◇トゥモローランド(2015年 アメリカ 130分)
原題 Tomorrowland
監督 ブラッド・バード
◇ディズニーランドの宣伝みたいだ
監督のブラッド・バードは製作・原案・脚本に絡んでるけど、よほどこだわりがあったんだろうか?ディズニーのある種の理想郷をそのまま映像で表現しようとしたのかもしれないんだけど、ただ、地球を守ろうよっていう主張はこれまでにも散々くりかえされてきたし、それは夢見る人々の心がけ次第なんだっていう結論も口が酸っぱくなるほどくりかえされてきた。だからといって、そういう主題はもうやめた方がいいとはいわないけれど、ね。
ジョージ・クルーニーはたぶんそういう主題に対して敏感に反応する性格なんだろうけど、ちょっと、子供向けなのかどうか微妙なところのこの作品によく出演したなあって感じはなくもない。ただまあ、アンドロイド役のラフィー・キャシディは雀斑は目立つものの超可愛い。そりゃあ、少年クルーニーが夢中になるはずだよね。
この映画の好いところをいえといわれたら、やっぱり、ラフィーとの恋物語で、トゥモローランドで自分は大人になっていくのにラフィーはずっと子供のままだって事実からアンドロイドだって知ったときの少年クルーニーの悲しみは推してあまりあるし、それがもとでひきこもりのじーさんになっちゃって、世界を滅亡から救おうっていう途方もない研究に没頭するようになっちゃったっていうんだから、いやまあ、こういう純粋さは好きだ。
けどまあ、彼女が撃たれ、胸に風穴を開けられ、自爆するっていうのを了解しちゃって、なんだか鉄腕アトムの最終回みたいな感じで、彼女をひしと抱き抱え、少年の頃に発明した背負い式ロケット改でもって飛び上がり、世界を滅亡に追い込もうとしているロボットたちの謎の秘密基地とおぼしき施設の心臓部分に落としてやるのが好いのかどうか。そいつは、ちょっとよくわからない。