現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

人を責めず

2010-05-22 16:49:07 | 心の問題
朝起会に毎朝通ってみえるTさん。片手片足が動かない
不自由な体で、きちんとネクタイを締め、スーツを着て、
片道2時間かけて歩いてくる。

今朝、車で家まで送りながら、車中で事情を聞いた。
17年前に交通事故に遭い、重症を負った。相手は飲酒
運転で信号無視。「重過失」で保険金は出ない。補償の
支払い能力も無いから自殺してしまったという。

なんてことだ。完全に泣き寝入り。Tさんは、手術の際の
輸血で体も不調となり、以後、仕事にも就けず、結婚も
できず、人生を棒に振ってしまったのだ。

私からみれば、これほど不幸な人はいないと思う。しかし
Tさんは明るい。加害者を責めるわけでもなく、自分の
人生を嘆くわけでもなく、淡々と毎朝「朝起会」に集って
くる。
「誰かに車で送り迎えしてもらえばいいのに」と思うが、
人の助けを借りずに、立派に自立しようとしているのだ。

そういう心になれたのも「朝起会」のおかげだと言う。
そして「朝起会」のすばらしさを、リハビリ仲間にも説いて
いるそうな。

交通事故で、いつ自分も被害者にも加害者にもなるか
しれない。そのことを肝に銘じるとともに、起こってしまっ
たら、Tさんのように、すべてを受け入れる心になれるか、
平静の修行の場が「朝起き会」と、学ばせていただいた。

ボランティアも修行の場

2010-05-22 15:34:45 | 虚無僧日記
5/5 のブログで、「デイサービスKで ボランティア演奏。
演奏するすぐ横で麻雀をしていたり、私の後ろでは 職員が
作業をしていたり、雑談していたり、集中して聞いて
もらえないので、一番やりにくい所だ。修練の場だ」と
書いたら、「そよ風届け隊」の秋野さんから電話があり、
「ショックをうけた」と言われてしまいました。

仕事を紹介していただいた方に、そのように思わせては、
誠に申し訳ないことでした。

あちこちで尺八の演奏をさせていただいていますが、
すべてがすべて、好意的に聴いていただける方ばかり
ではありません。「なんで尺八なんか聞かなきゃいかん
のだ」と職員に喰ってかかる方もいらっしゃいます。

これからは、そういう高齢者も増えてくることでしょう。

私にとっては、「聴きたくない」という人に、心をこちらに
向けていただくには、自分はどうあるべきなのか」 試さ
れる試練の場であり、真剣勝負の場なのです。させていただく
ことに感謝です。