テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 60’S ロンドン、その息吹き ~

2023-01-21 21:24:09 | ミュゼ

「こんにちわッ、テディちゃでス! 

 みみがァ、こおッちゃうゥ~ッ!」

「がるる!ぐるるがるる!」(←訳:虎です!尻尾も凍るよ!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 大寒らしい冷え冷え気候の週末がやって来ました。

 こんな日はお家でぬくぬく読書……もいいけれど、

 ↓こちらの展覧会情報も、さあ、ご覧あれ~♪

  

 

 

      ―― マリー・クワント 展 ――

 

 

 東京・渋谷区のBunkamura ザ・ミュージアムにて、

 会期は2022年11月26日~2023年1月29日

 (休館日は12/6と1/1)、

 『MARY QUANT』と英語題名が、

 『丈も時代も変えたミニの女王』と日本語副題が付されています。

 

「わッふゥ! おしゃれェ~でスゥ!」

「ぐっるるるがる!」(←訳:カッコイイのだ!)

  

 マリー・クワントさんが

 60年代のロンドンにもたらしたもの。

 それは――

 

 ミニスカート、という

 かつてないモード。

 細~い足と、

 脚線美を際立たせるタイツ。

 スカートだけじゃなく

 パンツスタイルも進化して、

 新素材の登場も促した当時のカルチャーパワーは、

 現代ファッションの基盤になりました。

 

「いまなおォ、しんせんッ!」

「がるるるぐる!」(←訳:楽しそうだし!)

  

 この企画展には、

 英国のヴィクトリア&アルバート美術館が所蔵する

 『マリー・クワント』コレクションから

 約100点の衣服を中心に、

 小物、写真、映像などが出展されています。

 

 60年代のロンドンが生み出した熱気は、

 はたして世界をどう変えていったか……

 モード好き&アート好きな方々は、

 ぜひ、お出掛けしてみてくださいね~♪

 

 

 

   では、ここで季節のオマケ画像も!

   

   バレンタインシーズン開幕!

   というわけで、

   『ミスタードーナツ』さんの新作

   《ヨロイヅカ式ガトーショコラドーナツ》を

   いただきましょう♫

   

   「こちらはァ、もんぶらんッ!」

   「ぐるるーるぅる!」(←訳:ピスターシュも!)

   

   私ネーさのイチ推しは↑こちらの『トリオレショコラ』、

   ドーナツ生地の食感もクリームも

   最良のバランスです。

   「もふもふッ!」

   「がるるる!」(←訳:ぱくぱく!)

   おやつのお手本にしたいような美味ドーナツ、

   ごちそうさまでした。

   

   皆さまも、美味しいモノでしっかり体力を強化して、

   どうか、穏やかな休日を♪

 

 

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~ 《学問》の森を、ひとすじに  ~

2023-01-20 21:45:46 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 はなやさんでェ、はッけんッしたのでスゥ!」

「がるる!ぐるがるるるる~♪」(←訳:虎です!春の使者さんだ~♪)

 

 こんにちは、ネーさです。

 お花屋さんで発見したのは、

 ネコヤナギ……!

 可愛らしい春の使者さんにうっとりしながら、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの新書作品を、どうぞ~♪

  

 

 

       ―― 歴史学者という病 ――

 

 

 著者は本郷和人(ほんごう・かずと)さん、

 2022年8月に発行されました。

 

 東京大学史料編纂所教授の任に在る本郷さん、

 専門としているのが

 承久の乱(1221年)~鎌倉幕府滅亡(1333年)なので

 大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の時代とカブることもあり、

 関連する歴史系TV番組に引っ張りだこ状態でしたね。

 

「べんきょうゥにィ~なッたのでス!」

「ぐるるがるぐる!」(←訳:激動の鎌倉時代!)

 

 この御本は、

 鎌倉時代を読み解く本郷さんの著書『承久の乱』や

 『北条氏の時代』他とは異なり、

 本郷さんの半生と、

 歴史学への提言が中心になっています。

 いわば、“歴史エッセイ”的な作品、でしょうか。

 

「がくしゃさんのォ、せかいィ……!」

「がっるるぐるる!」(←訳:ビックリだらけ!)

