テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ ゆれ動く《食》の未来 ~

2023-01-18 21:39:28 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 だめでスゥ! なくならないィでェ~!」

「がるる!ぐるるがるる!」(←訳:虎です!絶滅にNOを!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 あの美味しいモノが、大好物が、

 もうすぐ失われてしまうとしたら……

 二度と出会えなくなってしまうとしたら……

 本日の読書タイムは、

 全食いしん坊さんを戦慄させるこちらの御本を、

 さあ、どうぞ~♪

  

 

 

       ―― 世界の絶滅危惧食 ――

 

 

 著者はダン・サランディーノさん、

 原著は2021年に、

 画像の日本語版は2022年11月に発行されました。

 英語原題は『Eating to Extinction』、

 ずっしり厚い大作のテーマは題名の通り、

 絶滅を危惧される《食》です。

 

「しょくゥ?」

「ぐるぅがるるる?」(←訳:種じゃないんだ?)

 

 私たちが単語としてよく耳にするのは、

 なんといっても『絶滅危惧種』ですよね。

 カワウソ、トキ、アマミノクロウサギ……

 

 実は《食》の世界にも

 同じような危機が迫っているのだとは、

 私ネーさ、知りませんでした。

 しかも、

 どこか特定の地域で、というのではなく、

 世界中のあちこちで《食》が危機に瀕しています。

 

「きたはんきゅうゥもッ、みなみはんきゅうゥもッ!」

「がるるぐるるる!」(←訳:欧州もアジアも!)

 

 御本冒頭の『はじめに』では、

 トルコのアナトリア東部の風景が描写されています。

 およそ1万年に渡って栽培されてきた小麦、

 『カヴルジャ』が絶滅しようとしている……?

 

 いえ、絶滅しかかっているのは、

 長き時をヒトとともに歩んできた

 『カヴルジャ』だけではありません。

 

 メキシコの『オロトントウモロコシ』、

 沖縄の『オーヒグダイズ』、

 米国の『バイソン』、

 アイルランドの『点ねんアトランティックサーモン』、

 イタリア・シチリア島の『ヴァニラ・オレンジ』、

 ベルギーの『ランビック・ビール』、

 ベネズエラの『クリオロ種のカカオ』……

 

「ええッ? かかおッ??」

「ぐぅるるるがるる!」(←訳:ショコラの原料だ!)

 

 中米原産のカカオ豆の中でも、

 チョコレートの材料として最高級のカカオ、と

 広く認められているのが、

 クリオロ種のカカオ豆です。

 

 稀少なクリオロ種のカカオは、

 長期間ベネズエラの主要な輸出品とだったのですが、

 20世紀になると、ベネズエラの政治家たちは

 世界有数の埋蔵量を誇る石油に目を留めました。

 

  カカオ豆よりも、石油だ!

  石油の方がずっと儲かる!

 

 しかし、石油価格の暴落、政治の腐敗、

 経済の低迷が続くと……。

 

「ぴんちィ、なのでス!」

「がるるるぐるがるる!」(←訳:カカオの森が窮地に!)

 

 カカオの森は再生できるのか。

 カカオ豆がもたらした交流、文化、技術を

 取り戻すことは可能なのか。

 

 環境破壊、政治、紛争、

 さまざまな理由から絶滅しかかっている

 穀物、野菜、肉、魚介、果物、乳製品、酒類……

 著者・サラディーノさんが取材した

 《食》の危機の最前線は、今後どうなる?

 

 ノンフィクション好きな活字マニアさんに、

 そして、《食》を愛する方々は必読の一冊ですよ。

 本屋さんで、図書館で、

 ぜひ、探してみてくださいね~♪

 

 

コメント
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