私めが入社して3、4年目位の若い頃の、もう40年以上も昔のお話です。
会社の経営者陣を前に、各部門から自分達が実行達成したコスト削減の成果を発表する社内大会(?)がありました。
発表者達が、何百万円、何千万円、と威勢のいい成果を次々に発表し続けて行くのを見まして、年間100万円程の成果だった部門の発表者だった私めは、経営者陣にアピールし印象付ける何かいい方法はないか、と考えました。 そして、その場のとっさの思いつきで、成果は「1億ルピア」ですと(円ではなく)インドネシア・ルピアで言い、いかにも大きな数字で表現しました。
当然ながら、経営者陣は大きな数字ではあるものの 円に直せばどの位なのか判らず、直ぐに 円では幾らになるのか? という質問が来ました。 私めは 円で幾らなのか答えず 1億ルピアだと言い続けました。
ところが、どこにでも出しゃばりはいるもんでして、1インドネシア・ルピアは0.01円位だから1億ルピアは円で言えば100万円位ですと告げ口(?)をしました。 それを聞いた経営者陣の一人が 「お前はまことしやかに誇大宣伝をするなぁ!」 と大笑いに笑いながら私めに言いました。 私めは、「誇大」ではありません、使う「単位」の違いです! と弁明(?)しましたが、会場の全員に大笑いされました。
それ以来(10年間ほど) 私めのあだ名は「誇大宣伝」になりましたです。
が一方では、そのおかげで、私めは経営者陣や他部門のお偉いさん達に名前も顔も覚えられまして、気安く声をかけてもらえるようになりましたです。
皆さんが信じるかどうか、嘘のような ほんとの話です。 先日 元勤務先の「部課長OB会」の忘年会がありまして、告げ口(?)をした人や当時の上司だった人からこの話が持ち出されて、いつもの通りまた皆に笑われましたので、書いておくことにしました。
今でも思うに、こういう発想や見方も 時には必要ではないでしょうか。 時と場を選べば…。 いや、相手を選べば、ですかね。 笑いながら私めを茶化した人(経営者)がいたからこそです。 反対に、本気で怒ったのなら、今の私めはありませんでしたね。 私めを茶化したその方は既に鬼籍に入られております。 合掌。