現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

「小川ローザ 猛烈!」と「小川知子」

2012-04-21 08:19:03 | 虚無僧日記
昭和44年(1969)の丸善石油のCM。『オー猛烈ダッシュ!』がて今朝の「朝起会」で話題に上った。50年、半世紀を過ぎて、
まだ人々の記憶に残っているとはすごいことだ。ひとつには
このCMが「高度成長期」を駆け抜けた「猛烈社員」を象徴
してきたからでもある。

昭和44年、私は大学3年。70年安保で大学紛争がエスカレートし、
キャンパスは汚れたポロシャツにジーパンの左翼が横行し、
ようやく、流行し出した「ミニスカート」は「軟弱、廃頽」と
非難された時代だった。そこで、小川ローザの「パンチラ」は
強烈“パンチ”を見舞ってくれた。

翌年の昭和45年(1970)は、大阪万博、よど号ハイジャック事件、
アポロ13号打上げ、三島由紀夫割腹自殺と、ひとつひとつの
事件が記憶に残る。

ところが、私の記憶の中で錯綜していた ことが、今日ネットで
見てわかった。「小川ローザ」の夫「川口稔」と、「小川知子」の
恋人「福沢幸雄」を混同していたことに気づいた。

「川口稔」も「福沢幸雄」も ともにレーシングドライバーで、
テスト走行中に事故死している。

「福澤幸雄」は、1943年生まれだから私より5歳上。福澤諭吉の
曾孫で、慶應中等部、高校を経て慶応大学法学部へ進学。レーサーと
なった。そして、1969年 25歳で事故死した。その死は私にも
少なからずショックを与えた。自分もあのように「若くして
燃え尽きたい」と思ったものである。

「小川ローザ」と結婚したのは「川口稔」だった。彼もまた
新婚早々で、翌 1970年、27歳で亡くなったのだった。


「小川ローザ」の歌は『風が落とした涙』。
「小川知子」の歌は『初恋の人』

ともに、私の青春とともに吹き抜けた。


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鉄道自殺、本日2件

2012-04-20 20:09:42 | 虚無僧日記
今日(4/20)もまた、JR中央線と近鉄が止まった。
駅の掲示は「○○駅で人身事故により」だ。
何万人が足止めされ、不満や怒りが爆発するかと
思いきや、みな「またか」と淡々としているのも
不気味。現代人は、“人の死”に怒りも憐れみも
感じなくなっている。

「鉄道自殺」は、年平均すると 毎日2件。首都圏
では毎日1件というから とんでもない話だ。

ただ、ニュースで報じられるので多いように思えるが、
年間自殺者3万人の中では、「鉄道自殺」はまだ
少ない方という。

しかし「これにより、鉄道が○○本運休し、○万人が
足止めされた」と報じられるように、「他人に迷惑を
かけるという率」は、ほかの自殺手段とは 比較に
ならないほど高い。それが判っていて“やる”のは、
「家族や社会への面当て」か、「一瞬にして楽に
死ねる」という安易な選択か。

他人を巻き添いにする。なんとも わがままで 自分
勝手な“甘えの構造”を助長してきた社会の罪か。

ホームから 30cm 前に出るだけで、カンタンに
死ねる。あの黄色い線が生死を分ける。あの世への
扉が開いて見えるとは恐ろしい。「死」への
誘惑は絶えず日常の中にある。




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木下恵介 生誕100年

2012-04-20 12:56:51 | テレビ・映画・芸能人
「木下恵介」と「黒澤明」は、ともに昭和18年監督デビューで
同期であり、永遠のライバルだった。国内では「木下恵介」の
方が高い評価を得ていたのだが・・、国際映画祭で賞をとった
「黒澤明」の方が 有名になってしまった。

1951年、黒澤明が『羅生門』で「ヴェネツィア国際映画祭」
グランプリを受賞したのを皮切りに、溝口健二が 1952年
『西鶴一代女』、1953年『雨月物語』、1954年『山椒大夫』と、
3年連続で受賞していた。1954年は、黒澤明の『七人の侍』が
「ヴェネツィア国際映画祭」で「銀獅子賞」を受賞。
「カンヌ国際映画祭」では衣笠貞之助の『地獄門』が
グランプリを受賞している。

