでスよッ!」
「がるるぐる!」(←訳:新たな信頼!)

 京の、貴族のお屋敷で。
 そして、御所で。

 呼び出され、招かれ、
 診療に携わった瑞蓮さんは、
 御所内部の複雑な人間関係に
 巻き込まれることになります。

 《病(やまい)》の源は。
 その理由は。
 どうしたら、治せるのか。
 癒すことが出来るのか。

「なんもんッ、ぞくしゅつゥ!」
「ぐるる!」(←訳:大忙し!)

 『源氏物語』や『枕草子』他、
 平安時代を舞台にした小説作品とは、
 異なる視点で描かれる
 エンタな《宮中》医学ミステリは、
 ミステリ好きな方々はもちろん、
 歴史小説好きな活字マニアさんに
 おすすめですよ。

 本屋さんで、図書館で、
 ぜひ、探してみてくださいね~♪
 
コメント
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