テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 《願い》のドレスは ~

2023-01-08 21:35:59 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 かんそうゥにィ、ちゅういィ~なのでスゥ!」

「がるる!ぐるるがるるる!」(←訳:虎です!静電気ピリピリ!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 これが真冬!とばかり

 関東地方は空気がすっかり乾いています。

 加湿器をONにしたら、さあ、読書タイムですよ。

 本日は、2022年の話題になったこちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

    ―― ミセス・ハリス、パリへ行く ―― 

 

 

 著者はポール・ギャリコさん、

 原著は1958年に、

 画像の日本語新訳版は2022年10月に発行されました。

 英語原題は『Mrs Harris Goes to Paris』、

 2022年に公開された映画『ミセス・ハリス、パリへ行く』の

 原作作品です。

 

「はりすゥさんはァ、かせいふゥさんッ!」

「ぐるるるがるる!」(←訳:ロンドン在住の!)

 

 ミセス・ハリスは、

 通いの家政婦さんです。

 

 契約しているロンドンの高級住宅を

 お掃除してまわるのがお仕事の主な内容で、

 彼女にかかれば、

 汚れた部屋も散らかった書斎も

 僅かな時間で埃ひとつないピカピカ状態に……!

 雇い主さんたちは、

 ハリスさんがいなくちゃ我が家はやってゆけないわ!

 と口を揃えて言うほどの、

 スゴ腕な家政婦さんなのですが。

 

 そのハリスさんが或る日、

 恋に落ちてしまいました。

 

「むりもォ、ないィでスゥ!」

「がるぐるるるがるる!」(←訳:特別だもんねコレは!)

 

 契約者のひとり、

 レディ ダントの衣装戸棚を

 何の気なしに開けた瞬間。

 

 ハリスおばさんの目に飛び込んできたのは、

 ドレス――

 クリスチャン・ディオールのドレス!

 

「わわわわッ!」

「ぐる~!」(←訳:呆然~!)

 

 それは、

 

  《生まれてこのかた、

   こんなに、

   ふるえがくるほど美しいものは見たことがなかった》。

 

 そして寸刻おかず、

 ハリスおばさん、いえ、

 ハリスさんは思うのです。

 

 このようなドレスを自分も持ってみたい、と。

 

「だよねッ!」

「がるるるるぐる!」(←訳:分かりますとも!)

 

 バタシー地区ウィリスガーデン5番地。

 地階のアパートで

 つましい暮らしを送ってきたハリスさんは、

 心を決めました。

 

 胸の奥底からこみあげてきた願い。

 この願いに、従って生きてみよう。

 

 パリに行って、

 ディオールさんのお店で、

 ドレスを買う!

 

「ほんきでッ?」

「ぐるる!」(←訳:本気で!)

 

 補足しておきますと、

 いま世界中に流通しているハイブランドのドレスやスーツと、

 ハリスさんが顧客さんのお家で目にしたドレスは

 まったく次元が違う品物なんです。

 すべてが手作業。

 最高級のシルクに、最高の職人さんたち。

 オートクチュールの精華にして至高。

 しかも、第二次世界大戦後の1947年、

 《ニュールック》と呼ばれるコレクションを発表し、

 ファッション史を書き変えたディオールさんのメゾンへ

 乗り込んでゆこうなんて、

 ハリスさん、あなたっておひとは……天晴れ!

 

「みせましょゥ、このォほんきィ!」

「がるるぐるるる!」(←訳:闘いの始まりだ!)

 

 はたして、ハリスさんのパリ行きは実現するのか。

 ムッシュー・ディオールのドレスを

 腕に抱くことは出来るのか――

 

 偉大なる挑戦者・ハリスさんの物語は、

 ミステリではないのですけれど、

 ネタバレになっちゃいますからね、

 これ以上のお喋りは厳禁です。

 

 発表から半世紀を軽く越えた、

 しかし、

 現在も多くの人に愛されるハリスさんの冒険譚を、

 皆さま、ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪

 

  

コメント
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