「プルデンシャルタワービル」だった。
千代田生命が破綻するきっかけとなったいわくつきのビルで、
千代田生命倒産後、プルデンシャルに買収され完成したものだ。
こにはかつて、1960年(昭和35年)に開業した「ホテル・ニュー
ジャパン」が存在していた。
1982年(昭和57年)に火災が発生し、死者33人を出したビルだ。、
長らくそのまま放置されていたビルなので、まだ記憶している
人もいることだろう。
「横井英樹」がオーナーだったホテルで、火災後、再建費用
として、千代田生命が横井英樹に1,500億円を融資した。
ところが横井はその金を「日産生命」の仕手戦に使って
しまったのだ。その後、横井は「重過失の罪」で逮捕され、
最高裁で「禁固3年」の刑に処せられたため、貸付金の
回収は不能となったのだ。
時あたかもバブルの崩壊で、「不良資産」が問題視され、
面白おかしくマスコミに取り上げられた。
世間知らずの「おぼっちゃん」会社が、よくも、あの
名うての悪玉「横井」に金を貸したものよ。「さて回収は
いかに」と連日週刊誌などに書きたてられた。
千代田としては、この物件を取得し、火災から14年後の
1996年になって建物を解体、跡地に高層ビルの建設を
進めた。赤坂の一等地である。ビルが建ち、テナントが
入れば、1,500億の回収は可能だった。
ところが、その建設中の2000年10月に、千代田生命自体が
経営破綻してしまい、プルデンシャル生命に売られた。
それで、プルデンシャルタワーとして、2002年12月16日に
完成したのだった。