現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

恩は報いをもとめず

2022-04-28 21:14:03 | 心の問題

宮崎東明の『偶感其の一』、私の一番好きな詩だ。

 恩は報いをもとむること無くして自ら喜びと為し
 徳は名を求めずして 常に陰に在り
 日日忘るる勿れ 謙譲の事
 妄心去るべし 亦争心

恩は見返りを期待するものではなく、徳は売名の
ためにするのではない。謙譲の美徳を忘れず、
不誠実や人と争そう心を捨て去るべし。
「謙譲の美徳」も死語となった感がある。

『偶感其の二』は

 事起これば 其の源は人に在りと為す
 知るべし 総て是れ吾が身より出ずと
 すべからく能く反省して 真実を悟らば
 世界の喧争 忽ち因を去るべし

他人と争い事が起きると、相手を責めがちであるが、
すべてわが身から出たものと反省し、真実を悟れば、
世界の紛争もたちまち原因を取り去って解決するで
あろう。

宮崎東明は、明治22年河内に生まれ、明治、大正、
昭和と生き、医業の傍ら漢詩をよくし、昭和44年
82歳で亡くなった。明治人の気骨と気概を持ち、
清貧、無塵無俗の心に生きた人であった。範としたい。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。