いつもの友人と朝7時前の電車に乗り込んで、
今回の最初の目的地、京都の酬恩庵(一休寺)へと向かいました。
グーグルマップで指示された経路は、
尼崎で乗り換えて大住駅まで行って、
酬恩庵一休寺まで、えっちらおっちらと19分歩くです。
大住駅の改札を出て取り出した地図では、
改札を出て左に歩くと
京奈和自動車道高架があるはずなのですが、
現地では、京奈和自動車道が改札を出て右の方向にあって、
「なんじゃこらあ?」と、
友人と二人でのっけから思案六法です。
こんな時に頼れるのは現地の人からの情報。
予定では、午前9時前には酬恩庵一休寺に到着でしたが、
午前9時に私達が居た場所は、
酬恩庵一休寺には、まだ遠い喫茶店です。
カフェ・デ・グランリュ
「あわてない。あわてない。一休み。一休み。」
一休和尚の声が聞こえたような気がしたんですよね。
モーニング〔B〕セット ¥600ー
チーズトースト、ハム、卵焼き、サラダ、ヨーグルト、
ドリング(コーヒーまたは紅茶)が付いています。
安くて美味かった。
酬恩庵 総門【国指定名勝 酬恩庵庭園】
ここ酬恩庵は、一休禅師が再興し、
晩年を過ごした所縁で通称一休寺と呼ばれています。
一休さんのことは、
勉強よりも三度の飯の方が好きだった私でも
一休さんの逸話をいくつか知っていたし、
子供の頃に一休さん【アニメ】もヒットしていたので
私の世代では、かなりの有名人です。
酬恩庵(しゅうおんあん) 石標
前々から来たかった場所に、ようやく来れました。
「酬恩庵」には、師恩に報いるという意味があります。
酬恩庵 参道
総門を通り抜けると、まっすぐに奥へと延びる石畳の参道。
その両脇には楓が植えられ苔が敷き詰められています。
このアプローチは、圓光寺に似た感じです。
手水舎
龍でもなく亀でもなく竹のシンプルな手水舎。
浴室【重要文化財】
拝観受付のすぐ前にある浴室。
禅宗では入浴も大切な修行と定められているのだそうです。
そして、その隣にあるのが、
三本杉
ここ酬恩庵の三本杉は、
一休禅師、蓮如上人、蜷川新衛門による
お手植えの杉として500年の縁を湛えていたそうですが、
その杉は、寿命となり
昭和40年に植えられた2代目だそうです。
宗純王廟(一休禅師のお墓)
門扉には、皇室の象徴である
「菊花紋章」の透かし彫りがあります。
一休禅師は、室町時代の後小松天皇の
御落胤(おとしだね)との説があり、
宮内庁が一休禅師の墓所を管理しているためです。
本堂へと続く参道
真っすぐ行って奥に見える中門を
通り抜けると本堂へ、参道右側にある中門を入ると
私達のお目当ての国指定名勝の酬恩庵庭園があります。
酬恩庵庭園の石標
庫裡【重要文化財】
中門を通り抜けると、この美しい景観が目に飛び込んできました。
庭園の期待が高まります。
唐門【重要文化財】
唐門に向かって右側には、
虎丘庵(こきゅうあん)があります。
一休禅師が愛人の森女(しんにょ)と暮らしていた場所で、
二畳の水屋と三畳と六畳の小部屋だけの簡素な建物で、
特別公開の日に拝見することが出来ます。
抹茶室
井戸
方丈【重要文化財】
方丈中央に昭堂と称する内陣に
一休禅師の木像が安置されていて
この日訪れた私達も見ることが出来ました。(木像は撮影禁止)
一休禅師の木像がすごくリアルに出来ていて
作者は誰なんだろう。
運慶、快慶かと思えるほどです。
酬恩庵 方丈庭園南庭 国指定名勝
白砂で大海をあらわした南庭。
庭園の外には一休禅の墓所と虎丘庵の屋根が覗いています。
庭にはツツジ?サツキ?が多く使われていたので、
そこで私は💡(閃いた。)
同じようにツツジが多く使われていた
智積院の庭園の名称が一休好みの庭となっていたのは、
それか。うおおおおおお。
後で調べ直すと智積院の庭の名称は一休好みの庭ではなく、
「利休好みの庭。」でした。
謎だった最後のピースを埋めた感の💡は。。。恥ずかしい。
一休禅師の輿
一休禅師が81歳で大徳寺の住職になった際に、
この輿に乗って酬恩庵から大徳寺に通ったそうです。
酬恩庵から遠いよお。大徳寺は。絶対に乗り心地悪いし。
当時の時代に生活している人の感覚と、
便利な社会で生活している私の感覚は、
やっぱり違うんですね。
申し訳ないけれど、もう罰ゲームとしか。。。
酬恩庵 方丈庭園東庭 国指定名勝
十六羅漢の様子をあらわした東庭。
十六羅漢とは、世にとどまって
仏法を護持する16人の羅漢のこと。
酬恩庵 方丈庭園北庭 国指定名勝
枯滝落水の様子をあらわした蓬莱庭園。
私達が訪れた時が良かったのか、
南庭も東庭も北庭も、全てがしっかりと手入れされていて、
庭園が美しく整えられていて輝いているようでした。
今まで多くの庭園を見てきて思ったことは、
不精して散髪をせずに放置するとボサボサ頭になるのと同じで、
少し手入れを怠ると庭園が持つ本来の輝き、美しさが
ぼやけた感じになるんですよね。
デジカメの電源をオフにして方丈をもう一周。
肉眼と肌感覚で庭園を堪能してから
本堂に向かいました。
本堂 中門
酬恩庵 本堂【重要文化財】
庫裡内に紅葉の季節に撮影した
酬恩庵のポスターが張られていて、
どこの画だろうと思っていたら、この本堂の画のようです。
一休禅師立像
開山堂
少年一休立像
こちらの一休さんは、
私が楽しんだアニメの一休さんに近いですね。
石佛郡
かなりの数の石佛が、
ずら~と同じ方向に鎮座しているのを観て、
イースター島のモアイ像を思い出しました。
放生池
池の後ろの高い樹木と桜の花と水面の睡蓮の葉、
なかなかの景観でした。
出たっ。出ました。
超有名なとんち話が具現化されています。
他にも有名な逸話として、
一休禅師が遺言書として書き残したものを
「弟子達や。本当に困った時にしか開封してはならない。」と、
きつく言って世を去ったのだそうです。
一休禅師が亡くなってから弟子達は、
以後、お寺が危機に力を合わせて乗り越えてきたのですが、
ある時、本当に大変な困難に直面した弟子たちが、
今こそ禅師の智慧が必要だと遺言書を開封する決断をしました。
そこに書かれていた言葉は、
「大丈夫。心配するな。何とかなる。」
これ最高!一休禅師の沢山ある逸話の中でも
私は、特にお気に入りです。