昼食タイム後、某駅へ向かって発車して、一つ目のバス停を通過… 片側2車線の道路の左車線には縦列“違法”駐車車両が並んでいたので、私のバスは右車線を走っていた。すると、縦列駐車の中から1台のタクシーが出てきたのである。しかし、強めのブレーキを踏まなければならないようなタイミングではなかったので、私は「そのままサァ~ッと行ってくれればいいや」と思っていたのだが…
そのタクシーのトランクには車椅子が載っていて、トランクは開けっ放しの状態だった。そのせいかどうか分からないが、タクシーはノロノロ運転で… その先の交差点の向こうのバス停まで行って、乗車扱いが出来るはずだったのに… 信号は赤に変わってしまった。それなのに! タクシーは行ってしまった… まだ乗客ゼロの車内には「んにゃろぉ~!」という松井の叫び声が響き渡った…
信号が青になり、私は次のバス停で数名のお年寄りを乗せて… またすぐ次の信号が赤に変わってしまった。「あのタクシーがいなければ、この信号には止められなかったのになぁ~」と思いながら、緩やかな上り坂の頂上にある停止線でバスを止め… と、その時! その交差点を左折してすぐの場所に、そのタクシーが止まっていたのである。
ちょうど乗客が降りるところだったようで… 車椅子の使用者と思われるお婆さんが左後ろのドアから降りるのに、これまた力の無さそうなお爺さんが手を貸していたのだが… すぐに私は違和感を覚えた。お爺さんの服装が… 制服!? そう、タクシーの運転手だったのである。それがまた、とても危なっかしい感じで… 私は見ていてツラくなり、先程の暴言を撤回… 申し訳ございませんでした。
しかし、その後… バスが“遅れスパイラル”に嵌ってしまい… 途中のバス停で乗ったお爺さんに「なんでこんなに遅れとるんだ!」と言わんばかりに睨まれたり… バス停を発車する直前、お婆さんに「さっさと行け!」と言わんばかりに降車ブザーを鳴らされたりして… 私は“バス運転マシン”と化してしまいましたとさ。あぁ…