ウクライナ戦争はどうなるのでしょうか。追い込まれたプーチンは北やベトナム訪問。何をたくらんでいるのか。
NATOは完全に沿線気分。何かがおきそう。
宮崎さんが、取り上げてくれています。それにしてrも、ウクライナはどうなるのうあら。
「宮崎正弘の国際情勢解題」より 令和六年(2024年)6月20日(木曜日)弐
通巻第8297号
米、
プーチン「モスクワが領有する領土からウクライナ軍の撤退、NATO放棄」
スイスで開催されたゼレンスキー主導の「ウクライナ平和会議」は無残な失敗に終わった。
バイデンが欠席し、代理のカマラ・ハリス副大統領もそそくさと帰国し、ドイツのショルツ首相も予定を早めて帰国した。不協和音が鳴り響いた。
そのうえ「次のウクライナ平和会議は西側諸国では開催されない」と、スイス大使ガブリエル・ルッヒンガーが述べた。
それもこれもロシアを招かず、中国は早々と欠席を表明したため、最初から開催の意義が希薄であり、そのうえインドはゼレンスキー大統領の「平和会議」宣言への署名を拒否した。
ブラジル、サウジアラビア、南アフリカ、UAE、メキシコ、タイ、インドネシア、ヨルダン、イラクなど12カ国は最終声明に署名しなかった。
会議前の6月7日にロシアのプーチン大統領は停戦の条件を概説した。それは「モスクワが領有権を主張するすべての領土からのウクライナ軍の撤退、およびキエフのNATO加盟への野心の放棄」が条件だった。
米国ではホワイトハウス国家安全保障会議報道官ジョン・カービーが6月18日に記者会見を開き、「ウクライナがNATOに加盟するには、まずロシアとの 戦争に勝たなければならない。NATOと米国は当該要件を協議した。バイデン大統領はウクライナの将来はNATO加盟国になると信じている」と味も素っ気 もない空論を付け加えた。
ウクライナが戦争の勝つ? NATOが全面的にロシアと戦端を開くなら話は別だがマクロン仏大統領がフランス部隊をウクライナへおくりこんだことにスペ イン、イタリア、ハンガリーなどは露骨に反対した。したがってNATOの全面参戦はあり得ず、ということはウクライナが勝つ展望はほとんど考えられない。
アジアタイムズが「冷静」に報じた
「ウクライナは 崩壊の危機に瀕している。ウクライナ軍は兵力が不足しており、軍の死傷者が多い。状況は日に日に悪化している。ロシアによれば、ウクライナは 5月に3万5千人の兵士を失った。ウクライナは兵士を補充できず、強制徴兵プログラムでは訓練を受けた人員を補充することができない。
NATO の指導者たちはウクライナの崩壊を恐れている。彼らはロシアが次に何をするかを推測しているが、ウクライナを救う選択肢はほとんど残っていない。比較的少 数の NATO 兵士を派遣することは解決策ではない。それはヨーロッパがすぐに遺体袋でいっぱいになることを意味する」(6月3日)。
令和六年(2024年)6月22日(土曜日) 通巻第8299号
「米国はゼレンスキーをスケープゴートにするつもりだ」とプーチン
北朝鮮と越南訪問、プーチンの目的は孤立からの打開だけ?
北朝鮮訪問からベトナムへ向かったロシアのプーチン大統領は、ハノイで記者会見に臨んだ。
「ウクライナは事態が悪化している。西側メディアがゼレンスキー大統領に反発している。ウクライナの指導者は不人気な意思決定により、まもなく交代するだろう。ワシントンはゼレンスキーをスケープゴートにするつもりだ」と示唆した。
「西側諸国は、まだ後任を望んでいない。誰の目にも明らかだと思うが、(欧米は)徴兵年齢の引き下げを含め、不人気な決定のすべてを彼のせいにするだろう」とプーチン大統領は発言した。
「ゼレンスキー更迭(プーチンは「交代」の語彙を選んだ)は来年の前半に起こる」。
徴兵担当官が路上で男性を暴力的に捕らえるなど、ウクライナ国民の間に大規模な反対運動の兆候があるとプーチンは付け加えた。
ドイツでも兵役を逃れたウクライナ男子の難民が25万人いることが分かっている。
プーチン大統領は記者団に対し、「我々は水面下で協議を行ってきたが、期待は外れた」と語った。
さてプーチンの北朝鮮と越南訪問の成果は何か?