 

 喘息を病み、孤独と向き合った少年の頃――

 本郷さんは思いました。

 

 医者になろう。

 自分のように喘息に苦しむ人を救いたい。

 

 けれど……フナの解剖実験が本郷少年を挫折させます。

 メスを握って解剖なんて、とても出来ない。

 医者になったら、人体を解剖?

 絶対に無理だ……!

 

「うんうんッ!」

「ぐるるるがるぐるぅ!」(←訳:ボクらも無理だよぅ!)

 

 医者への道を諦めた本郷さんを支えたのは、

 読書で知った歴史の魅力でした。

 が、受験勉強を戦い抜き、

 ついに合格した東京大学で

 本郷さんを待っていたのは

 新たな衝撃……!

 

 “物語としての歴史”と

 “学問としての歴史”、

 このふたつは、まったく別のもの……??

 

 歴史読本や歴史小説が大好きな本郷さんを

 打ちのめす現実です。

 

「はわわァ~…」

「がるるぐる~…」(←訳:つらいよう~…)

 

 高名な教授さんたちの授業に出席しても、

 なんだかしっくりしない……のめり込めない……

 

 いや待て。

 物語としての歴史に拘泥することはしまい。

 前を向こう。

 学問をやろう。

 講義をたくさん受けてみよう。

 見えない世界を見に行こう。

 

「そしたらァ、ようやくゥ!」

「ぐるがるる~!」(←訳:巡りあえた~!)

 

 心から尊敬できる先生に巡り会えて、

 本郷さんの学究生活は安心安泰……とは成りません。

 

 歴史学の世界に幅を利かせる

 いくつもの権威、史観。

 “歴史で食ってゆく“ことの葛藤と決意。

 

「そうぞういじょうにィ、たいへんッ!」

「がるるぐるるる~!」(←訳:迷子になりそう~!)

 

 ヒトと、

 ヒトが積み上げてゆく歴史というもの。

 

 本郷さんの『半生記(反省記)』は

 歴史学好きな御方に、

 物語としての歴史も愛する活字マニアさんにも

 おすすめのノンフィクション作品です。

 歴史学の未来を知るためにも、

 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪

 

 

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~ いざ、《名探偵》の世紀へ! ~

2023-01-19 21:41:08 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 こんかいもォ、ずッしりィ~!」

「がるる!ぐるるがるるる!」(←訳:虎です!内容もズシンと!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 前回記事で御紹介しました『世界の絶滅危惧食』は、

 なかなか分厚いノンフィクション作品でした……

 そして、本日の読書タイムは、

 これもやっぱり厚いぞ!な↓こちらの御本を、さあ、どうぞ~♪

  

 

 

   ―― シャーロック・ホームズ・バイブル ――

 

 

 著者は日暮雅通(ひぐらし・まさみち)さん、

 2022年10月に発行されました。

 『The Sherlock Holmes BIBLE』と英語題名が、

 『永遠の名探偵をめぐる170年の物語』と副題が付されています。

 

 我らが名探偵シャーロック・ホームズさんが

 ヴィクトリア朝の英国で産声を上げてから、

 時は流れ流れて、21世紀となりました。

 

「それでもォ、かわらぬゥにんきィ!」

「ぐるがるるるぐる!」(←訳:今も第一人者だよ!)

 

 ホームズさんの研究家として名高い著者・日暮さんによる、

 まさに『バイブル』的なガイドブックは、

 はぁ~…物凄い充実ぶりです。

 目次をちょこっと覗き見してみますと、

 

  序章『ホームズ物語の全体像とアプローチのしかた』

  第1部『ホームズ物語の時代背景』

  第2部『コナン・ドイルの人生とホームズ物語』

  第3部『ホームズ物語の詳細』

  第4部『アダプテーションとファン活動』

  第5部『日本への移入史と翻訳の話題』

 

 『序章』だけでも、

 これは力作だ!と感服されられるのに加えて、

 特筆すべきは、

 作者・ドイルさんの生涯をテーマとする第2部です。

 

 ヴィクトリア時代は、

 英国が大帝国となって繁栄した時代ではありましたが、

 ディケンズさんの作品に描かれているように、

 みながみな幸せな時代ではありませんでした……

 ドイルさんの父・チャールズさんは

 アルコール中毒のために苦しみ、

 その“影”はドイルさんの作品中にも織り込まれています。

 

 そんなドイルさんの人生と

 著作活動の変遷を照らし合わせてみれば、

 “ホームズ物語を書くこと“の苦労・苦悩も

 じんわりと伝わってきましょうか。

 

「さくひんッそのものにもォ~」

「がるぐる!」(←訳:注目して!)

