最初に繰り返しになると思いますが
重要な点なので書かせて頂きます。
催眠状態は、普段の状態と比べて
無意識の活動が優位となる状態ですが、
だからと言って催眠状態にどんなに深く没入しても
意識を失うようなことはありません。
リラックス状態の被験者を見ると
被験者を観ると眠っているように見えることから
催眠(眠りを催す)と名付けられているだけで
実際は眠っているのでもなく、
意識も失ってはいません。
催眠を体験している被験者の意識は、
催眠状態にある被験者自身が気が付かない位に
普段の意識状態との大きな違いはありません。
催眠体験中の被験者が、
その時、自分が何を話しているのか、
何を体験しているのか認識することが出来ます。
そして、
テレビ等で行われている催眠を観ると
十分な催眠状態に入れた被験者を
誘導者の好きなように操っているように見えますが、
あのようなことは誘導者からの提案(暗示)に
被験者の無意識(心)がOKを出してもらって
はじめて成り立ちます。
例えば、十二分に催眠状態にある被験者が
マイケルジャクソンになって
音楽に合わせて踊ると暗示された場合等、
被験者の心がOKを出すと音楽に合わせて踊り始めますし、
本気でNOを出す被験者は、
全く踊りだすことはありませんし、
気に食わない暗示を提示されたことに反発して
催眠状態から一瞬で覚醒状態に戻る被験者もいます。
催眠の本質は、自己催眠であり、
その自己催眠を補助(援助)する
役割を果たすのが催眠誘導者となります。
だとすると催眠誘導者は必要なく
自己催眠で全てが事足りるじゃないかと言われれば、
確かにその通りではあるのですが、
催眠に深く入れば入るほど
催眠被験者は受動的(受け身)になり、
催眠誘導者と催眠被験者の一人二役をこなさなければならない
自己催眠の場合は、次第に催眠状態が深くなっていくと
誘導者(リード)の役割を担う心も受動的になり、
誘導者の役割を果たすことが難しくなります。
自己催眠で他者催眠と同じような
深い催眠状態の恩恵を得るには、
相当数の経験を積み重ねる必要があります。