6月18日、プーチン大統領は北朝鮮を24年ぶりに訪問し、攻撃を受けた場合には相互に援助し合う戦略協定に署名した。両国は第二次世界大戦後の北朝鮮建国以来の「同盟国」であり、ウクライナ侵攻でプーチン大統領が孤立して以来、むしろ緊密になっている。
金正恩はプーチン大統領を「朝鮮人民の最も親しい友人」と呼び、ウクライナ戦争に対する「全面的な支持と連帯」を誓った。
米欧ならびに日本はロシアと北朝鮮の新たな協定について「深刻な懸念」を表明した。
6月20日、プーチンはハノイに飛んでベトナムの首脳四名と会談した。
ウクライナ戦争によるロシアの孤立化は深刻である。プーチンの目的は同盟関係を強化することにあり、12の協定、なかでも両国の相互防衛協定に署名した。
「双方は地域と世界の平和と安全のため、防衛と安全保障、国際法に基づいて安全保障上の協力を強化したい」とハノイ側が発表した。
ロシアは数十年にわたりベトナムの主な武器供給国であり、1995年から2023年までにベトナムの武器供給の八割を締めていた。
バイデン米大統領はすでに2023年9月にハノイを訪問し、関係強化を図った。バイデン政権は、米国の中国依存を減らすため、ベトナムを主要なハイテク部品の代替供給国として育成する方針である。
慌てた北京は3カ月後には習近平国家主席が公式訪問を行った。
ベトナムはロシアのウクライナ侵攻を非難する国連決議では棄権に廻った。
プーチン大統領はベトナム共産党の機関紙『ニャンダン』に寄稿し、ベトナムの「バランスのとれた姿勢」を評価した。
外交上の成果があがったというより孤立打開の宣伝演出の側面が強い。
令和六年(2024年)6月22日(土曜日)弐 通巻第8300号
いまごろカスペルスキーのウイルス対策ソフトを禁止したところで
TIKTOK禁止措置があまりにも手遅れだったように
バイデン政権はロシアのサイバーセキュリティ企業「カスペルスキー」製のウイルス対策ソフトを米国内での一般販売を禁止する。
{?}。なんで今頃?
カスペルスキーはウイルス対策ソフトの開発で世界的に有名な企業、日本を含む世界200ヶ所に拠点がある。
カスペルスキー社とロシア政府とは密接な関係があるとされ、米国に「重大なリスクをもたらす可能性がある」というのが、バイデン政権の言い分である。ファーウェイ,TIKTOK排斥理由と似ている。
なぜならカスペルスキーのソフトが広範囲なコンピューターシステムにアクセスすることで、米国のユーザーから機密情報を盗んだり、マルウェアを紛れ込ませたりする可能性があるからだ。
とはいえ、すでに民間企業や個人の間に普及し、日常使われている。これまで禁止対象だった政府、連邦機関、軍、警察、情報機関はとうの昔から使用は制限さ れてきた。国家の中枢の機密は厳密に守られてきた筈であり、いまさら一般使用を禁止したところで、どれほどの効果が望めるのだろうか?
当時、ユージン・カスペルスキーCEOは「根拠のない妄想」と非難し、訴訟を起こした、ものの裁判所はこれを却下した。
制限、もしくは禁止措置は2024年9月29日に発効し、カスペルスキー社は、それから30日後に米国で禁止される。
カスペルスキーは、1997年に設立。モスクワに本社を置き、英国の持株会社によって運営されている。英国系企業というイメージを付帯させ、200を超える国と地域で事業を展開している。
世界中に4億人のユーザーを抱え、「カスペルスキー JAPAN」は東京神田に日本支社が、大阪に関西営業所があって、日本人ユーザーも多い。
したがって、このバイデン政権の措置は、「坊主憎けりゃ、袈裟まで憎い」の類いではないか。
「中国政府と繋がっているから」と言って、TIKTOK禁止に踏み切ったが、アメリカでTIKTOKユーザーはすでに1億7000万人もいる。
トランプはTIKITOK禁止に反対意見をのべ、「この禁止措置で喜ぶのは(ビジネスが増える)フェイスブックだ」と言った。言外にフェイスブックはもっと左翼的だと示唆しているのである。
▼ハッカー攻撃に脆弱きわまりない日本
2023年3月に、遅れに遅れたが自衛隊に「サイバー防衛隊」が発足した。規模は僅かに540人。中国は17万5000人のサイバー戦部隊、北朝鮮は6800人。ランサムウェアでハッカー攻撃を仕掛け、数十億円の身代金を稼ぐ専門部隊である。
最近の被害はニコニコ動画のKADOKAWA、そして宇宙航空の大本JAXA(宇宙航空研究開発機構)だ。とくにJAXAは2023年から複数回のサイバー攻撃を受けていた。
中国系ハッカーによる攻撃で、大量のファイルが閲覧された形跡があり、なかには秘密保持契約を結ぶ外部の企業や機関の情報も含まれていたという。
KADOKAWAドアンゴの場合は、桜チャンネルなど保守系の発信に支障がでており、しかも復旧が七月末になるというから大きな被害がもたらされた。
サイバー戦争に於いて、日本の専守防衛という退嬰的な発想が限界にきていることを物語っている。
これまでにも発電所、緊急医院や水道局、変電所、港湾ターミナル、空港、鉄道駅など社会のインフラを狙う恐喝ハッカーが猖獗し、民間企業でも大手銀行、菓子製造メーカーや就中、トヨタなどは全工場が操業停止に追い込まれたほど。
おそらく米国は中国系ハッカー部隊への攻撃を仕掛けてきたと推測されるが、中国は自分たちが受けたダメージについては発言をしない。
今年こそ人類の最終戦争で消滅なんてバカなこともありえるのかも。やはり、地球にとって人類は必要ないのかも。
地球も、それを望んでいるのじゃないでしょうか。