午前6時の気温はマイナス5度。
雪がジャンジャン降ってます。きのうまでと違ってサラッサラのパウダーか?
町役場の「きょうの積雪・降雪量」によると、きのうまでで積雪深度は64センチ、総降雪量は2メートル40センチでござる。
けさはこれにプラス20センチってところ。
数値は街の積雪ゆえ、山暮らしの我が家より少ないとは思いますがね。
ご当地名物の豪雪もいよいよ本番ってことでござる。
さて、
現役官僚の若杉冽さんが上梓した「東京ブラックアウト」読みましたです。
本の帯には元財務省官僚の高橋洋一さんが「この小説は95%ノンフィクションだ。日本中枢で進行中の陰謀を見事に活写している」と書いておる。
面白いのは総選挙にあたって「電力モンスターシステム」がいかにフル稼働するかということ。
「日本電力連盟」(電気事業団体連合会、いわゆる電事連のことらしい)が作製した「ご説明資料」はまことに興味深い。
政治家の発言で、彼らにとって望ましいのは「脱原発依存、電源のベストミックス、バランスのとれたエネルギー構造の構築、電力自由化と原子力との両立」だそうだ。
さらに「ギリギリOKの表現」となると「脱原発、卒原発、電力自由化」だ。
ってことで、彼らにとって困る「極力避けていただきたい表現」はこうなる。
「原発ゼロ、全基廃炉、発送電分離」だとさ。
そして、「絶対に避けていただきたい表現」は「即ゼロ、全基即廃炉、所有権分離」だという。
最後の所有権分離は、発送電分離に関することだろう。
この発送電分離も、いま段階では従来の電力会社が発電も送電も所有権を握る「まやかしの分離」だもねぇ。
なんとしても発電と送電の所有権の分離は避けたいらしいけど、資本主義の常識では所有を分離するからこそ自由化でありコスト削減にもつながるだけどねぇ、、、
話は戻りますが、前出の資料を使って、電力連盟の常務理事は与野党を問わず、候補者間を走り回ったとある。
そしてこう言っておる。
「とにかく、即ゼロとだけいわないでください。そうすれば、資金面、人手ともに、私たちのグループで面倒をみさせていただきます。脱原発、卒原発とは発言していただいて構いません。当選後に『私が公約した脱原発は、即ゼロという極端な話ではなく中長期的な話。現実的には即ゼロは国民負担が大きいことが心配』と軌道修正していただければ、それで結構ですから」だそうな。
なんとも、よくできた話だはないですか。
小説ではこれがフクシマの事故のあとに、また別の事故が起きたその後の選挙という設定だから、それでも原発を維持するというから呆れるのです。
再び深刻な事故が起きたというのに、原発へのなんとも凄まじい執念があるのが電事連、元へ日本電力連盟なのだ。
その「私どものグループ」とは、「日本電力連盟を頂点とし各電力会社の取引先を末端とする企業グループ」。
そして地域独占に支えられ、「電力会社が物品の調達先や役務の発注先といった取引き先に、市場価格の2割増しの単価で発注する。その超過利潤(レント)である2割のうち5分を取引先のファミリー企業を組織化した任意団体に供託する」
このカネを電力会社が差配して政治家のパーティー券から政界工作、落選議員の面倒まで見るのだ。
小説では、このシステムをなんとしても維持したいのが日本電力連盟であり、各電力会社だというのだ。
電力会社が外部に発注する金額の総額は年間5兆円だ。そこで生まれる電力会社が自由になるカネは業界全体で2000億円にも上る。
事実上の裏金が2000億円って、これに群がる政治家がいて当たり前田のクラッカーってことだ。
あなたの周りの落選国会議員で、どこぞで大学教授なんぞしておる方はいますかね?
「電事連」がしっかり面倒見ておる可能性があるのです。
電力会社の力の凄さが想像できますなぁ。末端の社員は全く知らんことでしょうけど、、、
そんなこんなで、現役官僚が上梓した「東京ブラックアウト」は「ニッポンのウラのウラ」がよくわかる小説となっておりまする。
ご一読をお勧めいたします!!