第 5057回で動画を取り上げた桶川のため池のメガソーラーの詳しい記事がありました。ため池の使用 料や設置の工夫もきちんと書いているので参考になります。画像も分かりやすいので是非リンク元で見てください。
(続 報)なぜ池に浮かべたのか、どうやって実現したのかメガソーラー (1/2)
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桶川市の狙いは、行政財産である「後谷調整池」を何とか活用できないかというもの。調整池はどうしても必要である ため、行政財産として確保されている。しかし、市にとってはふだんから維持管理費がかさむばかりで税収も得られず、 収益という面では「負」の財産だった。調整池にメガソーラーを誘致した市の狙いは、負の値を正の値に変えるというも のだ。
「1m2当たり150円という行政財産の使用料の他、固定資産税も得られ、調整池の維 持管理をメガソーラーの事業者の義務としたため、市にとっては濡れ手に粟のような条件である」(桶川市環境 課)。後谷調整池の場合、設置面積が1万2400m2ある。これは市にとって186万円の使用料が新たに得られ ることを意味する。今回メガソーラーを建設・運営するウエストホールディンググループに対して、隣接する地方自 治体の他、全国から声がかかり、早くも順番待ちの状態になっているのはこのような好条件を聞きつけたからだ。… 中略
どのような工夫が必要だったのか
調整池に太陽電池モジュールを浮かべるとなると、突破しなければならない条件が幾つもある。まずは、池の上にモ ジュールを固定しつつ、池の水面が上下しても位置が変わらないようにしなければならない。「調整池の底が泥質であっ たため、四方にアンカーを降ろす形で固定可能だった」(荒木氏)。
完成した「ソーラーオンザウォーター桶川」を上空から撮影した写真を見ると、不思議なことに気が付く(図3)。なぜ池の岸に固定しないのか、なぜ水面いっぱいに敷き詰めないのか。どちらの 方法を採っても太陽電池モジュールを固定しやすくなり、発電量も増えるはずだ。
「モジュールの位置決めを調整している際、池の断面が洗面器のような形をしていることが分かった。岸に近い部分では 池の底が斜めになっている。もし、岸に付けていたり、周囲に水面を残したりしておかなかったとすると、水位が下がっ たときにモジュールがせり上がってしまう」(荒木氏)。これでは発電がうまくいかなくなる。設置位置を工夫したこと で、桶川市の事例では水位差9mに対応できる。「池の地形とアンカーの張り を考えると、水面の上昇に耐えることはたやすいが、下降はなるべく避けたかった。後谷調整池の場合は自然条件に も助けられた。池の底に湧水があり、一定以上は水位が下がらないからだ」(荒木氏)。同社の技術を他の自治体が 導入する際には、池の「地形」が設置条件として重要になる。
太陽電池は水よりも重い。そのままでは水には浮かばない。さらには電気的な接続部が露出しているため、水に沈めるわ けにはいかない。同社は、太陽電池モジュールを載せるために、内部が空洞になった樹脂と架台を一体化させた「フロー ト」を採用した(図4)。
重心を低くすること、風の影響を弱めることなどの理由で、太陽電池モジュールの設置角度は15度になっている。池の上はホコリが少ないこともあって一般的な30度ではなくて も汚れがたまらない。「ただし、7度まで寝かせると汚れが残ることを確認している」(荒木氏)。なお、水面上に 設置するため、その条件にあう太陽電池モジュールをフランスの企業から購入している。…以下略
コストはかかりそうですが、やはりため池を生かすこの方法は絶対にやるべきですね。全国の自治体から問い合わせ が殺到しているようですが、我が香川県は動いているのでしょうか。まさか香川から全然問い合わせがないなんて恥ずか しいことはないとは思いますが、心配です。
ところで、香川でこれをやるとすれば、何といっても弘法大師が造ったと言われる日本一の満 濃池でしょう。ここに目一杯メガソーラーを設置すれば壮観でしょうね。というか目一杯となると又電 力会社の買い取り容量の問題が出そうですが、そのあたりは県としてのバックアップで何としても実現してもらいた いものです。
満水面積が138.5haだそうですから、水位が下がったとして安全を見ても半分くらいは使えるのじゃない でしょうか。そうなると100メガ近くはできそうな気がします。
こんなのができたら是非見物に行きたいものです。良い観光地にもなりそうです。
実現なるか!