テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ お江戸珍獣奇獣絵巻 ~

2023-01-16 21:40:52 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 のんびりィゆこうッ、いえやすさんッ!」

「がるる!ぐるがるる~!」(←訳:虎です!先は長いぞ~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 大河ドラマ『どうする家康』第2回では、

 おお、徳川家臣団が揃い始めましたね。

 オトコマエな榊原康政さんにエールを送りつつ、

 さあ、本日の読書タイムでは、

 ↓こちらの“お江戸”な一冊を、どうぞ~♪

  

 

 

        ―― 大江戸あにまる ――

 

 

 著者は山本幸久(やまもと・ゆきひさ)さん、

 2022年9月に発行されました。

 コミカルな表紙画の文庫オリジナル作品は、

 家康さんが開いた江戸……といっても、

 文政(ぶんせい)七年(1824)の江戸が舞台です。

 

「わひゃァ! おすなおすなのォ、だいこんざつゥ!」

「ぐるるがる~!」(←訳:賑やかだな~!)

 

 19世紀の江戸は、世界に冠たる大都市でした。

 その大都市の、最も華やかで、

 人出も多いのが、

 両国広小路(りょうごくひろこうじ)。

 

 江戸で興行といったら、

 まず挙げられるのが、ここ――広小路。

 珍しいもの、面白いもの、

 この世にふたつとありゃしませんぜと興行師が言い立てる

 “見世物”目当てに、

 大観衆が集まってくる町なのでした。

 

 そして現在、

 大ヒットとなっている見世物が……

 ラクダ。

 

「ほんものォ、なのでス!」

「がっるる~!」(←訳:でっかい~!)

 

 阿蘭陀(オランダ)人によって持ち込まれたラクダは、

 長崎出島→九州→大阪→京都→南紀→木曽路と

 日本の各地を巡回して、

 ようやく江戸の町に到着しました。

 

 大好評大反響の『駱駝(ラクダ)』の見世物は、

 お武家さんのお客も少なくなくて。

 

「じッくりィ、みたァ~いィ!」

「ぐるるる!」(←訳:最前列で!)

 

 木暮幸之進(こぐれ・こうのしん)さんは、

 最前列でラクダを観ようと、

 人垣をかき分けて進みます。

 

 おっと、お連れさまの存在を忘れちゃいけません。

 幸之進さんと手をつないでいるのは、

 身なり良さげな少年――

 石樽藩十一代目当主・綾部智成(あやべ・ともなり)さんの次男、

 喜平丸(きへいまる)くん。

 

 つまり、幸之進さんは、

 お殿さまの息子さんの

 お守り役のような存在なんですね。

 

「なるほどォ、それでッ」

「がるぐるるる♪」(←訳:目がキラキラ♪)

 

 動物好きな若さまと、

 お守り役の若侍さん。

 

 このふたりに絡むのが、

 貧乏な石樽(いしたる)藩のお武家さんや、

 お江戸の博物学マニアさん、

 それから――

 

「たッ、たいへんッ!」

「ぐるるるぅ!」(←訳:逃げたぞぉ!)

 

 飼い主さんのもとから逃げ出した豆鹿?

 あれはカッパか……いや、ワニ?

 子豚ちゃんや、ヒツジにオオカミも?

 

 で、この厄介な珍獣さんたちの

 捕獲や世話を命じられるのは、

 なぜかいつも幸之進さんです。

 

 豆鹿なんて、

 話に聞いたことすらない動物を、

 ううむ、どうやって見つけて捕まえればいいんだ?

 江戸はけっこう広いんだが?

 

「どんまいィ!」

「がるぐる!」(←訳:猪突猛進!)

 

 お江戸の町に花ひらく、

 ヒトと動物たちのものがたり。

 

 大笑いしたり、

 ほろりと貰い涙したりの楽しい時代小説は、

 新年の読書タイムにおすすめですよ。

 大河ドラマ『青天を衝け』ファンの方々も、

 幕末の江戸を思い浮かべながら、

 ぜひ、一読してみてくださいね~♪

 

 

 

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