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ターミネーター:新起動/ジェニシス

2015年09月29日 00時00分52秒 | 洋画2015年

 ◇ターミネーター:新起動/ジェニシス(2015年 アメリカ 125分)

 原題 Terminator Genisys

 監督 アラン・テイラー

 

 ◇別な時間軸の物語

 そうおもわなければ、これまでのターミネーターが無くなってしまう。

 ただ、どうしたところで展開は苦しい。

 1984年がターミネーターの物語の起点である以上、どうしてもそこへ戻らなければ新起動もしないんだけれども、審判の日なるものが1997年と規定されてしまっていたため、それを回避して2017年に持ってこなければならない。これについて別な時間軸での記憶(ラストでそこに持っていって幼いカイルと現在のカイルを対話させるという力技をしなければならなくなるんだけどね)をもとにして1997年という設定から本作の公開時を意識した年号にしなければならなかった。これってT3とおんなじ考え方だよね、たぶん。T3の場合も映画の公開時に時間軸をどうやって合わせるかって問題があったんだとおもうんだけど、なにもそんなことにこだわらなくてもいいのにともおもうんだけど、もうひとつ、はずせない事情がある。

 シュワルツェネッガーもやっぱり人間なわけで、どうしても年を取る。それを、さすがはジェームズ・キャメロンというべきか、親友のために勘考したのがターミネーターの皮膚も生体なので年を取るのだというこれまた凄い力技で、しかもこの皮膚はちゃんと再生するのだ。いや、すごい。これで、2017年には老年のターミネーターがなんの違和感もなく(あるが)登場することができる。

 でもこれだけみんが一所懸命に考えなくちゃいけないくらい、ターミネーターはすごい発想だったってことなんだろね。実際のところ、T1とT2のおもしろさにはなかなか到達できないし、到達されてもぼくとしては困っちゃうんだけど、まあ、これはこれで新たなシリーズの第1段として観るしかない。

 ほんと、製作者側も苦労はひとしおでこのシリーズはなんとしても完結させなければならず、シュワルツェネッガーが主演である以上、アクションをしっかりとしてもらわねばならないのはさておき、とにもかくにもシリーズの謎を提示しなくちゃいけなかった。それが、サラ・コナーが9歳のときに早くもターミネーターT800が守護者として遣わされてきたという設定になってるんだけど、いったい誰がそんなことをしたのかっていう最大の疑問がある。また、1984年に液体金属のT1000イ・ビョンホンがすでに送られていたけどそれは誰がしたのかってこともある。こういうのが次回わかっていくわけで、それはエンドロールの後、つまり「あの爆発では誰も生き残れないとかいってT3000と化したジョン・コナーが死んだ後」のことだけど、なんだかわからない赤い球体の前で新たなフォノグラムが始まりかけるところでぷっつりと切れる予告編めいたおまけがちょいと示してるんだろね、たぶん。

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