遂にアメリカの良識が立ち上がって南北戦争を始めたのかとおどろきましたが、何と、映画の話題でした。
宮崎さんがとりあげてくれています。現実でないのが残念ですが、やはり、アメリカ人も南北戦争を受け入れる機運なのでしょう。是非、本当に立ち上がって貰いたいものです。
「宮崎正弘の国際情勢解題」より 令和六年(2024)4月26日(金曜日)
通巻第8228号
アメリカの分裂、新型「南北戦争」の勃発
西部諸州19州が「独立」しワシントンに攻め込む
ハリウッドの新作映画『内戦(シビル・ウォー)』が四月に封切られ、大ヒット。世界中で議論を沸騰させている。
なにしろカリフォルニアを基軸に19の州が連邦から離脱して独立し、首都ワシントンを攻撃する設定、現在の米国の政治そのものをわしづかみにしたような映画である。
2021年1月6日に起きた米議会議事堂襲撃事件にヒントを得て、米国が内戦状態となる。反乱軍がワシントンを空爆、戦車隊が議事党を襲撃し、大統領を殺すところで終幕する。
首都ワシントンを攻撃するのは「西部連合軍」で、カリフォルニア州とテキサス州の民兵(武装した地域私兵)である。まるで不法移民軍がアメリカを乗っ取る ような話である。暗くて残酷で、どうなるか分からない米国の近未来、その不安心理を描いている。(予告編は下記サイト。日本公開は10月4日と決定)
https://eiga.com/movie/101614/
フィクションとは言え、不法移民の武装集団が反乱したことを示唆するのかも知れない。いや、きっとそうだろう。北西部は「ニュー・ピープルズ・アー ミー」、フロリダ州から南部にかけては「フロリダ・アライアンス」、北東部から中西部は大統領に忠誠を誓う勢力に四つ巴の対立。
映画の「大統領」は明らかにトランプをモデルにしており、「独裁者」風に描かれている。その「大統領」は白人優位の回復を訴える設定となっている。
LGBT、BLMから始まった左右対立は不法移民、中絶で言論の戦争状態となって、大統領選挙における議論の分裂は、どう考えても『シン南北戦争』だ。
さて在米中国人や香港の映画通などの間で拡がった批評は中国のネット議論に飛び火し、まったく「別の議論」を呼び込んだ。
中国の中華思想組は、アメリカの内戦劇は米国分裂状況をシンボライズした、一種ホラー映画とは捉えず、まったく別の反応、すなわち劇中で、台湾生まれで「香港ジャーナリスト」が、米兵に「中国人」であると特定され、射殺されるシーンを問題にしているのだ。
中国では公開前にも拘わらずネットで意見が飛び交い、とくに「中華思想」の持ち主の投稿は「西洋を崇拝している香港人や他の中国人グループに対する風刺だ」とし、人種差別を争点としていることだ。
検問でアメリカ人ジャーナリストたちがすいすいと通り過ぎる中、「アジア系男性ジャーナリスト」が「私は香港から来た」と言うと兵士は彼を射殺する。つまり「中国人がアメリカ兵に撃たれる」と彼らは認識した。
予告編をみる限り反乱軍に反対か、賛成かで、もし反対の記者がいれば、敵だと判断し、全員殺されるという噂を聞く場面がある。
香港の議論はまたユニークである。
当該シーンが象徴するのは「米国は香港が中国の一部と認識している。自分は中国ではなく香港出身だ」と常々主張する人たちにとって、西洋人の目から見れば区別はないし、映画の設定で射殺されるジャーナリストは台湾人なのである。
ことほど左様に国によっては反応がことなるのは当然と言えば当然だろう。
日本の封切りは大統領選挙の一ヶ月前になるから、もっと切迫した状況となっているだろう
もし、アメリカ人が立ち上がらず、トランプさんの復活が無いようではアメリカの終わりも間違いないでしょう。
と言うことは、世界も終わりなのかも。果たして、どうなるのでしょうか。