 

 第3部では、打って変わって

 登場人物の紹介、

 作品中の名セリフや名シーン、

 人気投票の結果までも解説!

 

 はたして、どの作品がベストなのか――

 ドイルさんによる自薦リスト、

 雑誌やファンクラブでの人気ランキングは、

 う~む、けっこう差違がありますねえ。

 

「おきにいりはァ~ひとォそれぞれッ!」

「ぐるるがるるるるぅ!」(←訳:そこがいいんだよぅ!)

 

 コラムを含めて

 本文中のどのページも、

 全力で拍手を送りたくなる快作!です……が、

 読み落とさないでいただきたい箇所が

 ひとつあります。

 

 それは、表紙。

 表紙のカバーのあちこちに記されているのは、

 

 『221B Baker Street,London NW1 It is always 1985. 』

 『The Best and the wisest man whom I have ever known.』

 

 といった、

 ファンの皆さまにはお馴染みの名文句の数々……!

 

「わふふゥ!」

「がる~!」(←訳:胸熱~!)

 

 霧の彼方に浮かぶ、ロンドンの街灯。

 ほのかな光のもとを歩んでゆく、

 あの後ろ姿――

 

 図版資料も豊富に収録されている

 我らが《永遠の名探偵》さんのバイブルを、

 ミステリ好きな活字マニアさんは、ぜひ~♪

 

 

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~ ゆれ動く《食》の未来 ~

2023-01-18 21:39:28 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 だめでスゥ! なくならないィでェ~!」

「がるる!ぐるるがるる!」(←訳:虎です!絶滅にNOを!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 あの美味しいモノが、大好物が、

 もうすぐ失われてしまうとしたら……

 二度と出会えなくなってしまうとしたら……

 本日の読書タイムは、

 全食いしん坊さんを戦慄させるこちらの御本を、

 さあ、どうぞ~♪

  

 

 

       ―― 世界の絶滅危惧食 ――

 

 

 著者はダン・サランディーノさん、

 原著は2021年に、

 画像の日本語版は2022年11月に発行されました。

 英語原題は『Eating to Extinction』、

 ずっしり厚い大作のテーマは題名の通り、

 絶滅を危惧される《食》です。

 

「しょくゥ?」

「ぐるぅがるるる?」(←訳:種じゃないんだ?)

 

 私たちが単語としてよく耳にするのは、

 なんといっても『絶滅危惧種』ですよね。

 カワウソ、トキ、アマミノクロウサギ……

 

 実は《食》の世界にも

 同じような危機が迫っているのだとは、

 私ネーさ、知りませんでした。

 しかも、

 どこか特定の地域で、というのではなく、

 世界中のあちこちで《食》が危機に瀕しています。

 

「きたはんきゅうゥもッ、みなみはんきゅうゥもッ!」

「がるるぐるるる!」(←訳:欧州もアジアも!)

 

 御本冒頭の『はじめに』では、

 トルコのアナトリア東部の風景が描写されています。

 およそ1万年に渡って栽培されてきた小麦、

 『カヴルジャ』が絶滅しようとしている……?

 

 いえ、絶滅しかかっているのは、

 長き時をヒトとともに歩んできた

 『カヴルジャ』だけではありません。

 

 メキシコの『オロトントウモロコシ』、

 沖縄の『オーヒグダイズ』、

 米国の『バイソン』、

 アイルランドの『点ねんアトランティックサーモン』、

 イタリア・シチリア島の『ヴァニラ・オレンジ』、

 ベルギーの『ランビック・ビール』、

 ベネズエラの『クリオロ種のカカオ』……

 

「ええッ? かかおッ??」

「ぐぅるるるがるる!」(←訳:ショコラの原料だ!)

 

 中米原産のカカオ豆の中でも、

 チョコレートの材料として最高級のカカオ、と

 広く認められているのが、

 クリオロ種のカカオ豆です。

 

 稀少なクリオロ種のカカオは、

 長期間ベネズエラの主要な輸出品とだったのですが、

 20世紀になると、ベネズエラの政治家たちは

 世界有数の埋蔵量を誇る石油に目を留めました。

 

  カカオ豆よりも、石油だ!

