営業所で事務的な手続きをした時に、縦5cm×横10cmくらいのマグネット式の名札を渡された。車内の行き先表示器に付ける名札、制服の胸に付ける名札に加えて3枚目の名札である。(オマエにピッタリの三枚目じゃないか! ハハハ…)
先月だったか、先々月だったか… バスのお尻に「私は安全運転に努めます。○○営業所」というシール(縦10cm×横30cmくらい)が貼られたのは分かっていたが、まさか本当にそこへ名札まで貼ることになるとは… 私は冗談だと思っていた。
というのも、上の方は苦情を減らしたいはずだから、こんな“苦情電話が増えそうなこと”を本気でやるとは思っていなかったからである。バスに対してムッとした場合… 営業所名だけでなく個人名が分かると、これまでは入らなかった“電話するスイッチ”が入りやすくなりそうな気がする…
営業所で電話を受けた上司は、これまでは運転士を特定するために“何時何分に何処で、何処行きのバスだったのか?”を聞かなくてはいけなかっ… ん? まさか、そんな理由で??? いやいや、きっと「運転士よ、他車から恨まれるような運転をするな!」と言いたいのだと思うが… それだけではない。
後続車はもちろん、歩道上の通行人までもが“バス運転士一人一人の監視員”になってしまうのだ。例えば… 「街路樹などの陰で見えず、運転士が乗客を置いて行った」と思われる場面で、置いて行かれた本人から電話があるのは普通として… 今は“それを車内から見ていた乗客”から電話がある時代で… 今後は“それを見ていた単なる通行人”からも電話があるかもしれない。
バスと運転士の組み合わせは固定ではないので、仮に「あ、この前のバスだ!」と分かったとしても、運転士が同じとは限らない。しかし、来月からは「あ、この前の松井だ!」と運転士が確定するのである。あぁ、ますます息苦しくなる仕事… 上の方は運転士を“かわいがる”のが趣味のドSに違いない。