私が入社した10年ちょっと前… 配属された営業所は木造2階建の2階部分で、仮眠室2つと休憩室(ともに8畳くらい?)と点呼場(6畳くらい?)しかなかった(と思う)。今でこそ乗務前のアルコールチェックなどは当たり前になっているけれど、当時はアルコールチェックどころか… 夜になると、点呼場の隣りの休憩室でベテラン運転士さんたちが晩酌をしているくらいだった。
また、ある日… 前半の乗務を終えて数時間の昼寝休憩に入った時、先輩運転士の▲▲さんが「別の班(私たちと休日が異なる運転士さんたち)が、××公園でバーベキューやってるらしいから、ちょっと顔を出してくる」と言って出掛けて行ったのだが… 1時間か2時間か忘れたけれど、お酒の匂いをプンプンさせて帰ってきたのである。
その運転士さんは、そのまま奥の仮眠室へ入ってベッドの中へ… 私も、もう一つの仮眠室へ入ってベッドの中へ入った。それぞれの仮眠室には2段ベッドが3つくらい置いてあり、同時に5~6人が寝られるようになっていたのだが、奥の仮眠室のベッドは“使う人が決まっている”という暗黙のルールがあったから…(と記憶している)
約3~4時間後… 私が目覚めて準備して、休憩室でくつろいでいると電話が鳴った。受話器を取ると、その営業所の“主戦場”である某駅の事務所にいる上司が「▲▲くん、おるか? 寝てたら起こしてくれ」と言ったので、私は受話器を置くと奥の仮眠室へ向かった。そして、▲▲さんを起こそうとベッドに近付いたのだが… とんでもなく酒臭かったのである。
それでも▲▲さんは気にする様子もなく、寝ぼけ眼で着替え&準備を済ませると、バスに乗って某駅へ向かったのだった… その後、そのことで苦情が入ったとか、警察に通報されたとか… そんなことは一切なかったのである。また、冒頭のベテラン運転士さんの中には、手が震えている人もいたような…??? ま、今となっては“むかし、むかし…”の懐かしい話である。