  石油の方がずっと儲かる!

 

 しかし、石油価格の暴落、政治の腐敗、

 経済の低迷が続くと……。

 

「ぴんちィ、なのでス!」

「がるるるぐるがるる!」(←訳:カカオの森が窮地に!)

 

 カカオの森は再生できるのか。

 カカオ豆がもたらした交流、文化、技術を

 取り戻すことは可能なのか。

 

 環境破壊、政治、紛争、

 さまざまな理由から絶滅しかかっている

 穀物、野菜、肉、魚介、果物、乳製品、酒類……

 著者・サラディーノさんが取材した

 《食》の危機の最前線は、今後どうなる?

 

 ノンフィクション好きな活字マニアさんに、

 そして、《食》を愛する方々は必読の一冊ですよ。

 本屋さんで、図書館で、

 ぜひ、探してみてくださいね~♪

 

 

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~ ニャンコたちと、いつまでも♪ ~

2023-01-17 21:26:08 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 さむいィ~ふゆのォひィはァ~…ごろにゃんッ♪」

「がるる!ぐるるるがるるる!」(←訳:虎です!撫でればぬくぬく!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 ニャンモナイト、ネコなべ、猫つぐら……

 真冬の朝、凍える手指とココロを温めてくれるのは、

 そう、ニャンコたち。

 本日の読書タイムは、全愛猫家さんがニヤリとする

 ↓こちらの御本を、さあ、どうぞ~♪

   

 

 

         ―― 猫の日本史 ――

 

 

 著者は渋谷申博(しぶや・のぶひろ)さん、

 2022年11月に発行されました。

 『みんな猫が好きだった』と副題が付されています。

 

 前回記事で御紹介しました『大江戸あにまる』は

 楽しくもエンタなフィクション作品でしたが、

 こちらは、歴史ノンフィクション系、となりましょうか。

 

「れきしのォなかのォ、にゃんこたちィ!」

「ぐるるがるぐる!」(←訳:意外に多いかも!)

 

 日本人と猫……

 その出会いは、いずれの時代に遡るのかといえば。

 

   《日本の猫の歴史は弥生時代に始まる》

 

 と、第一章の第一話の一行目に記されていて、

 私ネーさ、驚愕いたしました。

 ええええっ? そうなの?

 確か以前、お船に乗って

 奈良時代に大陸からやって来た、って

 聞いた気がするんですけど……!?!

 

「ぶぶゥ~ッ!」

「がるる~る!」(←訳:違いま~す!)

 

 奈良時代、どんな具合に猫とヒトが付き合っていたか、

 その細部はまだ判然としていないようですが、

 古墳時代になると

 “証拠“が出てきます。

 

 発掘された祭祀用の土器の表面に、

 くっきりと足跡が……!

 

 つまり、土器を製作する工房に、

 猫が気軽に出入りしていたと思われる?

 

「わははッ♫」

「ぐるるがぅる!」(←訳:仲良しじゃん!)

 

 黒猫を飼うと福がくる、魔除けになる。

 『源氏物語』に登場したために

 猫のイメージは爆上がり。

 蚕をネズミ害から守る『蚕猫(さんびょう)』たち。

 レオナルド・ダ・ヴィンチさんが描こうとした猫、

 歌川国芳さんのネコ絵や、

 さまざまな『猫の恩返し譚』、

 本州に『ヤマネコ』は存在したのか……

 

 また、コラムではちょっと脱線して、

 海外での猫歴史事情も語られています。

 

 魔女狩りが盛んだったヨーロッパの中世(15~18世紀)は、

 猫たちにとって暗黒時代であった、と。

 その一方、

 イスラム世界では教祖ムハンマドが

 猫好きだったという伝承があり、

 猫たちは愛され、好意的に扱われていた――

 

「いろいろォ、あるのでスゥ!」

「がるる!」(←訳:猫伝説!)

 

 巻末には

 《猫好きのための寺社ガイド》

 のページがあって、またしてもビックリです。

 狐さんでも犬さんでもなく、

 ニャンコを大切にしてくれるお寺社さんが

 あるんですね、日本の各地に。

 

「おまいりィ、してみたいィ!」

「ぐるがるるるぐる!」(←訳:霊験ありそうだよ!)

