写真:2018/6/34~28 「対馬・壱岐」
写真上:「男嶽(おんだけ)神社」に所せましと並ぶ石猿たち
夕方、壱岐・郷ノ浦港(ごうのうらこう)に到着。壱岐島はコンパクトながら観光資源が多く、ルート案内、宿泊施設など、観光への配慮もいき届いている感じです。対馬と同じく大陸や朝鮮半島との交流ルートで、有名な中国の歴史書「三国志・魏志倭人伝」に「一支国(いきこく)」として登場し、王都「原の辻(はるのつじ)遺跡」が発見されたことは島の宝です。当時は渡来人と倭人が出会って交易を行う重要な拠点だったのですね。今回は主として文化的遺跡や寺社の紹介です。
「原の辻一支国王都復元公園」に立つと、周囲を多数の掘で囲まれた「環濠集落」であることや、小高い丘に建つ茅葺の住居のようすがよくわかります。足元に広がる黄色い花たち、見渡すかぎりの平原を眺めていると、「弥生時代からずうっと変わっていないみたい」と錯覚しそうです。
原の辻遺跡からはこれまでに、な~んと10万点以上の遺物が発見され、なかでも国内唯一の「人面石」は重要文化財であり、そのほか中国大陸・朝鮮半島製作と推測される遺物も数多いのです。 遺跡のある深江田原(ふかえたばる)は長崎県内で2番目に広い平野(!)で、また島内の鬼の窟(おにのいわや)はじめ280基の古墳群は、県の総古墳の6割にあたるそうです。
対馬と同様に寺社が多く、古い歴史と伝統を伝える神の島でもあります。住吉神社には鳥居前に「大クス」と拝殿前の「夫婦クス」があり、荘厳で珍しいです。夫婦杉はよく見かけますよね。常緑樹のクスノキは子孫繁栄の象徴なので、「長寿・縁結び」のご利益があると人気です。
男岳山頂上(標高156mですが…)にある「男嶽(おんだけ)神社」はとてもユニークです。御祭神「猿田彦命」にあやかり、奉納された230体あまりの石猿たちがさまざまな姿・形、しぐさや表情で迎えてくれます。石猿たちは愛嬌たっぷりだし、拝殿裏にひっそりと鎮座!する「ご神体」も可愛いです。しかしこの御神体には磁石を狂わせる磁力があり、パワースポットともなっているのですよ。
観光パンフレットなどでおなじみなのが「はらほげ地蔵」です。海中で赤い胸掛けをした6体の石地蔵は、遭難した海女をお祀りしたとも、鯨の供養のためともいわれています。「はらほげ」はお腹の部分がえぐられているところから。
地蔵がある一帯の内海湾(うちめわん)は原の辻王都を訪れる古代船が往来した玄関口でした。「小島神社」は現在でも島全体が神域とされ、干潮時だけ参道が現れることで、「壱岐のモンサンミッシェル!」とも呼ばれているのです。
男嶽神社の「ご神体」(左側)ちょっと可愛いけど、磁力があるよ!
写真上下「原の辻一支国王都復元公園」
住吉神社 鳥居前の「大クス」
拝殿前の「夫婦クス」
内海湾に浮かぶ神域の「小島神社」 手前の海が割れて参道ができる
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