△ガメラ対宇宙怪獣バイラス(1968年 日本 72分)
英題 Gamera vs.Viras
staff 監督・特撮監督/湯浅憲明 脚本/高橋二三 撮影/喜多崎晃
美術/矢野友久 音楽:広瀬健次郎 デザイン/間野重雄
バイラス造形/八木正夫 バイラス声・ナレーション/若山弦蔵
cast 本郷功次郎 八重垣路子 渥美マリ 八代順子 北原義郎 橋本力 篠田三郎
△特撮とボク、その28
1967年に特撮の絶頂期を迎えた日本映画界は、
早くも翌年には凋落した。
もっともこれはぼくの個人的な感想だから、山ほど異論はあるだろう。
でもさ、1968年以降の怪獣映画やSF映画はほんとに観てると涙がにじむ。
予算のせいもあるだろう、映画界が斜陽に突入したせいもあるだろう。
だけど、ガメラのシリーズはアメリカにも輸出されたし、
海外で評価の高かった大映の特撮が評判を落としてしまいかねないとは、
当時の大映の誰もおもわなかったんだろうか?
バイラス星人の実際の登場は佳境に入ってからで、
それまではボス(司令官とか呼べばいいのに)の声しかわからないんだけど、
これが橋本力たちと合体して巨大化してようやく烏賊のおばけが登場する。
それまでは、ガメラの行動を探るという名目で、過去のフィルムが延々流されるんだ。
しかも、リモコン操作されて黒部ダムや東京を襲うくだりまで、ありものだ。
ちょっと悲しい。
ちなみに、大魔神こと橋本力たちは拉致されてきた日本人らしく、
これをボスは一刀(一足)のもとに首をはねる。
いくら、バイラス星人が人間の体内に巣食っていたとはいえ、
人間の首を8個いっぺんに刎ねるわけで、子供向けの映画でそれってありか?
くわえて、バイラスの頭にガメラは何度も串刺しにされるんだけど、
いくらなんでも、あれじゃ内臓はずたずたになってんじゃないのか?
とかいった疑問はいくつか浮かんでくるものの、
それでも当時小学生だったぼくたちは見続けてた。
当時、ぼくはバイラスという名前は、バイ菌つまりビールスから採られたとおもってた。
なんでか知らないけど、そう信じてた。
ところが、
手下どもと合体していくとき、倍々になっていくからバイラスだなんて、
そげなあほな、とおもわず叫んだ。
でもまあ、そのあたりはいい。がまんしよう。
だって、これは喜多崎晃さんがカメラで一本立ちした記念すべき作品だし、
八重垣路子、渥美マリ、八代順子が新人女優でデビューした記念作品だし、
がまんもご祝儀だ。
でも、本郷功次郎のボーイスカウト姿はまるきり似合わないんだよな~。
それに反して、なんとまあ、篠田三郎はよく似合ってることったらない。
おもしろいもんだね。