 

 歴史、文学、絵画、信仰、日常の知恵の中に、

 ひょっこり現れる猫たちの軌跡。

 

 愛猫家さんはもちろんのこと、

 動物好きな方々、

 歴史好きな活字マニアさんにも

 おすすめの猫史本です。

 ニャンコたちの幸せをいのりつつ、

 ぜひ、一読してみてくださいね~♪

 

 

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~ お江戸珍獣奇獣絵巻 ~

2023-01-16 21:40:52 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 のんびりィゆこうッ、いえやすさんッ!」

「がるる!ぐるがるる~!」(←訳:虎です!先は長いぞ~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 大河ドラマ『どうする家康』第2回では、

 おお、徳川家臣団が揃い始めましたね。

 オトコマエな榊原康政さんにエールを送りつつ、

 さあ、本日の読書タイムでは、

 ↓こちらの“お江戸”な一冊を、どうぞ~♪

  

 

 

        ―― 大江戸あにまる ――

 

 

 著者は山本幸久(やまもと・ゆきひさ)さん、

 2022年9月に発行されました。

 コミカルな表紙画の文庫オリジナル作品は、

 家康さんが開いた江戸……といっても、

 文政(ぶんせい)七年(1824)の江戸が舞台です。

 

「わひゃァ! おすなおすなのォ、だいこんざつゥ!」

「ぐるるがる~!」(←訳:賑やかだな~!)

 

 19世紀の江戸は、世界に冠たる大都市でした。

 その大都市の、最も華やかで、

 人出も多いのが、

 両国広小路(りょうごくひろこうじ)。

 

 江戸で興行といったら、

 まず挙げられるのが、ここ――広小路。

 珍しいもの、面白いもの、

 この世にふたつとありゃしませんぜと興行師が言い立てる

 “見世物”目当てに、

 大観衆が集まってくる町なのでした。

 

 そして現在、

 大ヒットとなっている見世物が……

 ラクダ。

 

「ほんものォ、なのでス!」

「がっるる~!」(←訳:でっかい~!)

 

 阿蘭陀(オランダ)人によって持ち込まれたラクダは、

 長崎出島→九州→大阪→京都→南紀→木曽路と

 日本の各地を巡回して、

 ようやく江戸の町に到着しました。

 

 大好評大反響の『駱駝(ラクダ)』の見世物は、

 お武家さんのお客も少なくなくて。

 

「じッくりィ、みたァ~いィ!」

「ぐるるる!」(←訳:最前列で!)

 

 木暮幸之進(こぐれ・こうのしん)さんは、

 最前列でラクダを観ようと、

 人垣をかき分けて進みます。

 

 おっと、お連れさまの存在を忘れちゃいけません。

 幸之進さんと手をつないでいるのは、

 身なり良さげな少年――

 石樽藩十一代目当主・綾部智成(あやべ・ともなり)さんの次男、

 喜平丸(きへいまる)くん。

 

 つまり、幸之進さんは、

 お殿さまの息子さんの

 お守り役のような存在なんですね。

 

「なるほどォ、それでッ」

「がるぐるるる♪」(←訳:目がキラキラ♪)

 

 動物好きな若さまと、

 お守り役の若侍さん。

 

 このふたりに絡むのが、

 貧乏な石樽(いしたる)藩のお武家さんや、

 お江戸の博物学マニアさん、

 それから――

 

「たッ、たいへんッ!」

「ぐるるるぅ!」(←訳:逃げたぞぉ!)

 

 飼い主さんのもとから逃げ出した豆鹿?

 あれはカッパか……いや、ワニ?

 子豚ちゃんや、ヒツジにオオカミも?

 

 で、この厄介な珍獣さんたちの

 捕獲や世話を命じられるのは、

 なぜかいつも幸之進さんです。

 

 豆鹿なんて、

 話に聞いたことすらない動物を、

 ううむ、どうやって見つけて捕まえればいいんだ?

 江戸はけっこう広いんだが?

 

「どんまいィ!」

「がるぐる!」(←訳:猪突猛進!)

