心の扉 神戸カウンセリング花時計

心理療法や催眠療法、ストレス解消や悩み等メンタルに関するもの、そして日常の出来事を自由気ままに掲載します。

同調行動と同調圧力

2018年04月25日 | 雑感・愚見

 

アメリカ合衆国で活動した

ポーランド出身の心理学者ソロモン・アッシュが、

1955年に発表した同調に関する有名な研究があります。

 

同調行動を検証した心理実験は、

実験者は、AとBの2枚のカードを提示します。

そして、

実験に参加している大学生に

Aのカードに描かれている『線』と同じ『線』を

Bのカードに描かれた『3つの線』から選ぶことを求めました。

 

Bのカードに描かれている『3本の線』

①『-----』

②『---』

③『-------』

 

Aのカードに描かれている基準線

『-------』

 

このような間違える可能性が非常に少ない

シンプルな問題に答えてもらう実験を行いました。

 

単独で解答させた場合の正答率は、95%

当然の結果だと思いますし、

もっと言うなら正答率が低い位です。

 

ところがです。

大きなテーブルを囲んで6人のサクラと、

実際の心理実験の検証対象者の一人が着席し、

その一人に6番目に答えさせた場合の正答率は、

65%まで低下したそうです。

 

これに似た心理効果として、

「今流行っているから。。。」

「今年の流行りは○○だと言っているから。。。」

「皆が買っているから良いものだ。。。」

「儲かると多くの人、情報が言っているから。。。」

のように、

個人判断よりも集団の判断の方が正しいと思ってしまう

『バンドワゴン効果』があります。

 

数の勢いに抗えず、その場をやり過ごすために

表面的に周りに同調するだけの場合もありますし、

数の勢いに押し流されてしまい

本心から自分の考えや判断を

変えてしまうこともあるようです。

 

人には、

物理的な暴力や言葉による圧力(強制や脅し)による

集団からの干渉がなくとも

集団の判断に同調しようとする

心理が働くことがあるようです。

 

そして、

目に見えない圧力や聞こえない言葉による圧力に

強く影響を受けた結果に不都合なことが生じても


それは自発的なものであり、

その人の自由意思による決定とみなされるので、

他人に責任を問うことは認められず、

自己責任とされることになるので

注意が必要です。


また、同調現象が起きている場では、

異論は排除され、同調意見が歓迎され、

それでも異論を唱えようとする者に対しては、


論理的な反論ではなく

個人攻撃、人格攻撃等によって

沈黙を強制したり、同調への圧力をかける者が

複数現れることがあります。


ある目的を持った少数の集団(仮に5人)が、

自分達の目的のために

大きな集団(仮に30人)の考えや行動を

動かそうと画策した場合、

 

一人、二人を呼び出し、

同調心理を利用し、個人の考えに影響を与え、

一人、また一人と切り崩していき

ある一定の人数まで来ると、

雪崩的な大きな同調現象を起こすことが出来ます。


この同調現象が起きている時に、

自分の意見や検証を変えることなく

貫くことは容易いものではありません。

 

催眠療法&心理療法 神戸ストレスカウンセリング・ルーム花時計


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