先日
ハンミョウ(斑猫)という体長2センチ程の とても美しい甲虫を見て頂きました (→
こちら)。
今日は、そのハンミョウの交尾の姿を見て頂きます。
ハンミョウの交尾は、他の昆虫、例えば蝶やトンボ、アブ等とは違って、動物に多い後背位です(↓)。
交尾中でもオスはメスの首を大顎(あご)でがっちり挟み込んでいます。 メスの大顎もハンミョウが肉食であることを示していますね。(怖)
後ろから見た交尾の姿です。(↓)
ハンミョウの交尾は、単に交尾(交接)器をつなぐだけでなく、動物と同じようにオスは前後運動を行います! 昆虫の脳は神経の集合物で、思考する脳ミソは無いので、前後運動で気持ちが良くなったりはしないはずなんですが…(笑)。 どんなもんでしょうかねぇ、本当のところは、聞いてみないと判りませんが…。 いやいや、前後運動をするということは……!!
一般的に言って、昆虫の交尾(交接)器は普段は体の中に隠されているので、あまり見たことがないのではないでしょうか?
(↓)で、体と直角に下がったオスのお尻(腹端)からまた直角に伸びて、メスのお尻(腹端)に差し込んでいるオレンジ色のモノがオスの陰茎です。
昆虫の交尾時間は(人間と同様に)長短ありますが(笑)、普段目にする昆虫で長いので有名なのはテントウムシ(→
こちら)で、1回6時間以上で、しかも毎日交尾するらしいです。(笑) 一般的には、交尾を長時間継続することでメスを独占し、他のオスと交尾させないようにして、自分の遺伝子を残す確率を高める訳です。
(↓)は交尾を終えて陰茎が離れた直後の様子です。 私めが見たハンミョウの交尾時間は1回30分程でしたが、直ぐにまた始めましたので、何回するかで合計時間が変わってきますね。
(↓)は体も離れた直後の様子です。 体に比べた陰茎の大きさに注目です。 陰茎先端部は膜質で袋状の内袋(ないたい)と交尾片(こうびへん)という突起で、その大きさと形はメスの交尾嚢(こうびのう)と一致しているはずです。 即ち、錠前(じょうまえ)とその鍵穴に合う鍵になっているはずです。
(→ 詳細は省略)(笑)
ハンミョウは肉食昆虫なんですが、交尾後のメスは、カマキリのようにオスを食べることはしませんでした。(笑) それどころか、両者は無事に離れた後も、しばらくにらみ合って、いやいや、見つめ合って、またぞろ交尾を始めましたです。 猛暑で日陰の無い所でしたので、熱中症にならぬよう、私めはそれ以上のお付合いは遠慮して 退散しましたです。(笑)
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