運転士が道を間違えるのは… 新たな営業所(路線)で慣れていない時に“バス路線ではない道”を行ってしまったり、慣れてきたけれど“交差点などの分岐点で他の路線の道”を行ってしまったり… 私も、その分岐点以外のことを考えていたりすると、直前で「うっ… 左折でいいよな!?」とドキッとすることがある。
が、それは運転士だけではなく乗客にも言えることで、まったく分からない人は運転士や他の乗客に聞いているようだからいいけれど… 通勤通学などで乗り慣れているはずの人もウッカリ“違うバス”に乗ってしまうことがあるようだ。つい他の乗客につられて… とか、何やら妄想をしていて… とか?(オマエと一緒にするな!)
先日も、あと一つで終点の某住宅地となった夜10時半頃、その手前の某駅で乗客全員が降りてしまった… が、バス停に一人の耳栓ビジネスマンが立っていたので、念のため前扉を開けて「某住宅地行きです」と大きな声で言ったところ、運賃箱に200円を入れるや否やサ~ッと車内後方の席に座った。
委託営業所のバスに乗るようになってから“一区だけ乗車”をそれほど不思議に思わなくなってきた私は「まぁ、世の中にはいろんな人がいるからなぁ~」と思って、そのまま終点へ… そして到着するや否や、彼はサササッとバスを降りて一目散に駆け出して行った…(あれまぁ… ひょっとして…???)
また、某駅を発車する某系統のバスでは、必ずと言っていいほど「▲▲へ行きますか?」と聞かれる。そのたびに私は「いいえ、系統番号は同じなんですが、このバスは◎◎経由なので行かないんですよぉ… すいません…」と答えている。ホント、この系統の▲▲経由と◎◎経由は、系統番号を変えてもらわないと…
前扉の外(バス停)に立っている人と、そんな会話をしていたら… すでに乗っていたビジネスマンが席を立って通路を歩いてきて「このバス、▲▲へ行かないんですか?」と言ったのである。私が「えぇ… ◎◎経由なので…」と答えると、彼は「降りたいんですけど…」と言ったまま降りて行かなかった。
私は“忘れ物を取りに来た人に対して、その物の特徴をこちらから言わずに、その人に言ってもらうようにしている(本人確認になる)”ので、つい同じ感覚で“その男性に乗車時の精算方法(定期、現金、などなど…)が何だったのかを言ってもらうようにした(現金などの場合、正しいバスに乗る時に使う金券を渡さなければならない)”のだが… それが気に入らなかったのかどうか分からないけれど、彼は少しムッとして降りて行った…
その後、いつものように発車前の車内案内を始めたのだが、その男性の態度が気になってしまった私は… 始発停の発車前なのに「お忘れ物ございませんよう…」と口から出てしまったのである。「はぁ~? 私は何を言っとるんだ???」と思ったところへ一人のおばさんが駆け込んできたので、私はそのおばさんに「ありがとうございます」と言って… その時、ちょうど発車時刻になり、意味不明の車内案内は終了… 何事もなかったかのように発車した。あぁ、恥ずかしい…