 

 お江戸の町に花ひらく、

 ヒトと動物たちのものがたり。

 

 大笑いしたり、

 ほろりと貰い涙したりの楽しい時代小説は、

 新年の読書タイムにおすすめですよ。

 大河ドラマ『青天を衝け』ファンの方々も、

 幕末の江戸を思い浮かべながら、

 ぜひ、一読してみてくださいね~♪

 

 

 

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~ とある水辺の ものがたり ~

2023-01-15 21:33:48 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ゆきひろォさァ~んッ!」

「がるる!ぐるるるがる~!」(←訳:虎です!さみしいよう~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 YMO高橋幸宏さんの訃報に

 肩を落とす日曜日となりました……

 心よりご冥福をお祈りし、

 優しく柔らかい幸宏さんのヴォーカルを思い起こしながら、

 本日の読書タイムは、さあ、こちらの御本を、どうぞ~!

  

 

 

        ―― 橋の上で ――

 

 

 文は湯本香樹実(ゆもと・かずみ)さん、

 絵は酒井駒子(さかい・こまこ)さん、

 2022年9月に発行されました。

 ベストセラー絵本『くまとやまねこ』を創り上げた

 湯本さん&酒井さんのおふたりによる、

 新たな作品は……絵本というよりも、

 橋を舞台にした画文集、の感覚でしょうか。

 

「おおきなァはしィ、でスねッ?」

「ぐるるがるるる?」(←訳:広い川なのかな?)

 

 あちらとこちらをつなぐ、橋。

 

 少年の『ぼく』が立っているのは、

 或る橋の上です。

 

 手すりは鉄のようですし、

 橋脚もおそらくはどっしりしたもので、

 川面も狭くはないようですから、

 きっと大きな橋なのでしょう。

 

 『ぼく』は手すりにもたれ、

 夕方の川を眺めておりましたが……

 

「あれれッ?」

「がるぐる!」(←訳:誰か来た!)

 

 いつのまにか『ぼく』の隣に立っていたのは、

 雪柄のセーターを着たおじさん。

 

 そのセーターの毛糸は、

 何年も何十年も脱いだことがないかのように

 ゴワゴワになっていました。

 

 おじさんは『ぼく』に話しかけてきます。

 

   ―― 川が好き? ――

 

 べつに。

 見てただけ。

 

 そう答えた『ぼく』でしたが。

 

「………むむむゥ?」

「ぐるるるぅ?」(←訳:本当かなぁ?)

 

 べつに。

 別に。別に。別に。

 

 答える『ぼく』のこころの内では、

 語り切れないほどの思いが渦巻いています。

 

 あちらとこちらをつなぐ橋は、

 しかしまた、

 あちらとこちらとを分かつ場所。

 こんなところに、どうして『ぼく』はいるのか。

 これからどこへ行こうとしているのか。

 

 湯本さんの文章と、

 酒井さんの絵が示す『ぼく』の現状は、

 たぶん、そう、たぶん、

 すべてのひとが辿る《道⦆。

 

「おじさんのォ、ことばがァ~…」

「がるるるぐるる!」(←訳:ジワジワ来ます!)

 

 名前も知らない、

 雪柄セーターのおじさん。

 

 橋の上でのささやかな出会いは

 『ぼく』の何かを変えるのか――

 

 酒井さんの驚異的な画力、

 湯本さんの磨き抜かれた文章は、

 長編映画に匹敵する説得力をもって

 私たち読み手を引き込みます。

 絵本好きさんにも映画好きさんにも、

 いえもう、

 全活字マニアさんにおすすめしたい一冊ですよ。

 どうかぜひ、手に取ってみてくださいね。

 

 

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~ 《黒と白》が、忍び寄る ~

2023-01-14 21:40:33 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ごろォ~さァ~んッ!」

「がるる!ぐるるが~る!」(←訳:虎です!井之頭さ~ん!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 『孤独のグルメ』シーズン10が終了してしまい、

 次に井之頭五郎さんに会えるのはいつになるのかしらと

 寂しくも物足りない週末は……

 さあ、思い切って読書をサボり、

 ↓こちらの展覧会情報を、どうぞ~♪

  

 

 

     ―― ヴァロットン 黒と白展 ――

 

 

 東京・千代田区の三菱一号館美術館にて、

 会期は2022年10月29日~2023年1月29日(月曜休館)、

 『FÉLIX VALLOTTON ―― NOIR ET BLANC』と仏語題名が、

 『彫り出されたのは、人間のドラマ』

 と日本語副題が付されています。

 

「しろくろォ、でスねッ!」

「ぐっるるる!」(←訳:きっぱりと!)

