宮崎東明の『偶感其の一』、私の一番好きな詩だ。
恩は報いをもとむること無くして自ら喜びと為し
徳は名を求めずして 常に陰に在り
日日忘るる勿れ 謙譲の事
妄心去るべし 亦争心
恩は見返りを期待するものではなく、徳は売名の
ためにするのではない。謙譲の美徳を忘れず、
不誠実や人と争そう心を捨て去るべし。
「謙譲の美徳」も死語となった感がある。
『偶感其の二』は
事起これば 其の源は人に在りと為す
知るべし 総て是れ吾が身より出ずと
すべからく能く反省して 真実を悟らば
世界の喧争 忽ち因を去るべし
他人と争い事が起きると、相手を責めがちであるが、
すべてわが身から出たものと反省し、真実を悟れば、
世界の紛争もたちまち原因を取り去って解決するで
あろう。
宮崎東明は、明治22年河内に生まれ、明治、大正、
昭和と生き、医業の傍ら漢詩をよくし、昭和44年
82歳で亡くなった。明治人の気骨と気概を持ち、
清貧、無塵無俗の心に生きた人であった。範としたい。
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