日本では高い評価を得、「巨匠」と言われる木下恵介だが、
『二十四の瞳』も『喜びも悲しみも幾歳月』も、冗長で
1本調子。私は好きになれなかった。

昭和34年(1959)の作品『惜春鳥』は、会津が舞台と
いうことで、会津人は歓喜して喜んだ。ところが、
会津若松で生まれ育った男女の若者たちが、すぐ抱き
合ったり 泣いたり、女々しい。当時の会津では、男女が
並んで歩くことも、公然と町中で口をきくことはなかった。
まったく会津の風土を無視した作品で、腹が立った。

昭和40年頃だったか、木下恵介が『歴史読本』に
「会津白虎隊」について「自決するなんて愚か者だ」と
いうようなことを書いていた。これを読んだ時、当時の
私は逆上し、木下恵介を殺してやりたいくらい憎んだ。

1986年「日本テレビ年末時代劇スペシャル」で放映された
『白虎隊』のテーマ曲、堀内孝雄の『愛しき日々』。
作詩は小椋佳。

「風の流れの 激しさに 告げる想いも 揺れ惑う
 かたくなまでの ひとすじの道 “愚か者”だと
 笑いますか もう少し時が ゆるやかであったなら
 雲の切れ間に 輝いて 空しい願い また浮ぶ ...」

この歌でも「愚か者」とあるのだが、この歌には泣けた。
これを聞くたびに、私は「木下恵介」を思いだす。彼も
「反戦」主義者だったかと。


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「ATARU」は 当たるか?

2012-04-20 09:20:16 | テレビ・映画・芸能人
中居「ATARU」初回視聴率19・9%(サンケイスポーツ) - goo ニュース


中居正広8年ぶり主演のドラマ「ATARU」。
初回(15日)の視聴率が19・9%を記録。
今春第2位の高視聴率で好調に滑り出し。

初回 観て、私は さっぱり チンプンカンプン。
最近のドラマの手法らしい。だんだんに“謎”が
解明されていくのだとか。

私のつまづきは、「サヴァン症候群」というのは、
辞書や年表、音楽を一、二度見聞きしただけで
記憶してしまう超能力であって、見たことも聞いた
こともないものを透視することはできない。それは
ユリゲラーのような「超能力」であって、「アタル」
が「機械の番号」など事件の鍵を次々と言い当てる
のは おかしいと思ってまうからだ。

ドラマを観た後のネットやツイッターでの反応も
イマイチ少ないようだ。みな戸惑っているのかな?。

こうなると「中居くん」人気だけで、どこまで
続くかが見ものだ。「ATARU」“当たる”と
いいね、なんてギャグが、シラけさせないといいね。

(時代に取り残された「虚無僧一路」のひとりごと)


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江戸信吾 『RAIJIN』を演奏

2012-04-16 11:03:18 | 虚無僧日記
お箏のKさんが、稽古場を新築され、昨日その「お披露目」に
招かれた。Kさんが、この日にぜひ演奏したいと、依頼された
曲が、江戸信吾の『RAIJIN (雷神)』。

頭文字の「R」をとったら『AIJIN(愛人)』だが、そんな
生易しい曲ではない。♪=160の速さで、4/4 から 6/8、そして
「7/8」。1,12,1,123、123,12,12。最後は三拍に八つ音を刻む。
「雷神」だから 気が狂ったような曲。とにかくすごいド迫力の
演奏だった。

最近の曲は、もう 常軌を逸している。だが、考えてみれば、
尺八の本曲も「1,2,3,4,」のリズムには嵌らない。楽譜に
正確に表そうとしても 表記不能だ。そういう「リズム」に
はまらない音楽があることを 西洋人に教えたのは、実は
「尺八家」だったかも。

そして Kさんが 独奏された曲が、坂本勉の『平城山変奏曲』。
『平城山』といえば、しとやかな、日本情緒豊かな曲と思って
いたが、けっこう激しい変曲だった。先日ブログで書いた
ばかりだが、この曲の歌詩は、激しく燃える恋心を歌った
ものだ。

いつもおしとやかなKさんだが、内に秘めた情熱はすごいものが
あるようだ。演奏の後会食がこれまたサプライズ。なんと、
“回転寿司”の出前。あのクルクル廻る機械を部屋の中にセット
して、板前さんが、次々と握って、送りだしてくれる。ネタは
「大トロ、中トロ、ウニ、イクラ、ボタンえび」と、普段
なかなか口にできない高級品ばかり。