  

 スイス生まれの画家、

 フェリクス・ヴァロットンさん(1865~1925)。

 

 この展覧会では、近年、

 日本での人気が高まっているヴァロットンさんの

 版画作品約180点が展示されていますよ。

  

「じゃぽんッ?」

「がるぐるる~!」(←訳:日本趣味だ~!)

 

 19世紀末のパリで活躍したヴァロットンさんは、

 木版画で名声を獲得しました。

 

 デューラーさんの作品のような

 緻密に描き込んだ西欧の版画とは違う、

 シンプルな直線と曲線の、木版画――

 《黒と白》の作品からは

 浮世絵をはじめとする日本美術の影響が

 はっきり窺えます。

  

 また、

 トゥールーズ=ロートレック美術館の

 開館100周年関連特別展示として、

 アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックさんの作品も

 一部展示室にて特別展示中ですよ。

 

 三菱一号館美術館所蔵のヴァロットン版画コレクションと

 同時代のパリに生きたロートレックさん、

 ふたりのアーティストの作品世界へ、

 アート好きな皆さま、

 ぜひ、お出掛けしてみてくださいね~♪

 

 

 

   では、ここでオマケ画像も、じゃじゃん!

   

   

   ファミリーマートさんで見つけたのは、

   『アフタヌーンティー』さんとコラボした

   焼き菓子2種類、

   《紅茶のパウンドケーキ レモンティー風》と

   《紅茶のフィナンシェ》!

   「あまさァ、ひかえめェ?」

   「ぐるるるるがるるぅ!」(←訳:パクパクいけるぅ!)

   紅茶のお菓子に目がない御方は

   お店で探してみてくださいね。

 

   関東エリアは久しぶりの雨となりました。

   受験生さんもかつて受験生だった方々も、

   どうか体調管理に気を付けて

   穏やかな休日を♪

 

   

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~ 《ミステリ》と言わずには ~

2023-01-13 21:35:20 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 うかァ~るゥ!」

「がるる!ぐっるるっる!」(←訳:虎です!キット勝っト!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 今週末からは本格的に受験シーズンが開幕しますね。

 全受験生さんが底力を発揮できますように!

 とエールを送りながら、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらのコミック作品を、どうぞ~♪

  

 

 

     ―― ミステリと言う勿れ 12 ――

 

 

 著者は田村由美(たむら・ゆみ)さん、

 2023年1月に発行されました。

 『Don't Call it Mystery』と英語題名が付されています。

 2022年には菅田将暉さん主演のTVドラマが大成功し、

 2023年の秋に映画公開も予定されている

 《ミステリと言う勿れ》シリーズ最新刊ですよ。

 

「ととのうゥくんッ、ひとりィぶたいィ~!」

「ぐるるるるるがるる!」(←訳:風呂光さんもいるよ!)

 

 天然パーマが何より目立つ大学生、

 久能整(くのう・ととのう)くん。

 やさしい顔立ちと、

 思いやりある言葉遣いで、

 用心深い子どもたちも彼にはたちまち心を許すほどの

 好青年です。

 

 が、整くんはただの好青年ではありません。 

 くりんくりんなクセ髪の下に隠されているのは、

 洞察力と、鋭い知性。

 ですから、整くんが話し始めると――

 

「ついついィ、みみィをォ~」

「がるるぅるるるぐる~!」(←訳:傾けちゃうんだよね~)

 

 第11巻の後半では

 整くんの好敵手的存在・ガロくんが登場し、

 場をさらってゆきましたが、

 この第12巻で“主役“を張るのは、

 整くんと、

 女性刑事の風呂光さんです。

 

 或る日、風呂光さんの携帯電話が

 チカチカと光りました。

 表示されている文字は、『おばあちゃん』。

 

「ほんもののォ、おばあちゃんッ?」

「ぐるるがる!」(←訳:珍しいねえ!)

 

 祖母が、わざわざ私に電話で連絡を?

 しかも、仕事中だろうと分かっていながら?

 

 この電話が、風呂光さんを動かし、

 整くんを動かし、

 やがては周囲の人々をも動かす事態に……?

 

「あうううゥ、そこでェすとッぷゥ~!」

「がるるるぐるがるる!」(←訳:ネタバレ回避だよう!)

 

 はいはい、

 ミステリと言う勿れといいつつ、

 整くんが立ち向かうのは

 やっぱりミステリでございますから、

 この先は、皆さま御自身の目で!

