現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

オーケストラに勝る尺八

2012-10-06 19:45:57 | 私の尺八遍歴
クラシック・オーケストラは、今は「未就学児童の入場お断り」、
「携帯はお切りください」が常識となっていますが、その昔は
ひどいものでした。佳境にはいったところで、携帯が鳴ったり
して、興ざめしたものでした。

あるコンサートで、演奏の途中で 幼児が泣き出したことが
ありました。指揮者は 演奏を中断し、泣いた子の退場を命じ、
また最初から演奏を始めたのです。しかし、もうシラケた
場は取り返せませんでした。

これに対して、1本の「長管尺八」が奏でる古典本曲は、
すべての音を包含する度量の大きさをもっています。

外を通る車の音、空調の音、鳥のさえずり、犬の遠吠えも、
ドアを開け閉めする音も、みな吸収し、ひとつの曲を
カタチ作るのです。

つまり、大合奏、大音量のオーケストラが 赤ん坊一人の
泣き声で打ち負かされ、一管の尺八は、自然界のあらゆる
音も取り込む包含力を持っているということです。

このことに気付いたのが、前衛音楽家のジョン・ケージ
でした。しかし、彼の音楽は、私には不快な騒音でしかなく、
まさに「音が苦」としか思えないのです。

ま、虫の鳴き声にも風流を感じるのは日本人だけとか。
外国人には、虫の声は 騒音にしか聞こえないとのこと。
感性の違いですか。




ジョン・ケージ

2012-10-06 08:43:03 | 私の尺八遍歴
朝日新聞 9/24 に「ジョン・ケージ」が大きく掲載されて
いました。「現代音楽の巨匠・革命児」と云っても、知らない人も
増えたでしょうか。今年「生誕100年」だそうです。

代表作『4分33秒』は、オーケストラのメンバー全員、一切
何もしない。音を出さない。4分33秒の間も「無音」の状態を
保つというもの。これなら、私でも作曲できそうです。
「音楽」を聴きにきた人は「金 かえせぇ~」でしょう。
狐につままれたような戸惑いと不安にかられたことでしょう。

この「無音」の状態に耐え切れず、咳ばらいをして沈黙を
破る人、ついにヒソヒソつぶやく人。人の呼吸や空調の音、
椅子のきしみなどの、普段 意識しない「音」に、聴衆は耳を
そばだてるようになると、解説者は言います。

また、ピアノの絃の間に異物を挟んだり、ピアノを叩き壊したり。
まさに、音楽の「革命」「前衛」でした。

その発想は、日本の「禅」だそうです。「すべての偶然を
あるがままに受け入れる。自分では音を選ばず、自然界に
うかがいを立てる」。コインを投げて音符を決め、星座に
音符を重ねる。

連続的に音がつながる。音を重ねて巾を膨らます、そんな
西洋音楽が行き詰まった果てに、日本の音楽、とりわけ、
尺八や琵琶の単一の音の迫力、“間”のもつ力が、大きな
影響を与えたのでした。

ということですが、はっきり云って、私はジョン・ケージが
嫌いです。ピアノを斧で破壊することが、禅の心とは
思えません。禅を観念的に上辺だけ理解して、奇をてらった
としか思えないのです。その証拠に、1960~70年代に
熱病のように流行った「現代音楽・前衛音楽」は、潮が
引くように消滅したではないですか。禅の心はもっと
普遍的、永久的なものであるはずです。ま、ジヨン・ケージ
がいて、「武満徹」が出て、尺八が残った。その点は
感謝です。

ひとりカラオケ

2012-10-06 08:24:05 | 社会問題
「おひとり様の老後」じゃないが、若い人にも
“ひとり孤独”を楽しむのが流行りだしたようです。

「Q.あなたは「おひとりさま」しますか? 」の問いに
 ・はい  33.8%
 ・いいえ 66.2%

3人に1人が「おひとりさま」をするようです。
その内容は

1位 ひとりランチ  82.8%
2位 ひとりカラオケ 31.1%
3位 ひとりディナー 23.1%
4位 ひとり居酒屋  10.9%
5位 ひとり焼肉   10.4%
そのほか      10.9%

なるほど、ホテルや高級レストランで、1人で食事を
している女性をよくみかけるようになりました。

「ひとりカラオケ」は、つい最近まで「ひとりで行くのには
抵抗がある」という意見が圧倒的でしたが、今や「おひとり様
専用カラオケ」の店もできたようです。

もう一つの話題は、「カラオケで生演奏」というもの。
カラオケ店にギターなどの楽器を持ち込み、カラオケに
あわせて練習をするというもの。

ジャ~ン!私は以前からやってます。そう尺八を持ち込んで
演歌の伴奏練習。キィをチェックするためもあります。

カラオケボックスの中にはカメラがあって、監視されている
という気恥ずかしさもありましたが、いつもの行きつけの
店ですので、もう馴れたものです。

カラオケを使わず、尺八の稽古にも使わせてもらいました。
個人レッスンや 10人ほどの練習にも使っています。

夏目雅子

2012-10-06 04:03:23 | テレビ・映画・芸能人
「夏目雅子」には特別な思いいれがある。
私の妻と同じ「東京女学館」。冬でも白のセーラー服が
ひときわ目立つお嬢様学校だ。寅年、B型、趣味は箏
というのも妻と同じ。

17歳の時に ソフィア・ローレンの『ひまわり』を見て
本格的に女優を目指すようになった。私も好きな映画だ。

東京女学館の小中高校から短大に進む。その入学直後に、
タオルメーカー内野(現UCHINO)のコマーシャルに出演。
水着姿で両足を開いて立ったポスターが人目をひいた。
しかし、その大胆なポーズが「女性の品位を汚す」として
退学になった。そんな時代でした。

高校時代のあだ名は「ダテピン」。開けっぴろげな性格
だったという。

日本テレビ・愛のサスペンス劇場『愛が見えますか』の
オーディションで、486人の応募者の中から盲目のヒロイン役に
選ばれ、女優デビューした。この時の演技は57回連続NGを出され、
「お嬢さん芸」と言われたほど拙いものだった。

その素人っぽいお嬢様が また 初々しい魅力でした。

『鬼龍院花子の生涯』の撮影に入る時、夏目雅子はすでに
病気だった。共演の仲代達矢が語っている。「『私、病気持ちで、
ここに大きな傷跡があるんです。仲代さんとはラブシーンが
あるから先にみせておきます』って、パッと着物をはだけさせて、
胸元の手術跡をみせてくれたんです。そのとき、これは凄い人だと
思いました」と。(春日太一「仲代達矢が語る『昭和映画史』)

私も、そんな夏目雅子に惚れた一人でした。