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トレジャーハンター・クミコ

2015年09月20日 00時06分54秒 | 洋画2013年

 ◇トレジャーハンター・クミコ(2013年 アメリカ 105分)

 原題 Kumiko, the Treasure Hunter

 監督 デヴィッド・ゼルナー

 

 ◇映画『ファーゴ』の舞台ファーゴへ

 資料を見ると2014年の製作ってことになってるけど、タイトルロールには2013とあるから多分2013年の作品なんじゃないかっておもうんだけど、どうなんだろう?

 それはともかく、菊地凛子が制作も兼ねてるんだね。すごいな~、菊地凛子。

 それもさておき、映画『ファーゴ』と同じく「本作は実話に基づく」っていうテロップが流れるんだけど、それはどうやら、2001年、ファーゴで自殺した日本人の女性がいたようで、彼女は異性関係のもつれで好きな映画の舞台のファーゴまで行って自殺しようとしただけで、なにも映画の中で雪原に埋めた大金をいれたトランクを見つけようとしてさまよったあげくに死んだわけではないらしい。それは遺書などからわかったことだけれども、彼女に遭遇した当地の警官が「映画の中身を信じてしまった日本女性がいた」と証言したことからそれが独り歩きして米国内に広まったらしい。

 でも、この話が日本で都市伝説と化していたって話は聞いたことがない。

 たぶん映画好きな一部の人間たちの間でいかにも真実めかして語られていたんだろう。で、ともあれ、そんな妙な話を聞きつけたアメリカ人のジャーナリストが検証したところ真実が判明したんだけど、本作を製作したゼレナー兄弟は「映画を真実だと信じて疑わない日本人女性の物語」を作ろうとしたんだね。

 ただまあ、菊地凛子、鬼気迫る演技ながらちょっと痛々しすぎるかな。こんなOLいるんか?とちょっぴりおもっちゃうのはまあいいとして、いや、実際、これに近い感情のOLさんがいるかもしれないし、でも、ここまで精神的に破綻しちゃってる人はさすがにいないだろう。そういうところからいうとリアリズムじゃないんだけど、まあ、そもそも『ファーゴ』がリアリズムじゃないし、結局「真実だといっている映画で描かれた内容を真実だと信じちゃったために死んじゃう女性の物語をあたかも真実を映画化したかのようなテロップを流している映画」ができたということでいいんじゃないかと。

 けど、ほんと、外国人が撮ると日本の舞台もなんだか日本なのに日本じゃないような不思議な空気が漂うんだからおもしろいよね。ぼくはこういう映画的な空気のある映画の方が好きだし、だから邦画によくある嘘っぽい画面は好きになれないんだけど、なんでここまで色調が違うんだろ?

 あ、そうそう。

 地図帳を物色する図書館、武蔵境駅前の武蔵野プレイスじゃんか!

 え~、おれ、いつも往ってるのになんで撮影してるところに出会わなかったんだろう?

 それと、小伝馬町駅近くの喫茶去快生館も出てたね。いつ行こうかな~。

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