 

 ……ただひとつ、記しておきますと、

 この第12巻では新たな登場人物さんが多くて、

 そのせいでしょうか、

 さっぱり先が読めません。

 

 いや、私たちには読めなくても、

 既に整くんには読めているのか……?

 

「つづきはァ、いつゥ??」

「ぐるがる~!」(←訳:期待莫大~!)

 

 新たな《謎》に、

 整くんは、どうする? 

 どうなる?

 そして、風呂光さんは?

 

 ファンの方々は取り急ぎ本屋さんへ走ってくださいね~♪

 

 

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~ 完訳『KWAIDAN』に怪を見る ~

2023-01-12 21:30:02 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ひゅゥ~どろろんッ!」

「がるる!ぐるるがるる……!」(←訳:虎です!背後に気配が……!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 ひたひたと迫る足音、

 誰もいないのに開く扉、

 振り返ったその顔はまさかの……

 本日の読書タイムは2023年に入って初の“怖~い!”を、

 ↓こちらの御本で、さあ、どうぞ~♪

  

 

 

          ―― 怪談 ――

 

 

 著者はラフカディオ・ハーンさん、

 原著は1904年に、

 円城塔(えんじょう・とう)さんによる日本語訳版は

 2022年9月に発行されました。

 英語原題は『KWAIDAN』――

 

 小泉八雲さん著『怪談』の“原著”といえば

 分かりやすいでしょうか。

 

「やくもさんッ!」

「ぐぅるるるがーるるる!」(←訳:じゃなくてハーンさん!)

 

 現代日本に暮らす私たちが知る『怪談』は、

 『耳なし芳一の話』であり、

 『貉(むじな)』であり、

 『雪女』他……なのですが、

 この御本では違います。

 

 『ミミ・ナシ・ホーイチの物語』であり、

 『ムジナ』であり、

 『ユキ・オンナ』……

 登場する地名人名も

 『ダン・ノ・ウラ』に『タンバ』、

 『ヘイケ』や『キョ―バシ』、

 『ムサシ』『オ・ユキ』と、

 何だか日本であって日本でないような……?

 

「ふうゥ! ざんしんッ!」

「がるるる~!」(←訳:不思議感~!)

 

 そもそも、原著『KWAIDAN』は英文ですから、

 漢字による表記は有り得ない、のですが、

 著者・ハーンさん自身はどう考えたのでしょうか。

 ちょっと妄想してみますと……

 

 漢字。

 東洋にしか存在しないこの表意文字を、

 出来ることなら使ってみたい!

 エキゾチックな東洋の言語は、

 好奇心旺盛な西洋の読者たちを魅了するだろう!

 いや、それが無理だとはよく分かっている、

 ならば、ならば……?

 

 音、で行こう!

 

 欧州の言葉にはない言葉の”響き”を

 前面に押し出してみよう!

 

「そこでェ~くゥわいィだんッ?」

「ぐるがぅるるぐるるるるるる!」(←訳:怪談じゃなくKWAIDAN!)

 

 真偽の程はともかく、

 ハーンさんの筆によって

 『KWAIDAN』は西洋世界に送り出されてゆきました。

 

 シモノセキ海峡のダン・ノ・ウラに沈んだ

 ヘイケ一族の伝承を歌う

 ホーイチという名の琵琶弾きが、

 いかなる惨劇に見舞われたか。

 

 ムサシ地方のある村で暮らす、

 ミノキチとオ・ユキの悲しい別れとは……。

 

「ふわわァ~…げんそうゥてきィでスゥ!」

「がるぐるるる!」(←訳:SFみたいだ!)

 

 異国の響きの向こうに、

 ハーンさんが刻んだ

 ヒトの世の、怖さ、儚さ、愛惜。

 

 巻末部分には、

 ハーンさん著『KWAIDAN』が

 どのような”形”で西欧の人びとを刺激し、

 日本語訳化されてきたか、

 訳者・円城さんによる解説が収録されています。

 

 この解説と、

 ハーンさんの略歴を紹介する文章が本当に素晴らしいので、

 怖~いお話はちょっと苦手な活字マニアさんも、

 ぜひ、手に取ってみてくださいね。

 エモーショナルな装画も含めて

 激おすすめな一冊ですよ~♪

 

 

 

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