「こんにちわッ、テディちゃでス!
かんそうゥにィ、ちゅういィ~なのでスゥ!」
「がるる!ぐるるがるるる!」(←訳:虎です!静電気ピリピリ!)
こんにちは、ネーさです。
これが真冬!とばかり
関東地方は空気がすっかり乾いています。
加湿器をONにしたら、さあ、読書タイムですよ。
本日は、2022年の話題になったこちらの御本を、どうぞ~♪
―― ミセス・ハリス、パリへ行く ――
著者はポール・ギャリコさん、
原著は1958年に、
画像の日本語新訳版は2022年10月に発行されました。
英語原題は『Mrs Harris Goes to Paris』、
2022年に公開された映画『ミセス・ハリス、パリへ行く』の
原作作品です。
「はりすゥさんはァ、かせいふゥさんッ!」
「ぐるるるがるる!」(←訳:ロンドン在住の!)
ミセス・ハリスは、
通いの家政婦さんです。
契約しているロンドンの高級住宅を
お掃除してまわるのがお仕事の主な内容で、
彼女にかかれば、
汚れた部屋も散らかった書斎も
僅かな時間で埃ひとつないピカピカ状態に……!
雇い主さんたちは、
ハリスさんがいなくちゃ我が家はやってゆけないわ!
と口を揃えて言うほどの、
スゴ腕な家政婦さんなのですが。
そのハリスさんが或る日、
恋に落ちてしまいました。
「むりもォ、ないィでスゥ!」
「がるぐるるるがるる!」(←訳:特別だもんねコレは!)
契約者のひとり、
レディ ダントの衣装戸棚を
何の気なしに開けた瞬間。
ハリスおばさんの目に飛び込んできたのは、
ドレス――
クリスチャン・ディオールのドレス!
「わわわわッ!」
「ぐる~!」(←訳:呆然~!)
それは、
《生まれてこのかた、
こんなに、
ふるえがくるほど美しいものは見たことがなかった》。
そして寸刻おかず、
ハリスおばさん、いえ、
ハリスさんは思うのです。
このようなドレスを自分も持ってみたい、と。
「だよねッ!」
「がるるるるぐる!」(←訳:分かりますとも!)
バタシー地区ウィリスガーデン5番地。
地階のアパートで
つましい暮らしを送ってきたハリスさんは、
心を決めました。
胸の奥底からこみあげてきた願い。
この願いに、従って生きてみよう。
パリに行って、
ディオールさんのお店で、
ドレスを買う!
「ほんきでッ?」
「ぐるる!」(←訳:本気で!)
補足しておきますと、
いま世界中に流通しているハイブランドのドレスやスーツと、
ハリスさんが顧客さんのお家で目にしたドレスは
まったく次元が違う品物なんです。
すべてが手作業。
最高級のシルクに、最高の職人さんたち。
オートクチュールの精華にして至高。
しかも、第二次世界大戦後の1947年、
《ニュールック》と呼ばれるコレクションを発表し、
ファッション史を書き変えたディオールさんのメゾンへ
乗り込んでゆこうなんて、
ハリスさん、あなたっておひとは……天晴れ!
「みせましょゥ、このォほんきィ!」
「がるるぐるるる!」(←訳:闘いの始まりだ!)
はたして、ハリスさんのパリ行きは実現するのか。
ムッシュー・ディオールのドレスを
腕に抱くことは出来るのか――
偉大なる挑戦者・ハリスさんの物語は、
ミステリではないのですけれど、
ネタバレになっちゃいますからね、
これ以上のお喋りは厳禁です。
発表から半世紀を軽く越えた、
しかし、
現在も多くの人に愛されるハリスさんの冒険譚を、
皆さま、ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