もう目が廻った。イヤ、目が飛び出るようなパーティで、
多いに 楽しませていただきました。

サヴァン症候群

2012-04-16 10:34:58 | 虚無僧日記
中居正広演じる『アタル』で、「サヴァン症候群」について
知られるようになった。「サヴァン症候群」とは特定の分野に
のみ驚異的な才能を発揮するが、人とのコミュニケーション
がとれないとか、日常生活には“難”ある人達のこと。

脳性マヒをわずらっていたり、目が見えなかったり、精神障害が
あったりする人達の中の10人に1人ほどの割合で存在すると
いい、世界で50名ほどが知られているそうな。

盲目で脳性小児麻痺の「レスリー・レムケ」は、14歳のとき
テレビで初めて聞いた「チャイコフスキーピアノ協奏曲第1番」を、
完璧に弾いてしまった。彼は、それまでピアノのレッスンを
受けたことはなかった。以来、レスリーは何千曲もの曲を弾きこなし、
即興や作曲も得意。

NHKの番組でも見た。日本から「森山直太朗」のCD『さくら』を
持っていって、彼に聞かせると、3回聞いただけでピアノを弾きながら、
歌ってしまう。彼は日本語を全く知らないのに、日本語で歌う
のだ。もちろん、伴奏は左手も完璧。

「その才能の1000分の1でも、私にあったなら・・・・」なんて
思うが、ひょっとして私も、1,000分の1くらいなら、サヴァン
症候群の“気”があるかも。だって、昨日のドラマ『アタル』で
中居君はこともあろうに素っ裸で歩いていた。実は私も、
家で一人でいる時は素っ裸のふりチン。それで逆立ちしたら
さすがに恥ずかしい。

「サヴァン症候群」は、後天的に突然現れたり、また消える
こともあるそうな。

「エリー」という少女は、精神障害をわずらい、言葉を話すこと
ができなかったが、驚異的な絵の才能があった。しかし、施設に
入り、言葉を覚えるようになると、絵の才能の方は失われて
しまったという。彼女にとって、どちらが幸福だったろうか。




ワタル(渡辺渡)のこと

2012-04-15 04:01:16 | テレビ・映画・芸能人
中居正広が『砂の器』以来8年ぶりに演じるTVドラマ『アタル』。
テレビを全く見なくなった私。久々に見たので、話についていけない。
チンプンカンプン。

さて こちらは「アタル」じゃなくて「ワタル」。「渡辺の渡
(わたる)」と言っても知らない人が多かろう。

DVDで 映画『地獄門』を見た。1953年(昭和28年)大映初の
総天然色映画。北面の武士で「遠藤盛遠」を長谷川一夫。
「盛遠の従兄弟、渡辺渡」の妻「袈裟御前」を京マチ子、
という世紀の美男美女。だが「袈裟御前の良人、渡辺渡」役の
山形勲が、私としては大いに気にいった。

ストーリーは、『平家物語』に登場してくる「文覚」上人の
出家の理由となった事件。


「文覚」は「遠藤盛遠」という北面の武士だった。従兄弟の
「渡辺渡」の妻「袈裟御前」に横恋慕して、関係を迫るも、
「袈裟」は凜として断る。「ならば、そなたの母を殺し、我も
腹を切る」と脅迫する「盛遠」に対し「いっそのこと夫(渡)を
殺してくれ」と、夫の寝所を教える。その晩、「盛遠」は
教えられた寝所に忍びこみ、「渡」とおぼしき人を殺して
みれば、なんと「袈裟御前」だった。

「盛遠」は「渡」に「わしを斬れ」と迫るが「渡」は「お主を
斬ったところで、袈裟を無くした自分一人生きていく悲しみは
癒えない」と。若い時の「山形勲」って、なかなかのハンサム。
気品があって美しい。そこで「盛遠」は「地獄の責めを負って
生きていこう」と出家して、旅立つところで「完」。

そうか「仏門」は「地獄の門」かと、妙に納得する私。

「盛遠」が「袈裟御前」に横恋慕したあげく、「袈裟」を
殺してしまう話しは『平家物語』には無く、『源平盛衰記』に
書かれているそうな。映画『地獄門』は、菊池寛の『袈裟の良人』
が原作。タイトルからみると「袈裟の良人」だから「渡辺の渡」
が主人公かと思われるが・・・・。


映画『地獄門』は大映初の総天然色(カラー)映画とあって、
絢爛豪華、実に美しい。第27回アカデミー賞にて衣裳デザイン賞
(和田三造)と名誉賞(外国語映画賞)を受賞し、第7回カンヌ
国際映画祭でもグランプリを受賞した。

