11日㈭、今日は建国記念の日で祝日。妻や子ども達はそれぞれクラブや野球や買い物などで出かけていったので、午前中は一人、自宅で留守番。午後は事務所に行った。
昼頃、「東京オリンピック組織委員会の森喜朗委員長が辞意」という速報が流れた。
これだけ世界的な騒ぎにもなれば、辞めるしか収拾のしようがないという判断になったのだろう。
昨日は、最大スポンサーであるトヨタの社長が「森発言」を批判するコメントを出し、それが辞任を決定的にしたように思う。
しかし、トヨタ社長も自ら会見せず、役員にコメントを読ませるというのは、どうなのだろうか?
その手法は「トヨタが大切にしてきた価値観」では「正解」なのかもしれないが、日本を代表する企業であり、オリンピックの最大のスポンサーであっても、自ら直接、森氏に忠言できないという現実が、日本に横たわる大きな問題の根源だろうと感じた。
森氏が辞めて、後任は元Jリーグチェアマンの川渕三郎氏だと報じられている。
川渕氏の能力が高いことも、経験、人格識見すべてが委員長にふさわしいこともよく分かる。しかし、コロナ禍でのオリンピックを半年後に控えた状態で、80代の川渕氏に火中の栗を拾わせることは、私も現役世代の端くれであるが、これでいいのかと情けなく感じた。日本を支えているはずの現役世代である40代、50代、60代の我々はこれを良しとしていいのだろうか。
ああいうコメントを出して引導を渡した64歳のトヨタの社長が「この苦しい役割を自分に任せてくれ」と森氏に直談判し、「トヨタも全面的に協力して、オリンピックを必ず成功させる!」「聖火ランナー、ボランティアの皆さんには、共にオリンピックを創っていく仲間として協力してほしい!」と呼びかければ、「さすが、トヨタ!」「オリンピックを何としても開催しよう!」と国民の気持ちが動くのではないだろうか。
「老害」という言葉は、厳しい動物の世界には存在しないだろう。
ライオンでもサルでも、自分を倒す若者が出てくるまでボスは君臨する。それによって強い生命力がつなげられている。
自民党青年局が「国会議員の定年制」などと提言しているが、私は賛同しない。
政治家の最後は、次の世代が台頭して倒されるか、自ら体調を崩す、問題を起こすなどして辞任せざるを得なくなるか、後継を決めて引退するかしかない。
「老害」の問題よりも、当たり障りないことを良しとし、陰に隠れて責任回避している60代以下の「若年寄」の方が、世の中を悪くしているように思う。自戒も込めて。