今日はひな祭り。一応女の子(ちょっと昔)のあいよっこはお雛様が大好きなのです。そんな良き日に古い井戸のお話をすることになりました。井戸というとたいていの人は石枠、あるいは石積みの円筒形で、底が見えないくらい深~~いものをイメージするでしょう? ちょっと昔にはギイギイとポンプをこいで水を出し、夏には井戸水で冷やしたスイカや桃が美味しかったものです。
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ある時からこれがとっても怖いものに変わりました。そう鈴木光司原作のミステリーホラー映画「リング」です! 詳細はここでは説明しませんが、見た人ならわかるでしょう。貞子は怖かったよお。こんなイメージがあるいは片隅にあったかもしれません。
写真:入り口近くのブトゥラ井(がー)は小型で底は浅く、内部は狭い。垂れ下がる樹木や植物が雰囲気を盛り上げる。
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宮古島に着いたその日、夕暮れにはまだ少しあるという時刻、4時ごろに、「大和井(やまとぅがあ)」に行ってみました。ホテルから近かったのです。外はまだ明るくても樹木に覆われたその場所に入ると、そこはもうなにかが忍び寄ってきている感じです。入り口近くにあるのは「ブトゥラ井」という小さい井戸で、こちらは庶民が使用していたそうです。
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広場の中にある石畳の道をさらに進むと、大きくぱっくりと口を開けたような暗闇が目に入ってきました。ダメです。これ以上は進むことも見ることもできません。いつも1人でなんでもやっちゃうけど、怖い時はあるのです。遠巻きに一応写真を撮って、急いで振り返りもときた道を小走りに帰りました。ふうぅ。
亜熱帯の植物は葉が大きくて緑が濃いので、覆われるとほんとうに薄暗くなります。さらにつたやつるが伸び、絡まりあって、垂れ下がり、不気味な雰囲気を醸し出してしまうのです。<o:p></o:p>
写真:大和井の手前右横にある大木と拝所。
でも不思議です。最後の日、飛行機に乗る前に宮古島スイーツ「ひやしぜんざい」を食べようと思ったのに、道を間違えてまたここに来て、明るい光の中でもう一度見ることができました。ぜんざいは食べ損ねたけれど、しっかり写真も撮れました。道路はここで分岐点になっていて、たいていの道が通じているみたいです。
道を隔てた向かい側には牛馬のための「大川(うぷかー)」があり、古(いにしえ)より井戸が人々の暮らしの中心だったことが想像できます。
写真:写真の感じより、実物はかなり大型で石組みも高いです。つまり底が深いということ。明るい光の中でも覗き見るとどきどきするのです。
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奥にある「大和井」は、円筒形ではなく扇型に近いです。深い下のほうには大石が積まれ、上に向かうほどに小さな石が円形に積み上げられています。石組みの技術の高さに驚きます。右側の大きくうねった大木の前にはやはり拝所が。ここは1720年に掘られ(本土は江戸中期)、首里王府派遣の在所役人や、頭などの上層階級の人たちだけが使用したそうです。「大和」という名前はそこから由来しているという説と、構築に携わったのが大和人だった、という説があるようです。<o:p></o:p>
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