終点の某所に到着すると、一番後ろの席からお爺さんがやって来て「これ… 椅子の上に転がっとったよ」と言いながら、白い棒状の物を差し出した。
それは新品の洗顔フォームだったので、私は「きっと途中で駆け込み乗車した高校生だな」と思いながら「ありがとうございます。バッグからこぼれ落ちたんですかねぇ…」と言って受け取った。
その後、バスを待機場所へ移動させて「あのお爺さんが一番後ろから一番前まで歩いて来たんだから、他に忘れ物はないだろう」と思いながら、念のため通路を歩いて行くと…
なんと“車掌席”の床に“コンビニ袋に入った1リットルの紙パック牛乳と2個の菓子パン”が忘れられていたのである。私は「飲食物かぁ… 私のバスがまた行くけれど… 自分が降りたバス停まで取りに… 来ないよなぁ~」と思った。
さらに「さすがにお爺さんが座っていた一番後ろの席には何もないだろう」と思っていたら… さすがに忘れ物はなかったけれど、床に“お菓子の空き袋”が落ちていた。「あの高校生たちか!? ったく~! こりゃ、忘れ物をしてしまったのは天罰だな」と思った。
とりあえず営業所へ連絡をしておいて、約2時間後に帰ったのだが… 残念ながら、問い合わせはなかったようだ。洗顔フォームはともかく、牛乳とパンはいつまでも保管しておくわけにいかないからねぇ…
いつかの“バスに弁当を忘れてしまいました。後日、弁当箱を受け取りに行きますが、中身は食べて下さい”みたいに、「牛乳とパンを忘れたけど、食べて下さい」なんて電話があればいいけど… ないだろうなぁ… 使命を全うできないパンと牛乳に… ごめんなさい!