昨夜、あるバス停を2分ほど遅れて通過して、50~60m先の赤信号で止まったところ… すぐ横の歩道にいた女性がバスをジィ~ッと見てから走り出したのである。多分、「あ、私のバスが遅れて来たのね! 絶対に乗ってやるわ!」と思ったに違いない。
しかし、次のバス停まで約300mあるので、すぐにバスが彼女を追い抜いてしまう… そして、普通にバス停で乗降客扱いするだけでは、時間的に彼女は間に合わない… が! そのバス停は大きな交差点の手前にあり、そこの信号が赤になることを彼女は知っているのかもしれないと思った。
予定通り、次のバス停の目の前の信号は赤になり、私は前扉を開けたまま待っていた。すると彼女が勢いよく駆け込んできて「ありがとうございます」と言ってくれた。若い女性にあれだけの猛ダッシュを見せられたら、心の動かない男性運転士はいないだろう。オネェ系の人は別として…(そんな運転士いるのか!?)
終点で少し休憩した後、同じ路線を逆向きに出発した。その途中にある某駅では、ロータリーの中で乗降客扱いをしなければならない。信号のある交差点を右折してロータリーへ入り、降車専用停で降車扱いし、それからバス停へ移動して乗車扱いをして、入ってきた交差点から出て行くのだが…
右折して入る時には対向車が途切れないので、信号が赤になってから右折することになる。つまり、それと同時にロータリーから出てくる信号が青になるということで… その僅かな時間に降車から乗車まで完了させるのは難しい。というか、まず無理である。
しかし、今回は夜遅いこともあって対向車が少なく、信号が青の内に右折できてしまった。私は「今のところ約2分遅れ… 上手く行けば次の青信号でロータリーを出て、遅れを取り戻せるかも! 逆に、間に合わなければ、さらに遅れることになるなぁ…」と思った。
まずはスムーズに降車完了、次に乗車扱いのためにバス停へ… そこで乗客が多ければ間に合わなくなるのだが、幸いにも乗客は5~6名だけ… 私は心の中で「よし、行ける!」と呟きながら「ありがとうございます」を繰り返した。そして「乗車完了、レッツゴー!」と思ったら、左ミラーに3人の女性が走っ… 否、歩いてくる姿が映っていた。
私は「バスは遅れているんだよ! この青信号でロータリーから出たいんだよ! なぜ走ってこないんだよ!」と思いながら3人を待った。そして、3人の“通勤鉄仮面娘”は一人ずつICカードをタッチして乗ってきたのだが… その時、未熟者の私は無言になってしまった。
で、すぐに扉を閉めてゆっくりと発車… と、バスの頭がロータリーから出掛かったところで信号が黄色に変化… 私は「ゲゲッ… しかし、ここで止まったら他のバスが入って来られなくなるし… えぇ~い、行ってしまえ!」と思って、バスを緩やかに加速させた… その時、信号は赤に変化… 右折完了時には、それまで赤だった信号が青になっていた。その後は少しずつ気持ちを落ち着かせながら走った私であった…