比較的運行時間に余裕がある路線を、5~6人ほど乗せて走っていた。あるバス停で一人のお婆さんが降りて、入れ替わるように一人のお爺さんが乗ってきた。私はお爺さんの着席を確認して、前扉を閉め… と思ったら、お爺さんが立ち上がって前扉の方へ戻ってきた。
私が「自宅に忘れ物でもしたのかな? “すいません降ります”とでも言うのかな?」と思っていたら、お爺さんは「おい、○○子!」と叫んだのである。どうやら今降りたお婆さん(奥さん?)を呼んでいるようだったが、お婆さんは気付かずバスの進行方向へ歩き続けていた。
お爺さんは続けて「○○子! …○○子!!」と、さらに大きな声で呼び続けた。そして、ようやく気付いて立ち止まったお婆さんに向かって「※☆◎△…」と一言だけ声を掛け、私に「どうもすいません」と言って座席に戻った。
が、お婆さんは何を言われたのかよく聞こえなかったようで、しばらく立ち止まったまま動かず… 私は「えっと… この中途半端な状況で… どうしよう? ま、お爺さんが着席したことだし… きっと、それほど重要なことでもないのだろう」と思ってバスを発車させた。
そういえば子供の頃… 仲間の誰かを呼んでも反応がなかった時には… 「♪3回呼んでも返事がない~ きっと何処かでウ×コしてぇ~ 紙がないから手で拭いてぇ~ もったいないから食べちゃった!」という童歌(?)があったなぁ… 誰が考えたのか知らないけれど、今も歌われているのだろうか…???