相も変らず何の疑問も持たずに使っていた言葉の思わぬ語源を知り、驚き、無知を恥じるばかりです。
頂門の一針よ り → 2439 号 11・11・21(月) → 生活防衛?へそくり増える 平井 修一
…略
へそくりの語源は「綜麻(へそ)繰り金」で、綜麻(紡いだ麻糸を巻いたもの)を繰って貯めたお金の意。綜麻が お臍と混同されて「臍くり」になった。…以下略
《「へ」は動詞「綜(へ)る」の連用形から。「そ」は「麻」》紡いだ 糸を環状に幾重にも巻いたもの。おだま。おだまき。
三 省堂 大辞林より
績(う)んだ麻糸を環状に幾 重にも巻きつけたもの。おだまき。
現在では「臍繰り」と書き、内緒で貯めたお金のことを指しますが、かつて農村の女性たちが行っていた内職に由 来します。麻糸をかける道具を「綜(へ)」といい、綜をかけた麻糸を操り糸巻きにしていくことを「綜麻繰」といった のです。山内一豊の妻、千代は綜麻繰が上手だったと伝えられています。その収入を鏡の裏に貯え、そのお金で名馬を買 い夫の活躍に一役をかったそうです。
オダマキは、つむいだ麻糸を空洞の玉のように巻いた「苧環」に由来する。
オダマキの花は内側に曲がって満開せず、全体的に糸巻きの枠のように見えることから「苧環」の名がついた。
「へそくり」って腹巻の中に隠して持っているから「臍繰り」なのかなと漠然と思っていましたし、あえてその語 源を知ろうともしませんでした。
昔の女性が麻糸を繰る内職でこつこつと貯めたお金とは想像もしませんでした。亭主が汗水たらして稼いできた 金を遣り繰りしていざと言うときのためにこつこつと貯めてきたと思えば通じるところもありますが、今やそんな苦 しいイメージはなくなってしまったような気もします。しかしながら、格差の広がる今、又必要悪として大手を振っ て歩きそうに思えます。
相も変らぬ無知に反省!