現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

「美しい死」

2012-04-28 18:46:31 | 虚無僧日記
中日新聞夕刊に瀬戸内寂聴が連載している「この道」
サブタイトルは『美しい死』。

辻潤の妻だった「伊藤野枝」は、辻を捨てて大杉栄の
もとに走り、関東大震災の騒動の中、大杉とともに
憲兵に連れ去られ、甘粕大尉の手によった殺された。
遺体は井戸に投げ込まれその上に石や瓦、ゴミまでが
放り込まれ 埋められた。

後に甘粕は裁判にかけられて、懲役刑に処せられている。
その時、掘り起こして、遺体を見分した「検死報告書」が
ある。「素っ裸にされ、肋骨も手足も折れ、相当の
暴行を受けて殺された」という。「どうせ畳の上では
死ねない身」と日頃 口にしていた野枝のことだから、
むしろ「勝ち誇った顔で 死んでいったのでは」と
寂聴は推理する。

これには、私は異論がある。甘粕大尉の証言では
「背後から柔道の締め技で、首をしめた。楽に
死んでいった」という。俗物が思い描くような
凄惨なシーンではなく、案外、そんなものだった
ように私には見える。遺体の烈しい損傷は、井戸に
投げ込まれ、その上から石や瓦を落とされたからだ。
写真で見る井戸は 間口が数mもあるような大きな
井戸で、その上に小山のようにうず高く土砂が
積まれてあった。


て、野枝に捨てられた「辻潤」は「晩年は物乞いの
ような風体で尺八1本を持ち放浪し、最後はアパート
の一室で餓死した。惨めを極めた辻潤の死も、彼の
ダダイストとしての立場から見れば、思想に殉じた
死といえるのではないだろうか。私が書いてきた人々は
すべて 人並みでない烈しい生を燃え尽くし、 美しい
死をとげたと、私は感動させられる」と、寂聴は結んで
いる。

いいね、私は「辻潤」に自分を仮託してしまうのだ。


「尺八と一休語りの虚無僧一路」のホームページも見てください。

またまた「突っ込み事故」

2012-04-28 18:38:33 | 虚無僧日記
「目を開けて」叫ぶ母、土下座する男…館山事故(読売新聞) - goo ニュース


京都亀山、千葉県館山市に続いて、岡崎市で また
登校中の小学生の児童の列に 車が突っ込んだ。
「二度あることは三度ある」か。太陽の活動が
異常になると、おかしな事件が増えるそうな。

今回の3件は、明らかに車側の過失だが、例年
児童の交通事故は、小学1年生の飛び出しが一番
多いそうだ。

朝の「集団登校」を見ていると、低学年は、ふざけ
あったり、走り廻ったり、ちょこまか列から飛び
出したり、傘をふり廻したり、おしゃべりに夢中で
列から遅れたり、横断歩道でもノロノロ渡ったり、
ホントに危険だ。集団の中に居るという“安心感”が
かえって“緊張感”を無くし、災いしているのでは
とも思えてくる。

一人で、周囲に気を配り、注意を怠らない訓練も
必要なのでは。

ま、小学生の事故はセンセーショナリーにとりあげ
られるが、事故全体ではごくわずか。高齢者は、
子供の10倍、毎年2,000人以上も亡くなっている。

それより、高齢者の風呂場での事故死は14,000件も
あるそうな。




「個人情報」保護はどこまで

2012-04-28 18:17:27 | 社会問題
亀岡市で集団登校中の小学生の列に軽乗用車が
突っ込み、10人が死傷した事故。

少年の父親が「被害者におわびしたい」と、亀岡署と
小学校から被害者の電話番号を聞きだしたとして、
問題になっている。教えた警察と学校は、例によって
マスコミの餌食だが、私は腑に落ちない。

連絡先を入手できないとしたら、「被害者に謝りたい」と
いう気持も伝えられず、補償もできないではないか。

逆に被害者が、「加害者」の連絡先を知りたくても、
警察では「教えられない」というなら、どうやって、
補償を求めるのだ。

市長は弔問に訪れたそうだが、市長は誰から住所を
知ったのだ。同じことではないか。「個人情報保護」を
縦に、被害者、加害者双方の連絡先が教えてもらえな
ければ、それを口実に 謝罪も補償も“無しで可”と
なってしまうではないか。


私の知人が停止中の車に当て逃げされ、犯人を
目撃していて警察に訴えた。目撃情報から、警察は
「犯人に心当たりはあるが、氏名・住所は教えられ
ない」と言う。結局泣き寝入りになった。

そういえば、私の「尺八」を盗んだK、捕まって、
尺八を所持していたらしいが、その後警察からは
何の連絡も無し。尺八も帰ってこない。犯人の
個人情報だけが 固く守られている、どうなって
るんだか。


「尺八と一休語りの虚無僧一路」のホームページも見てください。