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現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

平等、公平って?

2010-09-13 20:39:35 | 虚無僧日記
病気をピタリと言い当てる名医と、新米医師が誤診を
下したとしても診療報酬は同額だそうだ。
1時間で手際よく手術を済ます名医より、モタモタ
やって挙句の果て、鋏などを腹の中に置き忘れて
再手術となった方が、病院は儲かるそうだ。
なんてこった。

尺八をロクに吹けない人が、詩吟の伴奏をやっている。
詩の内容に関わり無く、ワンパターンのの伴奏だ。
それでも詩吟の先生方は満足しているのが不思議で
ならない。とにかく、音が違っていようが鳴っていれば
いいのだ。ひどいのは「尺八の伴奏は、聞いてはいけ
ません」と、生徒に指導していることだ。

私は、詩吟の伴奏 40年。詩の内容に応じて前奏を変え、
雰囲気を作る。そして吟者が吟じやすいようにリードし、
時には邪魔しないように控え、吟を盛りたてる。

なのに、ど素人の尺八家とギャラは同じ。いや、結果的
には、私の方が多く吹かされるから、一曲当たりのギャラは
素人の方が高い計算になる。

世の中、不合理、不条理だらけ。それでも「腹を立てず、
不足の思いをいたしません」。それが修行か。


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名古屋能楽堂の鏡松

2010-09-13 09:11:33 | 虚無僧日記
名古屋能楽堂は、平成九年に、名古屋城正門前に完成した
名古屋市の施設。公の能舞台としては 660席で最大のもの。

その鏡板の松の絵だが、当初、愛知県が誇る画家「杉本健吉」
に依頼したところ、杉本画伯はなんと「老松」ではなく「若い
芽を葺いたばかりの若松の絵」を描いた。

これに、能関係者は異議を唱え、松野秀世に「老松」を描か
せた。市としては双方を立てて、1年ごとに「老松」と「若松」
を張り替えることで決着した。

決着をみるまでの関係者の苦労は大変だったことだろう。
80歳を超える杉本健吉の言い分は「伝統に決まったものは
ない」と。その言葉には、私は、大いに賛成だが、いざ能を
観賞するとなると、能にはやはり「老松」が似合う。「若松」
では物足りないと思う私は、やはり伝統に縛られているの
だろうか。

さて、その能楽堂だが、市の財政赤字解消のためか、最近
何にでも貸すようになった。結婚式、ファッションショー、
講演会、詩吟、剣舞、琴や尺八のおさらい会、現代舞踊など。

中には、「何も能楽堂でやらなくとも」と思えるものもある。
わざわざ鏡板の前に屏風や布を張って、松の絵を見せない
ようにしているものもあるのだ。それなら、普通の劇場ホール
でやればいい。

やはり能舞台には能舞台を活かした演出がふさわしいと思う。
その価値観の差がまちまち。その巾の中で悩むのだ。


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二極対立の狭間で

2010-09-13 08:31:21 | 虚無僧日記
「一休とんち話」といえば『この“はし”渡るべからず』。
「“端”を渡っていけないなら真ん中を渡ればいい」
「橋を端にひっかけた笑い話」と思いきや、もっと深い
意味があった。

一休の父は北朝の後小松天皇、母は楠木の血筋を引く者。
一休は北朝と南朝、双方から天皇に担ぎ上げられる立場
だった。そこで一休は、そのどちらにも与しない生き方。
地位も肩書きも求めない一托鉢僧として生き、600年を
経た今日、世界にまでその名を知られる人気者となった。

一休が好む普化の偈(げ)「明頭来明頭打・暗頭来暗頭打」
には「明にも暗にも偏しない心」の意味がある。それこそ
虚無僧の生き方なのだ。

ところで、相対立する価値観の狭間に立たされることは
人生のさまざまな場面で直面する。
国と国の戦争、宗教対立、政党・派閥間の争い、嫁姑の
板ばさみ。その時、どちらにも偏しない中立を保てるのか。
言うは易く行うは難しだ。

このところ無事平穏の生活が続いてきたが。10月11日の
能楽堂公演に向けて、メンバーの間で価値観の違いが
顕わになってきた。
能楽堂にふさわしく、芸術的格調高い演奏にしたいと
真剣に取り組む一方、「自分たちが楽しくやれればいい」
と、村祭りの芸能大会レベルで満足する人もいる。

相対する価値観の狭間でどう調整を図っていくのか、
難しい舵取りを迫られている。


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