宮古島で有名なお菓子といえば、そう「バナナケーキ」。平良港の近くにあるモンテドール製菓の周辺には、お菓子を焼くあまーーい香りが漂っています。そして島で最高位の由緒あるウタキ「漲水御嶽(はりみずうたき)」はその隣にあります。洋菓子とウタキ、なんとなくミスマッチ?でもそんなのまったく関係ないのです。
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写真:漲水御嶽は宮古島の人たちの篤い信仰心を集め「ツカサヤー」とも呼ばれ、古代宮古人の源流をさぐる上からも注目されています。
<o:p></o:p><o:p></o:p>反対側にまわって正面から見ると、こちらには威厳が漂っています。宮古島の創生神話によると古意角・姑意玉の2神が天下りした聖地であり、「人蛇婚説話」も残されているといいます。
そういえば「天下り」とは決して官僚が(お上の)公務の仕事から、民間企業などの格下の仕事に就くことではないですよね。本来は「神さまが下界に降臨されること」だったと忘れていました。神様のことばもすっかりイメージダウンしてしまいました。
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ウタキの前にはかつて政庁であった「蔵元」の跡、その横には以前に紹介した「漲水石畳道」があります。周辺はいわば政治と宗教の中心だったのでしょう。周りを取り囲む古い石垣にも名残があります。
写真:石垣は仲宗根豊見親が八重山のオヤケ赤八の乱に凱旋した記念に築いたと伝えられている。
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訪れたのがちょうど旧正月のお祭りだったので、人々がひっきりなしに訪れていました。仕事の途中でちょっと寄ってお祈りしている人もあります。狭い拝所の中にはたくさんのお供えが飾られ、線香の煙と匂いが立ちこめていました。お参りにはたいてい底が四角くなった(たぶん用具一式を箱に入れているみたい)風呂敷包みを手に携えています。新聞紙を一枚敷いただけの上に座って、長い間静かにお祈りしている中年女性の姿もありました。
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<o:p>写</o:p><o:p>真:綾道にある拝所(後方)の周辺では、発掘調査がされているところも。</o:p>
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以前田口ランディさんの『旅人の心得』(神さまの息遣いが聞こえる場所)で紹介しましたが、池間島の最高位の御嶽は「オハルズ(張水)」で名前が似ています。「漲(みなぎ)る水」と「(田や畑に)張る水」、雨水が即流れ出てしまう宮古島周辺では「水」がいかに大切であったかが想像できますね。
写真:「平良綾道マップ」は防水加工もしてあり、美しくしっかりしたつくりです。
宮古島は次回で終わります。
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