「こんにちわッ、テディちゃでス!
だめでスゥ! なくならないィでェ~!」
「がるる!ぐるるがるる!」(←訳:虎です!絶滅にNOを!)
こんにちは、ネーさです。
あの美味しいモノが、大好物が、
もうすぐ失われてしまうとしたら……
二度と出会えなくなってしまうとしたら……
本日の読書タイムは、
全食いしん坊さんを戦慄させるこちらの御本を、
さあ、どうぞ~♪
―― 世界の絶滅危惧食 ――
著者はダン・サランディーノさん、
原著は2021年に、
画像の日本語版は2022年11月に発行されました。
英語原題は『Eating to Extinction』、
ずっしり厚い大作のテーマは題名の通り、
絶滅を危惧される《食》です。
「しょくゥ?」
「ぐるぅがるるる?」(←訳:種じゃないんだ?)
私たちが単語としてよく耳にするのは、
なんといっても『絶滅危惧種』ですよね。
カワウソ、トキ、アマミノクロウサギ……
実は《食》の世界にも
同じような危機が迫っているのだとは、
私ネーさ、知りませんでした。
しかも、
どこか特定の地域で、というのではなく、
世界中のあちこちで《食》が危機に瀕しています。
「きたはんきゅうゥもッ、みなみはんきゅうゥもッ!」
「がるるぐるるる!」(←訳:欧州もアジアも!)
御本冒頭の『はじめに』では、
トルコのアナトリア東部の風景が描写されています。
およそ1万年に渡って栽培されてきた小麦、
『カヴルジャ』が絶滅しようとしている……?
いえ、絶滅しかかっているのは、
長き時をヒトとともに歩んできた
『カヴルジャ』だけではありません。
メキシコの『オロトントウモロコシ』、
沖縄の『オーヒグダイズ』、
米国の『バイソン』、
アイルランドの『点ねんアトランティックサーモン』、
イタリア・シチリア島の『ヴァニラ・オレンジ』、
ベルギーの『ランビック・ビール』、
ベネズエラの『クリオロ種のカカオ』……
「ええッ? かかおッ??」
「ぐぅるるるがるる!」(←訳:ショコラの原料だ!)
中米原産のカカオ豆の中でも、
チョコレートの材料として最高級のカカオ、と
広く認められているのが、
クリオロ種のカカオ豆です。
稀少なクリオロ種のカカオは、
長期間ベネズエラの主要な輸出品とだったのですが、
20世紀になると、ベネズエラの政治家たちは
世界有数の埋蔵量を誇る石油に目を留めました。
カカオ豆よりも、石油だ!
石油の方がずっと儲かる!
しかし、石油価格の暴落、政治の腐敗、
経済の低迷が続くと……。
「ぴんちィ、なのでス!」
「がるるるぐるがるる!」(←訳:カカオの森が窮地に!)
カカオの森は再生できるのか。
カカオ豆がもたらした交流、文化、技術を
取り戻すことは可能なのか。
環境破壊、政治、紛争、
さまざまな理由から絶滅しかかっている
穀物、野菜、肉、魚介、果物、乳製品、酒類……
著者・サラディーノさんが取材した
《食》の危機の最前線は、今後どうなる?
ノンフィクション好きな活字マニアさんに、
そして、《食》を愛する方々は必読の一冊ですよ。
本屋さんで、図書館で、
ぜひ、探してみてくださいね~♪