さて、これに比べて、現在放映中のNHK大河ドラマ『平清盛』は
いつも汚らしい姿だ。我々は、『平家物語』に平家の公達の
“きらびやかな美”をイメージしているから、どうも、“汚らしい”
平家は見る気がしない。見ていないのだが、NHKでは、「文覚」
の事件を、「西行法師」のこととして放送されたそうな。
「西行」ファンにとっては許せぬことだ。

「法廷相続人」

2012-04-14 21:09:31 | 社会問題
身近にあった話。Bさんに、弁護士事務所から一通の
手紙が来た。なんでも、「あなたはCさんの相続人の
一人になっている」とのこと。

Cさんなんて知らない。天から降って沸いた話だ。
聞けば、Cさんという人が 亡くなったのだが、
その妻も、土地家屋の相続手続きをしないうちに
亡くなった。遺産はCさんから妻へ、そして子供が
無かったので、妻の兄弟姉妹に受け継がれる。

Bさんから見ると、母方の祖母の姉がCさんの妻に
なっていた。

Cさんの妻には兄弟姉妹が多く、みな亡くなっている
ので、その子供達。子供も亡くなっていればその孫達、
全員が「法定相続人」となる。その相続人が70人もおり、
海外に住んでいる人もいるとのこと。

今、その土地にはCさんの甥が家を建て替えて住んで
いる。その甥が所有権者になるには、Cさんの妻方の
相続人全員に「相続放棄」をしてもらわなければなら
ないのだ。

東日本大震災で家族全員亡くなった家などは、相続人の
特定が大変困難を極めることだろう。

「生命保険」も家族全員亡くなった場合、夫の保険金の
受取人が「妻」の場合、妻の両親。いなければ妻の兄弟
姉妹になる。逆に妻の保険金の受取人が「夫」の場合、
夫の両親となる。これは意外と知られていない。


仲代達也主演『日本の悲劇』

2012-04-14 20:30:33 | テレビ・映画・芸能人
『日本沈没』が、キャストの費用だけで1億円を越えたと
いうのに対し、こちらは出演者は「仲代達也、北村一輝、
寺島しのぶ、大森暁美」のわずか4人だけの映画『日本の悲劇』。
1月に完成したが、公開は未定。

親が死んだことを隠して 年金を不正受給していた問題を題材に
したもの。仲代演じる主人公「不二男」は、愛妻の死、心の病が
原因で失業した息子、そして自身の病と不幸の連鎖が連なり、
さらに東日本大震災が追い打ちをかける。不二男は、自らが
餓死し、不正受給した年金を息子の生活費に当てさせ、再起を
図らせようとする。扱っている内容はまさに現代の“日本の
悲劇”だ。

私の知人にも居る。80過ぎた独居老人。60になる息子は病気
持ちで働いていない。自分の年金で息子を養っている。
「自分が死ねば、息子は生きていけない」。と、昨日悩みを
打ち明けられたばかり。みな深刻な問題を抱えているのだ。

この映画が「年金不正受給」を助長するのか、阻止するのか
は公開されてみないと判らない。“お蔵入り”になるかも。


小松左京 『日本沈没』

2012-04-14 20:00:45 | 虚無僧日記
You-Tubeで「3.11東日本大震災」の映像を見る。
以前から目を通しているが、新たにいくつか増えて
いる。地震発生時の映像など、生々しい。

その流れで、映画『日本沈没』も見た。1973年の前作
ではなく、2006年版。当時は「バブル」はじけて、
日本の地位下落の比喩と見ていたが、3.11が
起きた以上、ありえない話しではなくなった。


映画は「小松左京」の原作と何点か変えられている。

「草剛」君演じる「小野寺俊夫」が、なんと会津の
造り酒屋の息子とはうれしい。会津の造り酒屋と
いえば「末広」か「花春」。両家ともよく知っている。

「石坂浩二」演じる「山本総理」は、小泉のパロディか。
ライオンハートならぬライオンヘアー。

原作や前作では、世界各国が日本人救出に手を差し
伸べてくれるが、この映画では、逆で一様に冷淡。
1億もの人口を受け入れるのは不可能だ。さもありなん。

実際、「東日本大震災」と「原発」の被災者を
受け入れる余地すら無いではないか。

いずれ来る「東南海大地震」。自分はどこでどう
死ぬのか。生き残ったら、どうやって生きていく
のか、考えさせられる。