Allegory (Art) of Painting, 「画家のアトリエ」
c.1666-67, oil on canvas,
Kunsthistorisches Museum, Vienna, Austria
正面が壁で左奥に窓があるおなじみのアトリエで、窓からの光を受けた女性が立つフェルメールの得意な構図である。 手前に下がる厚地のカーテンが明暗を一段と際立たせ、カーテンの奥の窓から入る光が深い奥行きを与えている。 月桂冠をかぶリトランペットと本を持つ女は歴史を司る女神クレイオーの象徴といわれ、机上の彫刻や楽譜から諸芸術を関連付けた寓意をもつとも考えられる。
「#33/信仰の寓意」(1671-74)の室内は、彼が初期の寓意 この「#24/画家のアトリエ」で用いたものに、スケール的にも特徴的にも一致している。 実際、両者の透視画法は事実上全く同一であり、両者とも寓意を見せる為に左側へ引き寄せたタペストリーを描いている。