テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ いと深き《衣》の森へ ~

2023-01-11 21:28:33 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 すそもようゥにィ、うッとりィ~♫」

「がるる!ぐるるるがるる!」(←訳:虎です!髪飾りもステキ!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 つい先日の《成人の日》は、

 振袖姿の女性を見かけるたび、

 カワイイ!別嬪さんだ!とひそかに拍手を送ったものでした。

 そこで、本日の読書タイムは

 こちらの新作コミックを、さあ、どうぞ~♪

  

 

 

    ―― 銀太郎さんお頼み申す 1 ――

 

 

 著者は東村アキコさん、2022年12月に発行されました。

 『東京タラレバ娘』『美食探偵』他で人気の東山さんの新刊は、

 着物&日本文化をテーマとする意欲作ですよ。

 

「ふかいィ~…!」

「ぐるるる……!」(←訳:深過ぎる……!)

 

 前回記事で御紹介した京都のガイドブックからは、

 古都の歴史の奥深さがずっしりと伝わってきました……

 そして、ここにも。

 奥深さでは負けていないものがありますね。

 

 《着物》。

 

 日本文化の象徴とも言える《着物》は、

 21世紀の現在、

 身近に感じる機会が少なくなっています、けれど、も……?

 

「さとりちゃんはァ~むちゅうゥなのでス!」

「がるるる!」(←訳:熱意の塊!)

 

 岩下さとり さん、25歳。

 新宿の追分交差点近くにあるコーヒーショップで

 アルバイトをしていて、彼氏なし、

 趣味はTikTokを見ること。

 

 そんな“ごく普通の日本人女子”さとりちゃんが

 惚れ込んでいるのは、

 ひとりの和装美人さん。

 

 暑~い夏の昼下がりでも、

 すっきり、すらり。

 その着こなしの美しさ、あでやかさに、

 つい、さとりちゃんは彼女を、

 

「ししょうゥ~ッ!」

「ぐるる~!」(←訳:お師匠~!)

 

 と呼んで、

 ちょっと付き合ってくれない?と問われれば、

 いそいそとくっついて行きますが。

 

 ……ああ、分からない!

 

「こッこれはァ、もうッ」

「がるるるぐる~…」(←訳:未知なる世界~…)

 

 紗(しゃ)って、なぁに?

 絽(ろ)っていうのは?

 観世流水(かんぜりゅうすい)とか

 桐のタンスとか、

 さっぱり分からない……!

 

 いったい何のことなの?!?

 

「あわてないでッ、さとりちゃんッ!」

「ぐるがるるぐる!」(←訳:全然大丈夫だよ!)

 

 そうなんですよね、

 今は、令和。

 明治も大正も、江戸の時代も遠くなりました。

 大勢の和装女性を目にする機会も、

 それこそ成人の日くらいのもので、

 私たちもさとりちゃんの無知っぷりを

 笑うことは出来ません。

 

 ゆえに、エールを送りたくなってしまいます。

 頑張れ、さとりちゃん!

 和装美女さんにどこまでもくっついて、

 《着物》を学ぼう!

 ぐんぐん吸収してゆこう!

 

 ……ところで、さとりちゃん?

 その和装美人さんの、お名前は?

 

「えッとォ~??」

「がるるぐるがるるる!」(←訳:それもまだこれから!)

 

 名前も知らない美しいひとに、

 《着物》の世界に、

 さとりちゃんが向ける憧憬のまなざし。

 

 真っ白なさとりちゃんの“未来”に

 どのような紋様が描かれてゆくのか、

 いやー、第2巻の刊行が待たれます。

 日本文化好き&歴史好きな活字マニアさんにも

 激おすすめの一冊は、

 本屋さんのコミックス新刊コーナーで

 探してみてくださいね~♪

 

 

コメント
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