心の扉 神戸カウンセリング花時計

心理療法や催眠療法、ストレス解消や悩み等メンタルに関するもの、そして日常の出来事を自由気ままに掲載します。

何が目的なのか

2010年08月02日 | 催眠療法





退行催眠とは何ぞやと言葉で表すとなると

難しいところです。



前回のブログで書かせて頂いたような、

目的が大人ではまず不可能であろうと思われる絵を

被験者に書いてもらうことであるのなら、

被験者の催眠への没入度を深くする必要があります。



しかし、被験者催眠没入レベルを深める必要があると言っても、

全ての被験者が初回、または数回の催眠体験で、

そのレベルまで必ず達するかと言うと、

そうはならないと言うしかありません。



何故なら、催眠の没入が深くなるというのは、

被験者が、今までの社会的な価値観や倫理観を担う

意識の活動を弱め、

ありのままの自分を担う心に活動を

預けた状態になることでもありますから、

自己受容の高い人、他者への信頼度が高い人、

または、他人を信じて自分を委ねることが出来る人。

と言うようなことが関係してきます。



そして、これらの条件が高い人ほど

催眠没入度が高いことになり、

没入度が高く催眠的には

優れた能力を持っている人となります。



しかし、催眠没入度が高すぎる人、

または、暗示に影響を強く受ける人は、

普段の生活においても、

自分で考え、判断し、決断することにおいて脆弱で、

他人の意見に影響を受けやすかったり、

他人を疑わなさすぎて騙されたり、

裏切られたりすることの、

危険性も増すと考えることが出来、

その意味では賛成できません。



何はともあれ、

被験者の催眠を経験する時の没入度は、

催眠誘導者の技術レベル×被験者の催眠能力=催眠没入度となります。



そこでなのですが、

被験者に退行催眠誘導をして、

大人では書けないような絵を書いてもらう事が目的であるなら、

それが可能な催眠没入レベルまで

達してもらう必要がありますが、



相談者の施療の目的は、悩みや問題を解決することです。

心の平安を取り戻し、自分に期待を持ち、未来に期待を持ち、

やりがいを感じ、生きがいを感じ、

今を楽しく感じれるようになることです。



そのためには、もやもやした心の状態を、

突き上げてくるような苦しみや恐れ、

不安感や悲しみ、激しく湧き上がる怒りなどを

引き起こしている原因を特定し、

それらの感情を解消することになります。



それを成し得るためには催眠没入度は、

それほどのレベルを必要としません。



そのレベルに達することが無くとも、

その感情と強い関わりのある

心の規則を特定することが出来ますし、

解決に必要であるなら、

現れている感情をたどり、

その心の規則を定めるに至った出来事を

特定することが出来ます。



私が施療で退行催眠を滅多に使わない理由。

スプーンを曲げるのなら、

有るのか無いのか分からない超能力を発揮しようとせずに、

手で曲げることが出来るのなら手で曲げる方を選択する。

それと同じ意味です。



催眠療法&心理療法 神戸ストレスカウンセリング・ルーム花時計


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