◇アントマン(2015年 アメリカ 117分)
原題 Ant-Man
監督 ペイトン・リード
◇日本版のポスターがいちばん好い
ちょっとびっくりしちゃうのは、監督のペイトン・リードがよくもまあこれだけCGを多用した作品の演出ができたなっていうところだ。
もしかしたら、もうハリウッドでは演出という仕事はかなり別なものになってきてるんじゃないだろか?CGなどの特殊撮影に関して、もちろん、絵コンテは充分にあるんだろうけど、そうしたさまざまな絵柄について指示を出し、それが出来上がるのを待ち、順に整理して絵を作っていくっていう、なんだか従来の演出とはちがうところに到達しちゃってるんじゃないだろか?
だとしたら、もはや、日本とハリウッドメジャーとの監督はまるで次元の異なる職業になっちゃったのかもしれないね。
それはさておき、この作品、やっぱり主人公が1・5センチになっちゃうもんだから、当然、あんまり観たくない汚れのある世界が見せられちゃうことになる。たとえば、佳境になって研究所へ忍び込んでいくところの水道管の中だけど、お世辞にも綺麗とはいいがたい。だいたい、ミクロ超人と化したポール・ラッドが飛び込んでいくのは排水溝だったりするし、なんだかね~。
ただまあ、話の筋立ては、マイケル・ダグラスの研究開発したミクロ化の薬品をめぐり、かつての助手が下剋上によって研究所を乗っ取り、それを軍事化しようという死の証人と手を組み、みずからも最強のミクロ超人スーツをまとい、やがてその施設を破壊せんとアントマンを繰り出したところ、いったんは施設を破壊するものの、泥棒して刑務所を出所したもののバスキン・ロビンスも首になり離婚させられながらも娘には慕われているといういかにもハリウッドの主人公たるポール・ラッドが妻の恋人の警官の協力も得て、娘のところへ最後に襲いかかってきた敵の親玉と機関車トーマスの世界で決着をつけるっていうくだりは、もう定番中の定番なんだけどね。