「乗り降りの時は転覆しないよう気をつけてね。まず左足を入れて、はい次はお尻ですよ。そして右足を、そうそうその調子・・・。足止めがあるので、そこに足を置いてください」「えーっと、すみません。足が短くて届きません」カヌーのへさきはつま先から20cmはあります。「いえいえ、カヌーの内側に沿って探してみてください・・」<o:p></o:p>
「あーー、ありました。ちゃんと届きました」なあんだ、充分届くじゃん。余計なこと言わなきゃよかった。絶対わからないのに・・・(?)<o:p></o:p>
一瞬の短い会話も活字にするとこんなに長くなってしまうのですね。さあうまくカヌーの中に納まったので、次はパドルを漕ぐ動作です。「パドルは寝かさないで水面に対してたてに入れて、充分水を後ろにかきます」うーむ、そういえば酢飯をつくるとき、ご飯粒をつぶさないように、しゃもじで「切るように混ぜる」その要領に似てるな。そうすれば良いんだな、と妙に納得。そのとおりにすると、おおー、意外と簡単にカヌーは前進するのです。なんとなくカヌーとの一体感も体感できるし、初めての経験は好印象のうちにスタートできました。<o:p></o:p>
風は全くないので波もなく、汽水域(上層は川の水で、下層に海水)だけど潮の流れも感じない、ややとろりとした感じの鏡のような水面です。気持ちいいなあ!カヌー大好きになりそう。「暑い夏にみんな来るけど、冬のほうがそんなに暑くなくていいですよね」と言うと、「冬にこんなに良い天気だったら、みんな押しかけて来ますよ。風が強くてかいてもかいても前に進まない時も良くあるし、だいたい寒いです。今日の天気は特別」とガイドさん。太陽さんありがとう。良いお天気に感謝!
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両岸の景色は見飽きることがありません。ヒルギ類も川地域ではオヒルギ、海に近づくとヤエヤマヒルギ、その中にメヒルギがときおり混じっているそうで、場所により変化しているようです。水中の魚たちを眺めながら、それを狙っているしらさぎを見ながら、ゆるゆるとカヌーは進みます。「あっ、アダンの実がいっぱい。でもまだ青いですね。いつごろ熟すのですか?」と聞くと「もう寒いのでこの時期は熟さないで青いまま落ちてしまいます。赤く熟すのは真夏の時期だけ。それより前を見てください」という声に視線を前方に移すと・・・・、目の前の高い山の頂から落ちている水の流れが!滝だぁ!沖縄県で最も落差がある「ピナイサーラの滝」です。こんな形でご対面するとは思いもよらず感激です。
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西表島には地図に載っているだけでも7つの滝があり、それぞれカヌーやトレッキングで行くジャングルツアーとかエコツアーとかが多彩に行われています。今回は「ピナイサーラの滝半日コース」(5000円・簡単ランチ付き)を選びました。なかでもピナイサーラの滝は人気ナンバーワンだそう。このあとカヌーを降りて滝つぼまでトレッキングです。<o:p></o:p>