カヌーを降りるとガイドさんが「これを見て」とでっかいしじみを見せてくれました。巨大です!(写真)食べ物を見ると美味しいのかどうかが気になるあいよっこですが、ちょっとご遠慮したい感じです。
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海岸線にはヒルギ類(総称してマングローブ)とともに「サキシマスオウ」も群生しています。余談ですが、最初はなんとなく「サキシ・マスオウ」となにかの「王さま」みたいに読んでいました。ご存知のようにサキシマ・スオウ=先島蘇芳、つまり先島諸島(宮古列島、八重山列島、尖閣諸島のこと)を中心に分布しているスオウの木です。地上に曲がった塀のように立ち上がっているのは「板根(ばんこん)」と呼ばれる根の部分(写真)。根を地中深く張ることができないくらい土が浅いので、このような特徴ある形になったようです。スオウ(蘇芳木)はもともとはマメ科の植物で染色に使用しますが、この木の樹皮から採取した紅色の色素でも布を染めます。<o:p></o:p>
滝つぼまでの道にはたくさんの亜熱帯植物が茂っています。クワズイモは濃い緑色の葉を精一杯広げているし、シダやヤシ類など、都会では観葉植物として売られているものがよりいきいきとしていて、その中にいると生命力を与えてくれるようです。
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写真:ハシカンボク、西表島に自生する3種のノボタン科の植物のうち最も開花時期が遅く冬季に開花することがある。
そのなかでひときわ大きな樹木が「アカギ」で、この樹液は真っ赤な血のような色です。沖縄地域では「アカギの神木・大木」はたくさん残っていますが、この血の色のために伐採されなかった経緯もあるということです。切った後に血の色が流れるのは、人に似ていて生理的に不気味だったのでしょうか。<o:p></o:p>
樹幹のあちこちから、(実はこれは発達した「板根」なのですが)丸いボンボンのような実を垂らしている木は「犬ビワ(正式にはギランイヌビワ)」という名前で、実はおいしそうに見えますが食べられません。今の時期は花も実も少ないですが、夏季には幹全体が鈴なりになり、このなんとなくユーモラスな花の付き方を「幹生花」と呼ぶそうです。食用にならない、つまり役に立たないものに「犬」をつけることが多いのは、今はペットとしてお友達の犬も昔はそんな存在だったのでしょうか?またびわ、といってもじつはいちぢくの仲間です。
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滝つぼまでの距離はそれほどないのですが、急な山道であり、かなり狭い部分もあって、大きめの借りた長靴では滑らないよう細心の注意が必要でした。また道しるべというものは全くないので、ガイドさんをお願いするほうが安全でしょう。
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カヌーを使わないで引き潮時に歩いて来る事もできるそうです。ちょうど滝つぼから降りたときにそんな男女二人連れに出会いました。地図を片手に全く初めての道を、滝の上と滝つぼ両方制覇するつもりだそうで、「海外でもいろいろと危険な冒険をしている。くれぐれも無理をしないようにする」と自分たちで言っていました。最も潮が引く時の前後2時間を利用して帰り着かないと、行きはよいよい、「帰りは胸まで海中」という事態になってしまいます。これはこれですごい冒険ではありますが・・・。<o:p></o:p>